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vol.18 フェアトレードの考え方は国内にも応用できるはず!

  • 2009年3月19日

 みなさん、こんにちは。ゴスペラーズの北山陽一です。

フェアトレードの考え方は国内にも応用できるはず! 前回は、プレオーガニックコットンプログラムを例にして、ちょっと視点を変えてみれば歓びを見出すヒントがあるという話をしました。あれから2週間のうちに、ちょっと妄想する時間があったりしましたか? そこで、日本妄想研究所の代表として(笑)、ひとつ提案したいことがあります。というのは、そういう妄想の時、日本人はグローバルなものにはよく目を向けるんですが、けっこう灯台下暗しというようなことが多いんです。つまり、ローカルなものをもっと見直してほしいという気持ちが僕にはあります。

たとえば、(と、いきなり具体的で身近な話になりますが)僕は「八戸大使」として、みんなに八戸の街をアピールする使命を帯びています。そういう役割を担うことになって、改めて八戸という街を見直してみると、地元の人があまりすごいとは思っていないようなところでも、けっこう面白いところがあるんです。種差海岸もそのひとつで、波打ち際まで天然の芝生が生えているという、とても珍しい海岸です。普通は波打ち際というと砂浜になっていて、そこで砂の城をつくったりするわけですが(笑)、その海岸では波が打ち寄せている風景をバックに芝生でサッカーをしてたりするんです。そういう光景ってあまり見ないですよね。でも、地元の人にしてみれば、昔からそうだから、別に気にしていません。で、八戸の人はみんな、「ホント、八戸には観光名所がなくて…」とコボすんです。あるいは、八戸には「三社大祭」という夏祭りがあって、山車も素晴らしいんですが、お祭りの二日目に行われる「騎馬打球」というのが凄いんです。要は、紋付に袴というかっこうでポロをやる、ということなんですが、そう話すだけで見たくなるでしょ?(笑)食べ物では、地元の人たちは〆サバを推薦してくれます。本当に、滅茶苦茶おいしいです。

最近は、フェアトレードの取り組みがずいぶん知られるようになって、いろいろな国々からフェアトレードのコーヒーやチョコなどなどいろいろな品物が入ってきていますが、僕はそのフェアトレードの意識をみなさんの地元にも向けてほしいと思います。つまり、ベネズエラやバングラデシュ、あるいはインドのコットンの農家のことを考えるのも大事だけれど、八戸の地元でサバ漁をやっている人たちのことを考えるのも大事ということですね。もっと言えば、フェアトレードの枠組みを日本の農業や漁業、それに伝統工芸の世界に応用するような取り組みが出てこないかなというふうにも思います。たとえば、漆塗り職人を志している人たちは一人前になるまでは、コンビニとかでバイトをして生活をしているという話を聞きますが、そういう人たちをサポートする仕組みはできないものかな、と。自分がサポートした職人さんが丹誠込めて塗った漆塗りのお椀でいただくみそ汁なんて、これはもう格別だと僕は思うんですが。

もちろん、対外的なフェアトレードも絶対広げていかないといけないと僕は思っています。これは改めて強調しておきますが、そのうえで諸外国とのフェアトレードのなかで培われたノウハウをぜひ国内にも向けてほしいなと。僕は現状まだそういう妄想をするところでとどまっているわけですが、実際にそうしたネットワークや実行力を持っている人が、僕の妄想をそれぞれ自分自身のアイデアとして具現化してくれたら本当にうれしいです。


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