Lifehacker 2025年3月3日掲載の記事より転載
OpenAIに続き、Perplexity AIも「ディープリサーチ」の流れに参入しています。そして、そのアプローチは非常に興味深いものです。
DeepSeekの「推論」モデルの流れを汲みながら、Perplexityは主要なAIプロバイダーとして初めて無料ユーザー向けにディープリサーチ機能を提供。一方、OpenAIのディープリサーチ機能は月額200ドルのProサブスクリプションでのみ利用可能です。
ディープリサーチは、少し時間がかかるものの、関連する検索を数十回行い、数百のリソースを精査し、推論モデルを用いて各プロンプトを段階的に論理的に処理するAI機能です。
Copilotの「Think Deeper」機能などでも似たような結果を得ることはできますが、ディープリサーチの特徴は、収集した情報をすべて統合し、包括的なホワイトペーパー形式のレポートとして提供する点にあります。
ディープリサーチは、ログインしたすべてのユーザーが無料で利用できますが、1日5回までの制限があります。一方、月額20ドル(年間200ドル)のPerplexity Proに加入すると、最大500回まで利用可能に。
これに対し、OpenAIのディープリサーチ機能は現在、月間100回の制限があります。
ただし、これは単純な比較ではありません。ChatGPTのディープリサーチ機能は処理に時間がかかり、最大20分ほどかかることもあります。プロセスのなかで追加の質問を行い、複雑なステップをすべて示し、最終的に非常に長いレポートを出力します。
一方、Perplexityのディープリサーチ機能は、その簡易版といえるもの。回答は2〜4分で得られるため、AIによる深い解釈というより、ウェブ検索やデータの統合に依存する傾向があります。
また、OpenAIはディープリサーチ機能に次世代の「o3」推論モデルを使用すると発表していますが、Perplexityはどのモデルを使用しているのか詳細を明らかにしていません。
Credit: Perplexity「Humanity’s Last Exam」は、3,000を超える多岐にわたる質問で構成された、一般的に使用されるAIベンチマークです。このテストにおいて、Perplexityのディープリサーチは21.1%の正答率を記録し、DeepSeek R1(8.6%)やGemini(7.2%)を大きく上回るスコアを達成しました。
OpenAIのディープリサーチは依然として26.6%のスコアでトップを維持していますが、Perplexityのツールは利用のハードルがはるかに低いことを考えると、2位という成績も十分に評価に値すると言えるでしょう。
では、この機能によってPerplexityの使い方はどう変わるのでしょうか?
これまでのAIチャットボットは、複数のプロンプトを使うのが一般的でした。質問を投げかけ、それに対して何度も追加のプロンプトを入力しながら、より詳細な答えを引き出す必要があったものです。
しかし、ディープリサーチを使えば、1回の質問で完結させることができます。
プロンプトが具体的で詳細であるほど、より深いリサーチと質の高いレポートが得られますが、これまでより少ないプロンプトでもページ単位の情報を受け取れるようになりました。
さらに、生成されたレポートはPDFとしてダウンロードできるため、あとで参照したり共有したりするのも簡単です。
Credit: PerplexityPerplexityのブログでは、ディープリサーチがどのように違いを生むのか、いくつかの具体的な例が紹介されています。
通常のモデルでは、箇条書きで概要を示すような回答が返ってくることが多いですが、ディープリサーチを使うと、複数の段落にわたる詳細なレポートや、より充実したフォーマットでの回答が得られます。
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著者:Khamosh Pathak - Lifehacker US
翻訳:ライフハッカー・ジャパン編集部
Credit: Perplexity