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「寝たはずなのに、なんだか疲れがとれていない…」
「寝ても寝ても体が重くて、気分もすっきりしない」
そんな日が続いていたら「しっかり眠れていない」という体からのサインかもしれません。
特に、梅雨の時期は要注意。気圧の変化や湿度の高さが影響して、自律神経のバランスが乱れやすくなる季節です。その影響で「寝つきが悪い」「眠りが浅い」などの不調が起こりやすく、心も体も疲れやすくなってしまいます。
そう話すのは国際中医薬膳師のさとうあいさん。今回は、不眠対策に期待できる薬膳レシピを教えてもらいました。
<眠りの質チェックリスト>
□ 朝起きたとき、疲れが抜けていない
□ 布団に入っても、なかなか寝付けない
□ 夜中に何度も目が覚めてしまう
□ 日中、ぼーっとして集中力が続かない
□ 眠っているのに、夢ばかり見ている
□ 気分が落ち込みやすい、またはイライラしやすい
思い当たることがあれば、それはあなたの心と体が休息を求めているのかもしれません。今こそ、睡眠の質を見直すチャンスです。
忙しい日々の中でも無理なく続けられるように、簡単で美味しく、毎日のご飯に取り入れやすいものばかり。疲れがスッと取れて、体も心も軽くなるような一皿を、自分を労わる時間として取り入れてみませんか。
イワシは、疲れやすいときや元気がでないときに、ぴったりの食材。体の中から元気を取り戻すサポートをしてくれます。日中のだるさや、疲れやすさを感じやすい方におすすめです。
黒きくらげは、血を補いながら巡りを整え、体に潤いを与えてくれる食材です。水分のバランスが乱れやすい梅雨の時期に心強い味方です。
ふわふわの卵そぼろに、ほろっと柔らかいイワシ、コリコリとした黒きくらげの食感。優しい味わいの豆腐も加わって、体が喜ぶ食材を詰め込みました。
今回は生のイワシを使っていますが、忙しい日はイワシの缶詰を利用してもいいでしょう。イワシそぼろを常備菜として冷蔵庫に常備するのもおすすめです。
・イワシ:4尾
・木綿豆腐:50g
・黒きくらげ(乾燥):10個ほど
・卵:1個
・三つ葉:5本
・みりん:大さじ1
・醤油:大さじ1/2
・オイル:適量
・ご飯:4膳分
(1)きくらげは水で戻し、みじん切りにします。
(2)フライパンにオイルをしき、溶き卵を入れます。よくかき混ぜ、炒り卵にします。
(3)別のフライパンにイワシを入れ、加熱します。
(4)ヒレと尾を取り除いたら、木綿豆腐を加えて、細かくそぼろ状になるまで炒めます。
(5)(1)のきくらげ、みりん、醤油を入れて全体をよく混ぜます。
(6)ご飯を器に盛り、炒り卵、(5)のイワシを盛り付けます。
(7)仕上げに刻んだ三つ葉を飾って完成です。
「なんだか眠りが浅いかも…」そんなときに、心と体を緩めてくれる薬膳おやつです。
ココアの原料であるカカオ豆は、薬膳では気持ちを落ち着ける効果があるとされています。冷えや疲れが気になる日には、体を温めながら、心をふっと緩めてくれます。
黒胡麻は、毎日を頑張る中で消耗しがちなエネルギーを補ってくれます。毎日少しずつでも取り入れることで、眠りを整える手助けをしてくれますよ。
米粉で作る蒸しパンは、軽くてふんわり。アーモンドミルクの甘みが広がり、ほっとできる時間を届けてくれます。忙しい毎日にも気軽に取り入れられるので、頑張った日やひと息つきたいときにぴったりです。
・米粉:150g
・ベーキングパウダー:小さじ1
・純ココア:8g
・黒すり胡麻:大さじ2
・砂糖:40g
・卵:1個
・アーモンドミルク:150cc
(1)ボウルに卵、砂糖を入れてよく混ぜます。砂糖のざらつきが無くなるまでしっかり混ぜましょう。
(2)黒すり胡麻、ココアを入れ、よく混ぜます。
(3)米粉、ベーキングパウダー、アーモンドミルクを入れて更に混ぜます。
(4)耐熱のカップに生地を流し入れます。8分目ほどの量を入れましょう。
(5)鍋に湯を沸かし、強火で13分蒸します。蒸し器がない場合は、フライパンに少量の湯を張り、カップを入れ、蓋をしながら加熱することもできます。
(6)蒸しあがったら粗熱を取ってから、器に取り分けます。
眠りの質が気になるときに、体に染みわたるポタージュはいかがでしょうか。アーモンドの香ばしさと、野菜の甘みが広がる、ほっとする一杯です。
注目したいのは「蓮の実」。聞き慣れない食材かもしれませんが、心と体の緊張をほどき、穏やかな時間へと導いてくれる頼もしい“睡眠の質アップ食材”です。クセがなく、ほんのり甘みがあるので、スープにも馴染みます。
玉ねぎやカブの甘みに、豆乳のコクが合わさって、くつろぎのひとときをそっと支えてくれます。蓮の実は、ネットでも手軽に購入でき、少量から試せるものもありますので、はじめての方にも取り入れやすい食材です。
・蓮の実(乾燥):10g
・玉ねぎ:小1個
・カブ:1個
・アーモンドスライス:5g
・バター:5g
・豆乳:200cc
・鶏がらスープの素:小さじ1
・塩:適量
(1)カブは皮を剥いてイチョウ切りにします。玉ねぎは皮を剥き、千切りにします。
(2)蓮の実は、水にひと晩ひたして戻したら、鍋に水と共に入れて弱火で加熱します。柔らかくなるまで30分ほど煮ます。
(3)別の鍋にバターを入れ、玉ねぎを炒めます。
(4)玉ねぎがしんなりしてきたら、カブ、茹でた蓮の実、鶏がらスープの素、ヒタヒタの量の水を入れて加熱します。
(5)カブが柔らかくなったら、火を止めて粗熱を取ります。
(6)ミキサーに入れてペースト状にします。
(7)再び鍋に戻し豆乳、塩を入れて味を整えます。
(8)器にスープを盛り付け、フライパンで素焼きにしたアーモンドスライスを飾り、完成です。
眠れない夜や取れない疲れには、体と心からのサインが隠れていることもあります。食べることは、自分を労わること。季節の揺らぎや日々の忙しさの中で乱れやすい心と体に、そっと寄り添う一口が、毎日を少しずつやわらげてくれるでしょう。
眠れない夜が続くときこそ、頑張るのを少しお休みして、体と心の声に耳を傾けてみてください。今日の食卓やおやつの時間が、あなたを深い眠りと、穏やかなひとときへと導いてくれますように。
さとうあい
宮城県仙台市在住の料理家。フードコーディネーターや学校講師などを通して飲食業界に携わること20年以上。現在は国際中医薬膳師の資格を取得し、子どもの不調を整える薬膳料理講座や、企業へのメニュー提案などをする傍ら、レシピライターとしても活動中。
文・撮影=さとうあい