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Vol.58 16年目に向かうゴスペラーズのなかで僕が考えたこと その1

  • 2010年10月7日

 

 みなさん、こんにちは。ゴスペラーズの北山陽一です。
16th  ゴスペラーズはデビュー16年目の活動がみなさんの目にも見える形で活発化してきて、僕たちもけっこう慌ただしい毎日を過ごしています。昨年の15周年記念企画をやり終えて次に進むタイミングで、僕たちはメンバー全員でしっかりと話し合う機会を持ち、その結果を踏まえながらいま新しい活動を進めています。その話し合いに向けて僕がどういうことを考えていたか、またどういう話をしたかということを今回はご紹介したいと思います。
 それは、音楽とエコ活動とでは一見ずいぶん畑違いのように見えますが、じつは通じるところがとても多いから、その一方の音楽のフィールドで15年間グループとして活動してきたゴスペラーズがさらに長く続くために話し合い、考えたことは、エコ活動のなかでグループを運営していくことの、またグループのなかで個人が活動していくうえでの考えるヒントのようなものがあるのではないかという提案をスタッフからもらったからです。
 さて、この15年間を振り返ってみると、僕自身はゴスペラーズのリーダー、村上てつやのリーダーシップにぶら下がってきたというか、彼に守ってもらったうえで、自分にできることを増やしたり、どうやってグループに貢献しようかということを考えていただけだったと思います。言い換えれば、“ゴスペラーズというものは在る”という前提のなかで何をしようかということを考えていたということですが、でも現実的には自分のなかでも対外的にも、無前提にずっとゴスペラーズでいることはできないわけですよね。それに、ぼんやりと“オレはゴスペラーズだ”と思ってるよりも、自分のなかで選択的にしっかりと自覚して“僕はゴスペラーズの北山陽一という人生を選んでいるんだ”という形にしたほうが強いじゃないですか。いくら「ぼんやり学会」でも、こればかりは「ぼんやりしようよ」とは言えないかもしれない(笑)。それで、16年目の活動に入っていくにあたって、僕の人生と“ゴスペラーズの北山陽一”とがリンクする部分をそういう自覚的な選択の形にしていくという方向で捉え直す機会としてメンバー全員のミーティングをとらえたわけです。
 ゴスペラーズ全体の状況を客観的に見ても、初期のゴスペラーズのなかではそれぞれが個々の持ってる能力を必死に伸ばすことだけを続けてきたわけですが、おかげさまでそういう時期は過ぎてきたと思うので、グループとして次のレベルを本気で考えるべきタイミング、大げさに言えば、組織として改編の時期というか改革の時期に来ていると思っていました。それに、やっぱり15年もやっていると、お互いに“こいつはこうだ”“あいつはきっとそう考えている”みたいなことで物事が進んでいって、結果的になあなあになっていったりします。ゴスペラーズをその流れに入っていかないようにしたかったということもありますね。そう言う意味では、ある種の危機感があったことも事実です。
 一般論として、現状でいいと思っている人と、現状よりもより良くなりたい、あるいは現状では駄目だと思っている人が混在している状態というのは、組織としては良くないと思うんです。怖がらずにお互いの意識を確認しないと。それはゴスペラーズのようにうまくいってる組織でも必要なことで、そのうまくいってる理由が突然うまくいかなくなる理由になることも有り得るわけだから、ゴスペラーズもこのあたりでぶっちゃけて話し合いましょうということですね。
 例えば20年でゴスペラーズをお終いにするのなら、そんなことはやらなくてもいいかもしれないですが、もっともっと長くゴスペラーズを続けていくためには一度そういうことが必要だろうと思ったんです。
 つまり、僕の意識のいちばんベースにあったのはとにかくゴスペラーズを長く続けたいということです。
 エコ活動に取り組んでいらっしゃる方にとっても、長く続けるということは重要なテーマでしょうし、そもそも長く続けなければ成果をあげられないのがエコ活動であるというふうにも言えると思います。
 僕自身は、ゴスペラーズを長く続けるという目標から逆算して、自分がゴスペラーズのなかでどういう立ち位置に立つべきかを考え、自分を変えていくと同時にメンバーにも提案していきました。
 そのあたりのことを次回は書いてみたいと思います。どうぞお楽しみに。

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