オーストラリアに生息するカモノハシ。カワウソのような姿をしているのにアヒルのようなクチバシがついているし、前あしには水鳥のような水掻きがついています。しかも卵を産むし、なんなら体毛が発光するらしい。哺乳類の特徴を無視した生き物で、発見当初から今に至るまで研究者を悩ませ、驚かせてきました。
そんなカモノハシは胃を持たず食道が腸に直結しているんですって。IFLSが伝えました。
脊椎動物は通常、胃を持っています。しかし、カモノハシのDNAを調べた結果、胃の働きに関係する遺伝子の多くを失っていることが判明しました。
ただ、胃がないのはカモノハシに限らないんです。実はハリモグラや多くの魚類が胃を持っていません。理由は、食生活や環境の変化が原因で胃に関する遺伝子が不要になり、長い時間をかけて失われていったからだと考えられています。
環境の変化によって胃を失ったのなら、再び必要となるときがくるのでしょうか。
これは限りなくNO。
今から100年以上前に古生物学者のルイ・ドロが、生物の進化は不可逆的だとする「ドロの法則」を提唱していて広く受け入れられています。ただ、その理論を覆すケースがいくつも発見されているので、不可逆的だとは言えません。
とは言え、胃のような複雑な器官で、しかも遺伝子まで失ってしまっていては不可能に近いのでは。
調べれば調べるほどユニークなカモノハシですが、気候変動や人間による開発、山火事などによって生息地が減少し絶滅の危機にさらされています。
ニューサウスウェールズ大学が調査した結果、1700年代と比較すると生息数は半減しており、このままだと2070年までに50%以上減少する可能性があるのだとか。
自然の影響は仕方がないとしても、開発はなぁ……。
Source: IFLS
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