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犬と猫が一緒に寝ていたり、ウサギとモルモットが仲良く毛づくろいしていたり。多頭飼育をしていると、異なる種や血縁関係がなくても、友達のように仲良くする動物たちの姿を見ることがありますよね。
でも、野生の自然界にも「友情」ってあるのでしょうか?
実はアフリカ東部に生息する「スーパーブスターリング(Superb Starling:ツキノワテリムク)」というムクドリの一種が、まさに人間の友情のような長期的な助け合いの関係を築いていることが明らかになったんです。
しかもその関係は一時的なものではなく、数年にわたって続く「持続可能な友情」なんですよ。SciTechDailyが伝えました。
スーパーブスターリングは、以前から「協同繁殖」する鳥として知られており、親以外の個体がヒナの世話を手伝うことが報告されていました。ただし、これまでは血縁同士か、せいぜい一時的な協力関係だと考えられていたのです。
しかし、今回コロンビア大学の研究者たちが20年以上かけて行なった行動観察とDNA解析の結果、血縁関係のない特定の個体同士が、長期にわたって助け合いパートナーとして関係を続けていることがわかりました。
驚くべきことに、血縁の仲間がそばにいても、非血縁の「友達」を優先して助けるケースが多かったそうです。
育児に悩んだときに夫や母親に相談するより、ママ友の方が頼りになることがありますが、そういう関係なのかな。
スーパーブスターリングはムクドリ科に属しますが、日本にいるムクドリや他の仲間たちとは異なり、協同繁殖が高度に発達しています。
その背景には、生息地であるアフリカ東部のような乾燥地帯では、協力して生き延びるほうが合理的という進化的な圧力があるのではと考えられています。
ルーベンスタイン教授らのチームは、これまでにもテッポウエビ、カブトムシ、スズメバチ、ネズミなど、さまざまな生き物の社会性を研究してきました。
その上で教授はこう語ります。
「こうした助け合いの関係は、動物界では実はかなり普遍的なのかもしれない。
ただ、私たちがそれに気づいていないだけなんです」
動物のなかには、仲間の死を悼んだり、傷ついた個体に寄り添うような行動も観察されています。
それは群れの絆や感情的つながりを保つためだと考えられていますが、スーパーブスターリングの友情はもっと戦略的な意味を持っているのかもしれません。
生き延びるため、子を育てるため、信頼できる友達を作る…。それは私たち人間だけの知恵ではないみたいですね。
Source: SciTechDaily