民間月面探査機「ブルーゴースト」が月地表をドリルでゴリゴリ

  • 2025年3月13日
  • Gizmodo Japan

民間月面探査機「ブルーゴースト」が月地表をドリルでゴリゴリ
Image: Firefly Aerospace / YouTube 「ブルーゴースト」のアクセス・アームの先端に、Honeybee Roboticsのサンプル収集装置「Lunar PlanetVac」が確認できる。

米国の宇宙企業ファイアフライ・エアロスペースの月探査機「ブルーゴースト」が、月面にドリルで穴をあける様子を撮影した動画が公開されました。

「おぉ〜」と喜びを噛み締める地上スタッフのリアクションがなんとも言えない、壮大でほのぼのした映像になっていますよ。

月面に降り立った「ブルーゴースト」

「ブルーゴースト」は 2025年3月2日(米東部時間 午前3時34分)に月面へ着陸しました。あの美しい着陸シーン、目に焼きついて離れません。

着陸地点は 「危難の海(Mare Crisium)」。その昔、大きな隕石が衝突したことによってできたクレーターが、のちに溶岩で埋められた地域です。

「ブルーゴースト」には NASAの科学機器が10種類搭載されており、その一つが掘削装置の「LISTER(リスター)」です。

LISTERは圧縮ガスを使って月の地面に穴を掘り、地下の温度や熱の流れを測定するためのもの。月面着陸の次の日には初の掘削に成功。今も順調に稼働しています。

「ブルーゴースト」のミッションとは?

「ゴースト・ライダーズ・イン・ザ・スカイ」と名付けられた今回のミッションは、NASAの「商業月探査ペイロードサービス(CLPS)」のプログラムです。

このプログラムは、これまでNASA主導で行ってきた月探査に民間企業の技術を活用することで低コストかつ効率化を図るというもの。「ブルーゴースト」を開発したファイアフライ・エアロスペース社は民間企業のひとつとしてこのプログラムに参加しています。

「ブルーゴースト」は、地面の掘削とサンプル採取、X線を使った月面の物質分析、月の塵(ダスト)対策の研究などを行います。

過酷な月の環境に耐える「ブルーゴースト」

そんな「ブルーゴースト」の活動期間は、月の1日間分。これは、地球での活動期間に置き換えると14日間に相当します。月では、昼と夜が約14日間ずつ続くので、「ブルーゴースト」は昼に活動し、夜になる前に終了させる工程で活動しています。

ちなみに、月の昼って超過酷です。太陽の光をダイレクトに浴びてしまうため、表面温度は摂氏121度にまで上がります。

「ブルーゴースト」はこの高温に耐えるため、電力を調整しながら冷却対策をするんです。優秀ですなぁ。

民間企業の月探査競争はどんどん活発に

今回の着陸により、ファイアフライ・エアロスペース社は月面着陸を成功させた2番目の民間企業となりました。

1番目は2024年2月に着陸したインテュイティブ・マシンズ社の「オデュッセウス」。でも、着陸時に横倒しになってしまいました。

現在、多くの企業が月探査のビジネスに参入中です。民間人が気軽に宇宙に行けるようになると、これまで二の次にされがちだった快適さや娯楽性が求められると考えられます。そこにいろんなビジネスチャンスが生まれているからなんですよね。そのための研究も活発になります。

今後も新しい探査機が続々と月へ向かうはず。新たな発見や美しい光景との出会いに心が躍ります。

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