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このコンテンツは、地球・人間環境フォーラム発行の「グローバルネット」と提携して情報をお送りしています。

第9回 スポーツと環境問題

  • 2004年10月14日

このコンテンツは、「グローバルネット」から転載して情報をお送りしています。

スポーツと環境問題 グローバル・スポーツ・アライアンス(GSA) 常任理事・事務局長岡田 達雄さん

GSAのホームページはこちらから

人類のQOLは高まっているか

 私は1992年から新潟県新井市へ新井リゾートというスキー場開発の責任者として赴任しました。もともと環境に関心がありましたので、なんとか環境共存型のスキーリゾートができないものかと地元、工事担当者と日々協調しながら、あるときは戦いながらやってきました。その中で、工事を始める前にユンボで表土をいったんはぎ取り横に積んでおいて、工事が終わった後、表土を元に戻すという表土復元法を採用しました。

 何を言いたいかと言いますと、私どもが開発をしたりビジネスをしたりするということは、クオリティ・オブ・ライフ(QOL)、つまり生活の質を高めることが目的なのです。便利になるのもその一つでしょうが、一番大切なのはきれいな水と空気、安全な食糧が手に入るということです。物質的に豊かになった私たちの生活ですが、地球温暖化を含めた地球環境問題はどんどん悪くなっています。決して人類のクオリティ・オブ・ライフが高まっているとはいえません。

スポーツ愛好家は環境問題解決に貢献できる

 私たちは環境問題があるのは知っていますが、未来のことなので切迫感がありません。自動車の排気ガスが有害だとわかっていても、10km先に用があるとついつい車に乗ってしまう。これが私たちの実際の生活です。ですから、社会全体で何が重要なのかという価値観と社会基盤を私たち一人ひとりが変えていく必要があります。

 そこでスポーツ愛好家とともに環境問題に取り組むことを目的に、私たちはグローバル・スポーツ・アライアンス(GSA)を設立しました。先ほど環境問題は切迫感がないと申し上げました。ところが世界中で唯一、空気が少しでも汚くなるとわが事と思えるグループがあります。それはスポーツ好きな人たちです。水や空気はきれいな方がよいと考えるスポーツ愛好家のイニシアティブにより、地球環境問題を解決する可能性は大きいのです。またスポーツ愛好家は職場では社会的リーダーであり、家庭では消費者です。そうした社会的影響力が大きい人たちが心を一つにすることは、大きなムーブメントになって本当の意味で地球環境問題が解決できる、持続可能な社会が実現できるのではないかと考えられます。

 私は社会づくりの力を「人数×意識×行動」と決めています。人数が多くなって、その人たちの意識が環境に向き、さらに行動が伴えば、必ず大きな力となり持続可能な社会づくりが可能になると信じています。私たちはこれを「エコフラッグ・ムーブメント」と呼んで、世界中のスポーツ愛好家とともに「高付加価値・低環境負荷社会づくり」を目指しています。

 私たちの活動は三つあります。まず「エコフラッグ」という旗を運動会、地域のスポーツ大会、さらには世界選手権大会で掲げて、参加者の環境意識を高め、行動を促す啓発活動です。二つ目は“Global Forum for Sports and Environment”で、すでにリユースカップも含めてスポーツ界の環境に配慮した先進事例をデータベース化し、スポーツ界に配信しています。三つ目はリデュース・リユース・リサイクルです。小さいことですがテニスボールのリユースや使い終わったスポーツ用品などでアートを作るなどの活動をしています。例えばエコフラッグ活動として、運動会などで「こうした運動会を楽しめるのもきれいな空気のお陰です。皆さん環境を大事にしましょう」と校長先生に言っていただく。運動会ではゴミは出さなくなり、家に帰っても同じように行動するようになるでしょう。

 “You are the Key for future generations”と書きましたが、一人ひとりの意識が変われば、未来世代は必ずきれいな水や空気の中でスポーツを楽しむことができる。すなわち、QOL、質の高い生活が実現できるでしょう。

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