みなさまこんにちは。モルモリカです。
梅雨の時期から、長く楽しませてくれるアジサイの花。
暑さが厳しくなっても、まだまだ、花は落ちません。
あんまり長く咲いているものだから、しげしげと見てみたら……
あれ? これって、すでに枯れてる??
今回は、アジサイの花のヒミツ、花後の管理について、ご紹介します。
●花姿が変化するアジサイ
しっとりとした印象の日本アジサイ、艶やかな西洋アジサイ、
楚々としたガクアジサイ……。
梅雨空に咲くアジサイは、風情があるものです。
咲き始めたばかりのころから、次第に色が変わり、長い間楽しめるのも魅力です。
●アジサイの花は枯れない?
アジサイの花は、そのまま育てると、梅雨が終わり、夏が終わり、冬になっても落ちず、そのままドライフラワーのようになります。
立ち枯れたアジサイの姿も風情があるものですが、翌年のことを考えれば、早めに花を切ることが大切です。
●花のように見えるのは…
アジサイの花が枯れないように見えるのは、実は、花ではないから。
「アジサイの花」に見えるのは、萼片(がくへん)が変化したものです。
花は猛暑の前に咲き終わってしまいますが、いつまでも萼が残るために、花が散らないように見えるのです。
では花はどこ?
ちょっと失礼して……
かき分けて奥を覗くと見えるのが、花です。
ちなみに、アジサイの開花宣言が出されるのは、外から見える萼の状態ではなく、
この「花」が開いたときです。
ガクアジサイの場合には、装飾花で縁取られた中心に花が見えているので、開花状態もよくわかりますね。
●基本は、花後すぐ
花木の場合、剪定のタイミングや切る位置を間違えると、せっかくの翌年の花のための芽を切り落としてしまうので、注意が必要です。
アジサイは、花が咲き終わったら、早めに切り戻すのが基本です。
まわりの修飾花が垂れて見栄えが悪くなったら、切り戻しましょう。
切る位置は、花の2~3節下で切るのが基本。
すぐに、葉の付け根から、新しい芽が伸びてきます。
夏にどんどんと生長して、秋の始め頃には、新梢の先端に、花芽がつくられます。
●短く切り過ぎると…
参考に、剪定しなかった株を見てみましょう。
中央に、前年に咲き終わって枯れた花が残っているのがわかります。
古い花の下、3節目の下から、新しい芽が伸び、その先に今年の花が咲いたことがわかります。
アジサイは、短く切り過ぎると花芽にならず、葉芽になって葉ばかり茂ることになってしまいます。
●品種や株の状態によって異なる
これまで、基本の剪定を紹介しましたが、剪定の仕方は、品種や株の状態、植え場所などによっても異なります。
・大株
スペースがある場合には、どんどんと大株に仕立てるのも楽しいもの。
基本の剪定の方法で、花後はなるべく早く切り戻します。
この写真は梅雨の終わり、剪定後の様子。
これからどんどん大きく育ちます。
・アナベル
コンパクトな株姿で愛らしい姿が人気のアナベル。
アナベルは、ほかのアジサイが秋に翌年の花芽をつけるのと違って、
年が変わってから、初春に伸びた新芽に花芽がつきます。
そのため、アナベルは冬になってから剪定しても間に合います。
純白の花姿から、しだいに緑色に変わる姿を堪能してもよいでしょう。
・小さく仕立て直す
花後すぐの剪定を繰り返していると、次第に株が大きくなり過ぎたり、株姿が乱れたりすることがあります。
その場合には、思いきって短く切り戻しましょう。
株元から伸びる勢いのよい新芽だけを残し、新たな株につくり直すのも手。
その年には、花は期待できないかもしれませんが、正しく管理をすれば、美しく株姿が整い、再び見事な花を咲かせてくれるはずです。
ちなみに……
実は、アジサイの剪定は、基本どおりではうまくいかないことも。
花芽の付き方は、品種によってメカニズムに違いがあるだけでなく、日のあたりぐあい、水やり、風通し、株の勢い、若い株か古い株か、肥料のぐあい、その年の気温など、さまざまな要因が影響するようです。
そのため、基本を守って剪定しても、花が咲かなかったり、時期外れに剪定したのに案外たくさん花を付けたり。
同じ株でも、年によって、異なることもあるのです。
「アジサイの剪定は難しい」とよく聞きますが、こうした事情も背景にあるかと思います。