ストーンヘンジのような古代構造物、ミシガン湖の底で発見される

  • 2025年5月25日
  • Gizmodo Japan

ストーンヘンジのような古代構造物、ミシガン湖の底で発見される
Photo: CC BY-SA 4.0

イギリスのストーンヘンジよりも4,000年古い!

2007年、ノースウェスタン・ミシガン大学の水中考古学の教授、マーク・ホリー博士がミシガン湖のグランド・トラバース湾あたりの湖底調査を行なっていたところ、水深約12mのところに不思議な円形の配列をした巨石モニュメントを偶然発見。「ミシガンのストーンヘンジ」と名付けられたその巨石群はなんと直径16mにも及びます。円形に並べられた石の大きさはさまざまで、バスケットボールくらいのものから軽自動車くらいのものまであるそうです。

いつの時代のもの?

発見後から、ホリー博士の考古学チームは研究を続けています。その中でも注目を浴びているのが、その石に掘られたゾウやケナガマンモスの祖先「マストドン」と思われる絵。マストドンが生きていたのは更新世。となると約9,000年前、氷河時代が終わった直後にまだ湖ではなかった頃にこの場所に配置されたとホリー博士は考えているようです。

マストドンの絵が刻まれた石 Photo: CC BY-SA 4.0

9,000年前ということは、およそ5,000年前から建造が始まったとされるイギリスのストーンヘンジよりも4,000年古いことになります。

水中の石の調査は簡単ではない

この場所を保護するために、ホリー博士は迅速に行動を起こしました。その地域に住む先住民族のオタワ族とチペワ族に連絡をし、土地との先祖のつながりに対する敬意を示しました。そして今は、この遺跡の場所・座標は機密扱いとなっています。

ただ、石が水中にあるため調査・研究が思うようにいかないのが課題とのこと。研究者たちは石の構造の謎を解き明かそうと、他の地域にある類似の石の並びと比較しながら調査を進めています。

ミシガン湖の石の目的を解き明かす手がかりは、近隣にある類似の石の構造物からも見つかっています。ミシガン大学のジョン・オシェイ博士は、約9,000年前にさかのぼるミシガン湖のお隣・ヒューロン湖の岩の構造物について研究しています。 ヒューロン湖の構造物は、古代の狩猟でトナカイを特定の方向へと誘導するために使用されていたと考えられています。

湖底を調査するダイバー Photo: CC BY-SA 4.0

周辺の湖や島でも石の構造物が発見されている

また、ミシガン湖で一番大きな島、ビーバー島にも、古代の石の構造物があります。島の西側に氷河によって運ばれた大きな石が円形に配置されており、中には刻印のあるものも見つかっています。穴の開いた石もあり、何らかの実用的な目的があったことを示唆しています。

炭素年代測定などの正式な分析はまだ行われていませんが、これらの石はかつてこの島に住んでいたネイティブアメリカンにとって重要な意味を持っていたと考えられており、暦の目印や天体観測のポイントとして使われていた可能性もあります。

ミシガン湖の水底に眠る石のソナー画像 Photo: CC BY-SA 4.0

ミシガン湖の石の謎はまだ不明ですが、ヒューロン湖の石構造物と同じようにトナカイ狩猟に使われていた可能性もあれば、ストーンヘンジのように天体の動きと連動した古代のカレンダーだった可能性もあります。まだまだ研究と分析が必要なのですが、水中という環境のせいで難航しています。

Source: thebrighterside.news

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