もう「フツーのカメラ」じゃない。Nothing Phone (3a)は、撮る喜びがある

  • 2025年4月16日
  • Gizmodo Japan

もう「フツーのカメラ」じゃない。Nothing Phone (3a)は、撮る喜びがある
Photo: ヤマダユウス型

実にNothingらしい撮影体験でした。

5万4800円から買える、Nothingの最新スマホ「Phone (3a)」。特徴であるコストパフォーマンスの高さを維持しつつも、デザインやカメラ機能、それからAIなども手広くカバーしてきました。

特にカメラの進化っぷりが充実しており、トリプルカメラ、ズームレンズ、AI搭載のエンジンなどなど、ミドルレンジスマホの中でもかなり気合いが入っています。実際、5万円台のスマホでトリプルカメラはかなり贅沢な部類です。

「Phone (3a)」のカメラ構成

メインカメラ…24mm、50MPの1/1.57インチセンサー。光学手ブレ補正、位相差検出AF対応。 望遠カメラ…50mm、50MPの1/2.75インチセンサー。光学2倍、センサー内で4倍までのズームに対応。最大で30倍。 超広角カメラ…15mm、8MPの1/4インチセンサー。視野角は「Phone (2a)」の114度から120度へアップ。 セルフィー…22mm、32MPの1/3.44インチセンサー。

撮りたい気持ちを大いに刺激してくれる

カメラはスペックだけでなく、「撮影していて楽しいか」「撮影したい気持ちになるか」などの、精神論的な要素もおざなりにはできません。「Phone (3a)」は、そのあたりのデザインも見事だったんです。

第一印象は「おいおい、かなり良い絵が出るじゃないか?」と、非常に好感触でした。特に望遠カメラの光学2倍ズームの画角が好みで、メインカメラよりこちらをよく使っていたほど。明暗のコントラストもパキっと出ていますね。

テーブルフォトこそ望遠で。こちらはポートレートの2倍ズームで撮りましたが、奥のボケも氷のハイライトも良い感じ。望遠でこれだけきれいに撮れるなら、メインと望遠の使い分けを、画質ではなく純粋な焦点距離で選べます。

1/1.57インチのメインカメラ、こちらも良い色出してくれます。適正露出だとちょいアンダー気味になるので、明るく溌剌な写真に仕上げたいときは露出をちょいと上げたほうが無難です(上記の作例は露出いじってません)。

ポートレートモードで3倍ズーム、スマホ内では75mmと計算されます。4倍まではセンサー内ズームなのでこれもいくらかセンサー内をクロップしてるわけですが、十分に実用範囲。1倍〜4倍まで普段使いでイケるなという手応えです。

ナンバープレートにはぼかし処理をかけています。

この写真は4倍ズームで撮影したものですが、宙に飛んでいる小さな昆虫にまでピントが合っている! 「さすがにこの小ささだとピントは合わないだろう」とダメ元で撮影したみたのですが、想像以上にAFが賢かった。

超広角については「Phone (2a)」が50MPだったところ、「Phone (3a)」では8MPにデチューンされています。とはいえ、そこまでの破綻感は無いかと。この作例ではハイライトこそ飛んでますが、シャドウ部の諧調は残っていました。シャープさも良好。

あちこち撮影しながら思ったのは、望遠が楽しい。ギャラリーを振り返るとほとんどが2倍〜3倍望遠で撮影してました。ミドルレンジ帯のスマホは超広角こそカバーしつつも、望遠側をフォローしてるモデルはそう多くありません。お手頃な望遠撮影は、Nothing独自のカメラ体験といえそうですね。

色やフィルターも楽しい。UIが良いから?

僕は普段、スマホカメラのフィルター機能はあまり使いません。今使っているiPhoneに関しては一度も使ってないと思います。

が、「Phone (3a)」はこのフィルターが楽しかった! それぞれの色味の違いをお見せしましょう。

これがオリジナル、フィルター無しの状態です。

フィルターからNaturalを選択して撮影しました。全体が暖色に寄ったけど、ノスタルジックみがあって良いじゃない。

Positiveというフィルターを選択。富士フイルムのクラシックネガを思わせるこの色の転び方、好きぃぃ。もうずっとこのフィルターで良いじゃん。

また、「Phone (3a)」はLUT(ルックアップテーブル、色をどう調整するか定義したデータ)の読み込みにも対応してるんです。

スマホ内でLUTを作成することはできませんが、フリーのLUTや普段の映像制作などで使っているLUTを「Phone (3a)」に取り込んで、自分だけの色味を作ることは可能。これはかなりディープな機能、そしてNothingらしい!

フィルターやレンズの焦点距離などの設定は、プリセットとしてまるっと保存することも。これもUIがクールで、例えば「料理を撮る時の定番設定」のようなマイプリセットを作りたくなりますね。カバー写真を設定できるのも楽しい。

価格以上のカメラ体験、ありました

繰り返しますが、5万円台のスマホでこれだけ撮れるってのは、なかなかに激アツ。もちろん、いま一歩だなという点も少なからずあります。

エスカレーターと平行に、虹色の光が斜めに入っている。

そこまで逆光でもないのにゴーストが出現。画角が広いメインカメラは光を拾いやすいですから。

4倍ズームで撮影。

建物の窓枠や縁など、エッジが立っている凹凸部分に色収差が出現。紫っぽい影がついてしまってますが、肉眼ではこの色は見えません。

とはいえ、このあたりの光学的弱点はどのスマホカメラにも少なからずあるもの。むしろ5万円台のスマホでこのくらいの粗で済んでいるのは、補正が上手いのかAIの力なのか。

ナイトモードもお見事で、肉眼より一段明るく仕上がります。昨今のフラッグシップスマホのナイトモードは諧調を強めにつけがちだけと、シャドウ部はこれくらい暗いほうが夜らしいと思いますね。

NothingといえばLenticularフィルター。スタンプも付与。

何奥画素や超高倍率ズームといったハイテク要素はフラッグシップに任せつつも、常用できる範囲の高画質な望遠をカバー。なおかつNothingらしいクールなUI、LUTやプリセットなどのユーザー側で深堀りできる要素は、良い差別化に繋がっています。

カメラを楽しめるスマホだと、個人的には思いますね。もし自分用に「Phone (3a)」を買うなら、やっぱりLUTを作り込みたい。現状、動画撮影でのLUT適用はできませんが、もし対応すればさらに撮影が楽しいスマホになれるはず。アプデでどうにかなる? ならない?

Source: Nothing Japan

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