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お金の管理、どうしてる?大切なのは夫婦で話し合う“時期”と“内容”【SILVA姐さんに訊く「夫婦生活モヤモヤ解消術」9】

  • 2020年8月3日
  • レタスクラブニュース



好きな相手と夢を描いて結婚したはずなのに、結婚生活が続いていくうちにモヤモヤがたまっている…。そんなあなたに「婚前契約書」を交わしたSILVAが贈る「ムダなケンカがなくなる快適結婚生活」へのヒントが詰まった連載です。第9回のテーマは、家庭によって考え方もルールも異なる難しい問題「お金の管理について」です。

こんにちは、SILVAです。シンガーやDJ、最近では親子で学ぶ「脳育」のワークショップを行ったり、お粥屋さんをやったりしています。

私は離婚を経験し、2回目の結婚前に「婚前契約書」というものを夫との間で取り交わしたのですが、それが夫婦生活を送るうえで、いいことづくめ! 「婚前契約書」のお話はまた別の回でもたっぷりお話ししますが、そんな結婚生活を送る中で感じたことをお話しさせていただきます。


最初の失敗で気づいた、お金に関する話し合いの大切さ


みなさんのおうちは、誰がお金の管理をしていますか?
どちらかがお金の管理を担う、それぞれ別管理にするなど、きっとそれぞれのご家庭のルールがあるのではないかと思います。

婚前契約書についても、とかくお金にまつわる約束事が多いように思われるかと思いますが、そうです、その通りなのです。
恋愛中、付き合いはじめのラブラブな頃にお金の話をするなんて、雰囲気ぶち壊しになるのでは…?お金の話をしてがめついと嫌われてしまわない…?こんな心配をよそに、ラブラブな初期の頃こそ、むしろお金の話がしっかりできたり、時には大きな心で譲り合える思いやりをもって健全な会話が展開できるんです。

そう、結婚後にこのお金にまつわる話をすると、その場の空気がかなり重たくなりますよね…笑
恋愛時ですらそんな感覚を覚えていた私は、1度目の結婚ではお金の管理はおろか相手の収入すら知らないまま結婚し、結局離婚。お金のことは関係ない、とは言い切れない終わり方をした経験もあり、2度目の結婚では最初にお金の話がしっかりできなければ最後まで話せることはないだろうと、勇気を出して取り決めをしました。

夫婦で話し合った具体的な取り決め内容


一般的な夫婦のお金の管理としては
・夫がすべて管理(妻のお小遣い制)
・妻がすべて管理(夫のお小遣い制)
・折半
・毎月定額を出し合って貯金
・家賃、食費、光熱費など担当を決めて支払い、残りの収入はそれぞれで管理
など、様々なパターンがあるかと思います。

私たちの場合は、“互いの収入を報告する“ことを前提として、生活費全般に関して妻(私)が管理し、その全てを折半にしています。折半と言っても、一円単位できっちりと…までは細かくはありません(笑)
家事も育児も折半ですし、お金についても折半にすることで、夫婦の潜在意識に常に「折半」という感覚があります。そのため、何においてもお互いに相談し合うというスタンスが自然に出来上がっているのです。


例えばこんなことも婚前契約書に記載しています。

「2万円以上のものを購入するときには事前に協議する」

これは、私たち夫婦にとってはとても良い項目だったなと思います。人ぞれぞれ2万円の価値は違うと思うのですが、2万円の買い物が高級腕時計やカバンだとしたら、私の感覚では安いうちに入ります。でも、それが2万円のTシャツだったら…。私は2万円のTシャツは高すぎる!と思うのですが、もしこのTシャツが主人の趣味で、NIKEのデッドストックで、希少価値の高い“お宝Tシャツ”だとしたら…主人にとっては安いくらいの買い物、いや、このチャンスを逃す手はない!と2万円以上の価値を感じるはずなんです。

そういった価値観の違いも、2万円くらいからだとお互いの感覚のズレ具合や、趣味嗜好を理解しあえるきっかけになるので、「お金」の感覚というのは知って損のない、互いを理解しあうには重要なコンテンツなんだと夫婦になって感じるのです。

「離婚した場合、20歳まで子ども一人あたり月額10万円の養育費を支払うこと、離婚の原因となる行為をした場合は慰謝料100万円を払うこと…」

このようなお金に関する項目もあるのですが、これ、よく見てください。現実的に支払えそうな金額だと思いませんか?重厚感のない慰謝料、子どものために頑張れそうな養育費の設定になっています。…そうです、わざとです(笑)。

現実的に払えそうにない金額をペナルティのように約束事にしても、実感がわかないために危機感なんて湧かないというのが人の心理。むしろ、現実的な数字で約束事をするとそれがリアルな感覚で意識に残るので、そう簡単に離婚の原因になるようなことをしようと思わなくなるのが人間の性なのかもしれません。

我が家はこれまで、お互いが「離婚」につながるような言動をしたことがないので、これは効力があるんだなと実感しています。人間の心理を先にしっかり突いておく、ここがポイントでした。


「借金・ギャンブルに関して、株取引やFXの投資・宝くじ購入・その他ギャンブルは原則として行わない」

これは生活費や離婚の際の養育費についての取り決めよりも細かい事例にみえますが、実はとても大事なポイントでした。

例えば、最初はほんのちょっとの気持ちで始めたつもりの宝くじが、気づけばお財布ごとつぎ込むギャンブルへと移行してしまう、なんていう可能性がないとは言えません。相手にそんな勝負心があるかどうかなんて、結婚前にどうやって知ることができるのでしょう。

こんな時代の中で、いつ一攫千金を願いたくなる状況に陥るかなんて誰もわからないのです。でもそんな時にこそ、この項目をお互い話し合っておくことで、ギャンブルはほんの出来心でやってはいけない、という無意識の制御が働くはずなんです。

独身の頃は、自分で稼いだお金は自分の自由に使う、という感覚ですが、家族になったらそんなことも言ってられません。借金の負担は家族へものしかかります。大きな問題にしないためには、必ず最初に話し合っておくべきポイントだと思います。

お互いの価値観を認め、折り合いをつけられるようになる


このような感じで、お付き合いし始めた頃、私たちはお金の感覚についてよく話し合いをしてきました。
今でももちろん事あるごとにお互いが相談をして、お互いの稼ぎを有効にシェアしていますが、この契約書を交わしたことで、お金に関してトラブルや嘘をつかれるなんてことは今のところ1度もありません。

一般的に、感情のもつれや価値観の違いを別離の理由とされることが多い気がしますが、こと、お金に関しては価値観をしっかり話し合えば、互いに理解しあってルールを決められる分野ではないかなと、実際の結婚生活の中で感じます。

大事なポイントは、“最初のうちにしっかり話すこと”。「最初」が無理なら、どこかのタイミングでしっかり「お金」の話をする機会を持つことをお勧めします。

その時、感情的になったり、自分の考えを押し付けたり、正当化したりする前に、まずはこの契約書を参考に「こんな契約書でお金の話をしているご夫婦もいるみたいだよ」と、話のきっかけにしてみてください。1組でも多くのカップル、ご夫婦の話し合いの助けになれたら、本望です。




◆SILVA

1998年にデビューして以来、シンガー、DJなど幅広く活躍。2002年に一度目の結婚を経験。15年の再婚時には、日本ではまだなじみのなかった婚前契約書を交わして話題となる。16年に出産後は、親子で学べる脳育のワークショップ開催や、お粥専門店『Congee Table』の経営など、活動の場を広げている。

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