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このコンテンツは、地球・人間環境フォーラム発行の「グローバルネット」と提携して情報をお送りしています。

第25回 3Rイニシアティブ閣僚会合

  • 2006年2月9日

このコンテンツは、「グローバルネット」から転載して情報をお送りしています。

前環境省地球環境局総務課 森下 哲

無断転載禁じます

 3Rイニシアティブは、2004年6月のG8シーアイランドサミット(米国)において小泉総理の提案により採択されたG8の新たなイニシアティブである。3R(廃棄物の発生抑制(リデュース:Reduce)、再使用(リユース:Reuse)、再生利用(リサイクル:Recycle))を通じて循環型社会の構築を国際的に推進することを目的としており、その取り組みを正式に開始するための閣僚会合を、2005年春に日本国政府の主催で開催することが決定された。

5つの課題を挙げた議長総括

 わが国政府は、G8国およびその他招待国の閣僚等および関連国際機関の代表の参加を得て、3Rイニシアティブ閣僚会合(議長:小池環境大臣)を、2005年4月28日から30日まで東京において開催した。

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【3R閣僚会合出席国・機関】
G8(カナダ、フランス、ドイツ、イタリア、日本、ロシア、イギリス、アメリカおよび欧州委員会)およびその他招待国(ブラジル、中国、インドネシア、マレーシア、メキシコ、フィリピン、韓国、シンガポール、南アフリカ共和国、タイ、ベトナム)、国連環境計画(UNEP)、経済協力開発機構(OECD)、バーゼル条約事務局、アラブ連盟

 閣僚会合では3Rの取り組みに関する情報交換が行われたほか、先進国や開発途上国が直面しているさまざまな課題について建設的な意見交換が行われるなど、今後の方向性やそのための具体的な行動を明らかにする上で有意義なものとなった。

 議論の結果は議長総括としてまとめられ、各国における3R推進のためのビジョン・戦略の策定・実施の推進、3R関連物品等の国際流通に対する障壁の低減、先進国と開発途上国との協力、さまざまな関係者間の協力、3Rに適した科学技術の推進について、国際協力の下、取り組みを一層充実・強化していくことが合意された。

【議長総括の概要】
課題I:3Rの推進
  • 3Rの推進と「もったいない」精神を世界に広めることがカギ
  • 各国における3R推進ビジョン/戦略の策定・実施が必要
課題II:国際流通に対する障壁の低減
  • リサイクルや再生産される物品の適正な国際移動は、資源の国際 的な有効利用と環境汚染の防止の両方に貢献
  • 廃棄物は発生した国において最小化することを最優先
  • 再生資源・廃棄物の国境を越える移動・処理の監視に関する国際協力を強化
課題III:先進国と開発途上国との協力
  • 経験の共有、キャパシティビルディングの実施等が必要
  • 閣僚会合の成果は、2005年7月のG8グレンイーグルズ・サミットに報告されるべき
  • 3Rイニシアティブをフォローアップする高級事務レベル会合を2006年春までに開催するとの日本の提案を支持
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課題IV:さまざまな関係者間の協力
  • さまざまな利害関係者間で、国レベル・地域レベル・地球レベルでパートナーシップを構築するため、情報の共有、意識の向上および環境教育が必要
  • 製品や廃棄物に関する情報、汚染可能性のある製品の国際流通に関する情報、3Rに関する優良事例などの共有が重要
課題V:3Rに適した科学技術の推進
  • OECDなどの関連機関との国際研究協力が必要
  • 3R地域研究ネットワーク、技術移転の促進、人材育成が必要

 さらに閣僚会合の成果は2005年7月のG8グレンイーグルズ・サミットに報告することについて合意されたほか、3Rイニシアティブをフォローアップする高級事務レベル会合を2006年春までに開催するとの日本の提案が支持された。

日本の経験をアジア、そして世界へ

 閣僚会合では、今回の日本のイニシアティブに対する評価とともに、とくに開発途上国側から、今後の国際協力に対する強い期待が寄せられた。日本には循環型社会構築を目指して3Rの推進に取り組んできた豊富な知見・経験が蓄積されており、今後アジア規模、そして地球規模で3Rを推進する上で、その役割は国際的にますます重要になっている。

 わが国は、閣僚会合において、小泉総理の指示の下にとりまとめられた日本の行動計画(通称:ゴミゼロ国際化行動計画)を提案し、東アジア循環型社会ビジョンの策定(2012年まで)、開発途上国における人的基盤の強化のための能力支援の実施、東アジア3R研究ネットワーク(仮称)の構築などの具体的な提案を行った。今後はその取り組みを迅速に行動に移していくことが求められている。

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 3Rの推進には、地域社会、NGO、産業界、地方公共団体、中央政府が、互いに協力しながら取り組みを進めていくことが重要である。今後、さまざまな人びと・機関・団体が各々の立場で3Rの取り組みを開始・強化し、その行動の輪がさまざまな関係者とのパートナーシップの下で、さらに大きく広がっていくことを願っている。

 3Rイニシアティブ閣僚会合の詳細はhttp://www.env.go.jp/earth/3r/を参照ください。

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