舌にのせるだけ、「仮想世界のフード」がリアルに味わえるVR端末。噛んでもOKです

  • 2025年3月8日
  • Gizmodo Japan

舌にのせるだけ、「仮想世界のフード」がリアルに味わえるVR端末。噛んでもOKです
Image: Chen et al., Sci. Adv. 11, eadr4797 (2025); collage by Gizmodo

仮想空間が現実に!

VRやARのリアリティは、視覚や聴覚によってかなりリアルな世界を味わえます。でも、それを味わうには味覚も必要でしょ? いろいろな取り組みが進んではいますけど、このほど本当にバーチャルな味を舌で感じられる「e-Taste」が発表されましたよ。

舌にのせると本当に味わえる

仮想世界で、なんともおいしそうな食べ物や飲み物が出てきます。リアルに目の前に迫ってきて、もう手を伸ばせば、実際に触れそう。ですが、どんな美味に見えたとしても、その味だけは想像で感じるしかないというのが現実です。

このほど電子科学ジャーナルの「Science Advances」には、新たな「HMI」というユーザーインターフェースに、舌へのせて、さまざまなフレーバーを本当に味わえるようにする「e-Taste」を追加することに成功したとの発表論文が掲載されました。

e-Tasteの先端を舌にのせておくと、電子的に供給されるフレーバーで多彩な味わいを体験可能。単純な甘い塩辛いだけでなく、クエンの酸味、塩化マグネシウムによる苦味、グルタミン酸で旨味といった、5つの味覚を自由自在に調合し、あらゆる食事の味を再現できるとのことですね〜。

可能性は無限大?

実際に16名のテストユーザーを対象にして、e-Tasteでいろいろな料理を味わってもらい、好評価が得られたそうです。鶏がらスープなど、簡単ではない味の再現テストにも成功しており、ほぼどんな料理のフレーバーでも、e-Tasteから供給できるんだとか。

おまけに、舌にのせたまま、思わずムシャムシャと口を動かし、e-Tasteを噛んでしまっても壊れない仕様になっているので、安心です。

リアルなゲームを楽しめるようになるといったエンターテインメント要素を越えて、教育や医療など、幅広い利用が期待されています。レストランで、電子メニューをタップして試食ボタンを押すと、どんな味の料理か、まずe-Tasteで味わって、よければ注文するなんて使い方まで想定されていたり。

あるいは、ダイエットに励むユーザーへ、スイーツの写真を見せるものの、e-Tasteで味わうだけにして、食事制限を成功させるなんて利用スタイルも。身近に使える時代が楽しみなかぎりですよね。

Source: Science Advances

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