スマートフォンが折りたためるなんて今や当たり前。スマホなら三つ折り四つ折り、スマホ以外ならどれだけ折りたためるかの時代に突入しました。…しました? プロジェクターだって折りたたんで小型化してこそのようです。
三つ折りプロジェクター「Aurzen Zip」を、米Gizmodoが使ってみました。以下、レビュー翻訳です。
Aurzen Zipを見た瞬間、欲しい!って思いました。ポケットに入るサイズの超小型プロジェクターがあれば、どんな壁だっていつでもセカンドモニターになります。WiFiもケーブルも不必要。公式曰く「世界初の三つ折りプロジェクター」だそうで、ワクワクしかない!
しかし、実際レビューしてみると…、いい意味ではないほうでワクワクしかない。ワクワクに実用性が追いつかない…と感じました。
Aurzen Zip最大の魅力、それは三つ折りデザイン。僕が見た瞬間欲しいと思ったのもそれだし、買おうかなと思う人もそこに惹かれてでしょう。
三つ折りするととてもコンパクトで、そのサイズは3.3×3×1インチ(約8×7.5×2.5cm)。iPhoneの半分ほどです。重さは0.6ポンド(約270g)。開くと、ピクサー映画冒頭に出てくるあのランプの友達みたいな形になります。
これをポケットに入れておけば、いつでもYouTubeを投射できる。どこでもセカンドモニター登場できると思うと、なんか欲しくなっちゃう。ソロキャンプで重宝しそう(キャンプしないけど。でも欲しくなっちゃう)。
開いて映像を投射するまでのセットアップはとても簡単。パソコンまたはスマホと接続してミラーリングするだけ。スクリーンに出てくる手順の通りに追っていくだけで、非常に簡単です。
スマホからミラーリングしても映像の遅れはほぼなし。シーズン前のメッツやヤンキースのキャンプや練習試合を壁で見ましたが、特に気になることもなし。セットアップが簡単だからこそ、寝る前に天井に映像映すのよさそうだなと思いました。
一方で、iMacやWindowsパソコンと接続した時は若干(1秒ほど)の遅延ズレを感じました。会話のあるコンテンツだとわかりやすいですが、口の動きと音がほんのわずか、ミリセカンドですがズレているのがわかります。
YouTubeやTwitch見るのはいいのですが、そのほかコンテンツ、たとえばNetflixなどは、ミラーリング非対応です。これは、Aurzen Zipではなく配信プラットフォーム側の制限(デジタル著作権管理から)なのでしょうがないのですけれど。ただ、たとえばiPhoneならミラーリングではなくApple AirPlayだと問題ないので、どんなコンテンツを見たいかを事前に考えておかないと、買っても使わないことになりそう。
Aurzen Zipの輝度は100ルーメン。これ、プロジェクターとしては、もうめっちゃくちゃ暗いです。圧倒的に暗いと言ってもいい。なので、映像をより見やすくするためには、部屋をなるべく暗くする必要あり。
壁とプロジェクターの距離は、2から4フィート(約0.6から1.2m)ほどが最適で、これだと画面サイズは30から40インチほど。5から7フィート(約1.5から2m)ほど離れると、画面サイズは70インチ。ただ、離れれば離れるほど明るさと映像のクリアさは落ちていきます。
輝度もですが、コンテンツをプロジェクターで見ていて一番気になったのは、ファンの音。コンパクトなプロジェクターでここまでうるさいか?ってくらいファンの音がするんです。内臓の1Wスピーカーを凌駕するファンの音。ボリューム最大でもファンの音の勝ち…。
バッテリーも気になります。明るさ100ルーメンだというのに、バッテリー持ちは45分ほど。エコモードでも1時間ちょい(エコモードだとさらに暗くなる)。つまり、映画1本見られないということに。
ポータビリティだけで言えば、プロジェクター業界トップでしょう。が、バッテリー持ち、音量、輝度では惨敗。400ドル(約5万7000円)という価格も、三つ折りのコンパクトがゆえの価格です。
冒頭で述べた、ワクワクするけど、それに実用性が追いつかないがすべてかも。Aurzenのチャレンジには拍手を贈ります。一方で、まだ実機がアイディアを超えられていないのはひしひしと感じました。
いいところ:コンパクトなデザインは素晴らしい。とても使いやすい。
残念なところ:明るさ不足。ファンの音がうるさい。バッテリー持ち短い。価格高め。
書籍(Kindle版もあります)