2024年、太陽フレアの影響で地球でたくさんオーロラが見られました。しかし、太陽フレアや太陽風でオーロラが発生するのは地球だけではありません。
木星ではちょっと珍しい現象が起きていました。
木星のレアオーロラについてまとめたのは、イギリスはレディング大学の惑星科学者James O’Donoghue氏を含む研究チーム。太陽風が木星の大気でぶつかり合ったことを発端に、星の温度が一時150度もあがるという(もし生物がいたら)非常事態が発生。
米GizmodoがO’Donoghue氏にメール取材したところ、こう解説してくれました。
木星の上層大気が惑星規模で変化、それも非常に劇的に変化するのを観測しました。これは太陽風の衝突による圧縮で発生した現象です。まず、強い太陽風が木星の磁気圏にあたり、巨大な磁気風船のようになってさらなる太陽風を跳ね返しました。これがオーロラを引き起こし、熱を大気へと放出しました。
非常にレアな現象とのことですが、チームはこれをW・M・ケック天文台のケックII望遠鏡と木星探査機ジュノーのデータを使うことで観測したそう。ジュノーが、たまたまいいところをいいペースで飛行していたのはラッキー中のラッキー!
O’Donoghue氏によれば、同現象は木星に限らず、土星、天王星、海王星でも起こる可能性があるとのこと。実は、地球でも似た現象が(木星と比較すると圧倒的小規模ですが)起きたこともあるそうです。
論文を共同執筆した同じくレディング大学のMathew Owens氏は、プレスリリースにて「我々の太陽風モデルによって、木星の大気の変化を的確に予測することができました。宇宙における危険な気象環境から地球を守るために必要な予測システム。この確度の理解をより一層深めていきます」と語っています。
論文はGeophysical Research Lettersにて公開されています。
書籍(Kindle版もあります)