職場や家の中でのイライラや怒りを引きずって、そのあとなかなか笑顔に戻れない時って、ありますよね。
心に負の感情が湧き上がってくる時、その感情を打ち消そうとしたり、無理をして忘れようとしても、うまくはいかないもの。
そんなときはまず自分の感情をしっかりと認識して、「気持ちを棚卸ししてみる」といい…と教えてくれたのは整理収納アドバイザーの中山さん。
収納のプロならではの心の整え方の視点に、目からウロコです。
教えてくれたのは▷中山真由美さん
Ritta Stanza 主宰。整理収納アドバイザー。
暮らしと気持ちに寄り添う整理収納術は、物だけでなく、心の整理もサポートしてくれると大人気。
最新刊『10分でスッキリ!捨てない片づけ』(主婦と生活社)が発売中。
instagram(@mayumi.ritta)
Twitter(@rittamayumi)
怒りの先にあるものは? 想像力で感情リセット
整理収納を通して、多くの人を笑顔にしてきた中山真由美さん。
ご本人も笑顔がトレードマークのような方ですが、実はその笑顔のコツは、整理収納アドバイザーという仕事を通して身につけたものだそう。
「整理収納は、そこに住む人の未来の暮らしをイメージして行なうもの。
その思考が癖になっていて、どんな出来事に対しても未来を想像してしまうんです。
例えばイライラしたときには、夫にあたってしまって大ゲンカに発展する未来が目に浮かぶ(笑)。
すると、そんな未来は嫌だから怒るのはやめようと気持ちが切り替わるんです。
この思考が、機嫌よくいられる理由かもしれません」
私の心の余裕をつくる3つのキーワード
■1▷「負の感情が続いた先の未来を想像する」
「心に負の感情が沸き上がったら、まずはその感情をしっかり認識します。
次に『この感情が続いたら私はどうなる?』『周りの家族は?』と、未来を想像する。
経験上、負の感情の先に明るい未来は待っていません(笑)。
未来の自分の姿がイメージできれば、そのあとの行動は自然と決まってくるはずです」
<1> イライラしている自分の感情を認識する
<2> その感情が続いたらどんな未来になるか想像する
<3> プラスの未来に進むための行動がジャッジできるように
■2▷気持ちを棚卸しして言語化する
「朝起きてすぐ『不安に思っていること』を、夜寝る前には『きょう嬉しかったこと』をノートに書き、定期的に読み返しています。
朝晩で書き分けているのは、どんな不安も時間の経過とともに解決していくことを目で見て認識するため。
早いものだと、朝不安に思っていたことがその日のうちに解決。
夜には嬉しいこととしてノートに書かれていた、なんてことも。
その成功体験が自信になり、負の感情に心が乱れることがなくなりました」
不機嫌は収納で解決できるの?
■女性の心を整えるのはズバリ布物!
これまで2000件以上のお片づけのお悩みを解決してきた中山さんいわく、「女性は布物をきれいに収納すると気持ちが上がる」とのこと。
「試しに衣類やタオル、布巾などをきれいに畳んでみてください。
やわらかな素材のものがピシッときれいに収納されているのを見るだけで気持ちがすっきりしますし、不思議と片付けのモチベーションも上がると思いますよ。
かたや男性は、CDや本などかたい素材のものをきれいに収納すると気持ちがアップ。
旦那さんにすすめてみては?」
私たちの機嫌を上げるとっておきアイテムたち
ちょっと気分が上がらないとき、どんなものでモチベーションを上げるのか…。
読者のアイディアを見せてもらいました。
マスク生活でもあえて赤いリップを
疲れを感じたときは、発色のいいリップを塗ると顔色だけじゃなく気分も上向きになります。
お菓子のダラダラ食べもやめられて◎。
(33歳・みこさん)
マンガで涙活 心のデトックス
「感動」することが好きなので、温かい気持ちになれるマンガの世界に入り込んで思い切り泣きます。
共感の涙を流すことで心がすっきり!
(34歳・ゆうさん)
柔軟剤の香りを気分でチョイス
ふだんから好きな香りの柔軟剤をいくつかストック。
そのときの気分に合わせて選んだ香りで洗濯をすると、一日のやる気がアップ。
(36歳・かめさん)
名言や格言を読んで気持ちを整える
SNSなどでいいなと思ったつぶやきはすかさずスクショ。
モヤっとした気持ちになったときに見返すと「……がんばろ!」って思えます。
(43歳・さやさん)
一日の終わりに自分へのごほうびビール
ご当地物や海外ビールを用意すれば、手軽に旅気分。
揚げるだけで完成する、業務スーパーのたこのから揚げが最高のおつまみです!
(38歳・あーさん)
深夜時間のお供は自分へのねぎらいアイス
家族が寝静まってから1人時間を満喫。
アイスを片手に、きょうあったことを振り返りながらあすのことを考えると、気持ちがリセット!
(40歳・アイスさん)
<レタスクラブ’21年2月号より>
イラスト/たけのこスカーフ 取材・文/恩田貴子、細川眞由美