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Vol.96 「ゴマサバの滝登り」ツアー10〜11月編

  • 2015年11月19日

 全国を弾き語りスタイルでまわる「ゴマサバの滝登り」ツアー、最後の10~11月編は西日本をぐるりと1周してきました。会場によって少し違いはありますが、僕のツアーは基本的に、スピーカーなどのPA機材一式と楽器をすべて車で運び、自分で組み立ててその場でオペレートをしながら、ライブを行なっています。つまりコンセントひとつもらえれば、ライブハウスでなくても、どこでもライブができるんです。どんなお店で歌っているかにも注目して、今回のレポートもぜひ読んでみてください。

 まず10/31は、京都のSOLE CAFE(ソーレカフェ)にて。京都駅から北西の方角、金閣寺や佛教大学の近くにあります。ここで歌うのは6~7回目くらいでしょうか。慣れ親しんだ場所で、最近はランチタイムのすぐ後の時間にライブをしています。いつものお客さんも多いので、今年リリースした2枚のアルバムからの楽曲ほかに、少々マニアックな選曲とトークもお届け。

京都のSOLE CAFE(ソーレカフェ)にて

 ライブ後は近くの今宮神社に立ち寄ってから次の街に移動するのが、慣例になっています。お目当ては、この神社の境内にある「かざりや」と「一文字屋和助」というお店で食べることのできる「あぶり餅」。炭火であぶったあとに白味噌をぬってあり、ほんのり甘くて美味しいです。この日はかつて東北の震災復興ボランティアの現場で出会い、今は京都で和装の勉強をしている友人と、 ここで待ち合わせました。

あぶり餅

 その後、明石海峡大橋を渡って淡路島に、さらに鳴門大橋を渡って徳島県に入ります。僕のスタッフを長年(20年以上!)務めてくれている女性が徳島県出身なので、街なかをたくさん案内してくれました。うどん好きの僕にとって、初めて現地で食べる徳島名産の「たらいうどん」はたまらなかったです。阿波おどり会館で見た阿波踊りや、街のすぐ横にそびえ立つ「眉山(びざん)」の山頂から見下ろした徳島の街も、とってもいい思い出に。

「眉山(びざん)」の山頂から見下ろした徳島の街

 11/1、僕にとって初めての徳島ライブは、今や全国からもお客さんが訪れるアアルトコーヒーが運営している、14g(ワンフォージー)というカフェで行いました。木目調のアップライトピアノの音と、会場の響きの相性がとても良くて、気持ちよかったです。取材を受けながら食べた、翌朝のモーニングもお腹にちょうどよく、ここに通える徳島の人が羨ましい、、、。

14g(ワンフォージー)

 ここからはスタッフと離れ、ひとり旅。徳島から一気に西へ、九州・佐賀に向かいます。瀬戸大橋を渡って、山陽道や中国道、九州自動車道、そして長崎道を抜けました。佐賀はVol.74「佐賀の諸富と有田をめぐる旅」でも紹介した通り、母方の故郷があり、僕の親戚がたくさん住んでいます。でも佐賀でのライブも今回が初めて。

 11/3のこの日はCIEMA(シエマ)という映画館でライブを行いました。かつて移動映画館を手がけていた芳賀英行さんが、古くから続く映画館を8年前に引き継ぐことに。もともと3つあったスクリーンのうちのひとつが、本屋とカフェを兼ね備えたスペースになっていて、そこに機材を組み立てて歌いました。佐賀だけでなく、長崎や福岡からも数多くのお客さんが集まってくれて、嬉しかったです。

CIEMA(シエマ)

 その翌日から3日ほどは空き日。佐賀市内でセレクトショップを運営する鞄職人さんを訪ねたり、昨年に引き続き有田町を訪れたり、福岡で友人のライブを見に行ったり。さらに大分県の日田市にある、やはり多くのミュージシャンがライブをしているリベルテという映画館も訪ねました。まったくアポイントを取らずに訪ねたのですが、初めてお会いしたにもかかわらず、支配人の原茂樹さんが日田の街をいろいろと案内してくれました。これは本当に、嬉しかったですね。名物の日田焼きそば、さっそくクセになりそうです。

日田焼きそば

 空き日の3日目は早朝からホテルを出発し、360度紅葉のパノラマに包まれた中国道、松江道を抜けて、島根県の松江に到着。Vol.73「山陰旅行記」で書いたように、ちょうど1年前はライブができるお店を探し求めて松江の街をまわっていたのですが、こうして再び戻ってくることができました。

360度紅葉のパノラマ

 念願の松江・初ライブは11/7、Green’s Babyというエスニック料理店にて。Vol.43で紹介した紙芝居ユニット「よしととひうた」のひうたくんと森さやかさんのコンビ「マイトリー」が、オープニングアクトとして素敵な歌を披露。そのあとの僕も負けじとばかり、今まで培ってきた音楽をいろんな面から出し尽くしました。

紙芝居ユニット「よしととひうた」のひうたくんと森さやかさんのコンビ「マイトリー」

 松江でのライブを終えたあと、夜走りで中国山地を抜けて南下し、東広島へ。小雨の降るなか、曲がりくねった山道をひたすら進むと、濃い霧のなかで1匹の可愛らしいタヌキに遭遇。長旅で疲れた身体が、ちょっぴり癒された瞬間でした。

 5~6月の複数編成のツアーと合わせて、20本目のラスト・11/8は東広島のEARTH BERRY COFFEEという、コーヒーの自家焙煎ショップにて。コーヒーの香りに包まれて、大きな焙煎機の前で歌いました。ライブのテンションが後半になるにつれてどんどん高まり、アンコールはなんと4回。そういう流れに僕が強引に持っていったというのもありますが(笑)、集まってくれた皆さんも最後まで付き合ってくれました。楽しかったな~。

EARTH BERRY COFFEE

 東広島市のなかでも、EARTH BERRY COFFEEや、いつも企画をしてくれているfranc’sというCD・雑貨・ウェアのショップがある西条という街は、日本三大銘醸地といわれる酒づくりの街。最後の夜は久しぶりに、長らくやめていたお酒を飲みました。この街に湧く龍王山の名水が、身体に染み渡ります。

 「ゴマサバの滝登り」と銘打ったこのツアー。滝を登り終えて、今はついに水源にたどり着いたという心境です。もう一度ここから始めよう、そんな想いで、この透き通った水に飛び込んでいきたいと思います。




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