【心身の疲労回復】心が乱れやすい季節の変わり目に食べて心と体を整える!春のストレス対策食材6選

  • 2025年4月8日
  • CREA WEB

 春は新しい生活が始まる季節。ワクワクする気持ちもありますが、環境が変わると、なんとなく落ち着かなかったり、いつもより疲れを感じたりすることもありますよね。

 朝、バタバタと準備をしながら「今日も一日頑張らなきゃ」と気合いを入れたり、気づいたら、ため息まじりに「ちょっとひと息つきたいな…」と思ったり。知らず知らずのうちに心や体が疲れてしまうこともあるかもしれません。

 そんな時にそっと寄り添ってくれるのが「食」の力。薬膳には、季節の変わり目にゆらぎやすい心と体を整えてくれる食材がたくさんあります。そこで今回は、国際中医薬膳師のさとうあいさんに、心が乱れやすい今の季節におすすめの薬膳食材と、日常に取り入れやすい活用法を伺いました。

 食べることは、毎日のこと。ちょっとした工夫で、心も体もふんわり軽く整えられます。春の変化を楽しみながら、穏やかな気持ちで過ごしていきましょう。

◆キャベツ


胃腸をケアして穏やかな気持ちに導いてくれるキャベツ。

 気持ちを落ち着かせて、穏やかな気持ちに導いてくれるキャベツ。リラックス効果があり、ストレスでこわばった体を和らげて、心を整えてくれます。

 さらに、消化不良や胸焼けなどの、胃腸の不快症状にも効果があります。ストレスが溜まると、胃腸に負担がかかり、消化不良を引き起こしやすくなります。消化不良になった食べ物が原因で、胃腸の活動が低下し、便秘やめまい、むくみ、落ち込みやすさなどの不調が現れます。

 ストレス対策には胃腸ケアが大事だと、薬膳でも考えられていますよ。


キャベツは加熱すると甘みもアップ。

 おすすめの食べ方は、消化のいいスープやお粥に取り入れること。煮込むと甘みがアップするキャベツは、火の通りも早いので忙しい日でもさっと作れる一品です。お粥に加えれば、優しい味わいで胃腸にも負担をかけず、朝ごはんや体が疲れた日の夕食にもぴったりです。

 体の疲れをより感じる場合は、鶏肉や卵と一緒に調理してみましょう。

◆長ネギ


体をじんわりと温めて緊張をほぐしてくれる長ネギ。

 体を温め、巡りを良くする長ネギ。春は気温の変化や新しい環境で、知らず知らずのうちに体がこわばりやすくなる季節。ストレスを感じると、無意識に体に力が入ったり、肩が張ったりして、体の巡りも低下しがち。長ねぎを取り入れることで、体がじんわりと温まり、緊張がほぐれやすくなります。


長ネギは薬味として手軽に取り入れて。

 長ネギは、刻んで薬味として使うだけで、簡単に料理に取り入れることができるのも嬉しいポイント。冷奴や、お味噌汁、麺類などの仕上げにのせるだけでも手軽なストレス対策になりますよ。

◆ピーマン


モヤモヤ気分を整えてくれるピーマン。

 巡りを整えて、心をすっきり軽やかにしてくれるピーマン。ストレスでモヤモヤした気持ちや、重だるさを感じるときにぴったりの食材です。

 ピーマンには、滞りがちな気持ちをスムーズに流し、イライラや不安定な気持ちを落ち着かせてくれる効果があります。


ピーマンは繊維に逆らって千切りにすると苦味がやわらぐ。

 ピーマンの苦味が苦手な方は、繊維に逆らって千切りにすると食べやすくなります。じっくり炒めて、常備菜として活用してもいいですね。また、パプリカはピーマンと同じような効能がありますが苦味は少なく、より食べやすいのでおすすめです。サラダやスープ、お弁当のおかずにも活用でき、手軽に取り入れやすい食材です。

◆グレープフルーツ


グレープフルーツは、心身の巡りをスムースにしてくれる。

 心身の巡りを整えて、緊張をほぐすグレープフルーツ。ストレスが続くと、気分も体も巡りが悪くなり、体が重く感じたり、心が落ち着かなかったりすることがありますが、グレープフルーツには、その流れをスムースにする効果があります。

 酸味が強く、爽やかな味わいと香りは、気分をリフレッシュさせ、リラックスを促進してくれます。ご自身の好きな香りに触れるだけでも、気持ちの巡りはアップすると薬膳では考えられています。忙しい毎日の中での気分転換にもぴったりですよ。


グレープフルーツはそのままで食べるのはもちろん、サラダに加えたりジュースにしても。

 グレープフルーツは、半割にしスプーンでそのまま食べるのはもちろん、ジュースやサラダに加えるなどすることで、日常にも手軽に取り入れられます。コンビニスイーツや、飲み物を購入する際の参考にもしてみるといいでしょう。

◆ウイキョウ


ディル、フェンネルとも呼ばれるハーブ、ウイキョウ。

 ウイキョウは葉の部分をディルと言って、香りがよく、ハーブとしても知られる食材です。ウイキョウの種は、アジア料理や、エスニック料理などで古くからスパイスとして使われてきました。英語名では「フェンネル」と呼ばれ、株の部分はサラダなどにも使用されます。

 薬膳の効能としては、体のエネルギーの流れを整える食材で知られています。また、胃腸を温める効果もあるので、冷え体質の方で、ストレス対策をしたい方にはおすすめの食材です。


ウイキョウの葉はフレッシュ、種はドライタイプがある。

 ピクルスや漬物、サラダやスープの仕上げに振りかけたり、パスタやつくねなどの料理に入れても味のアクセントになります。ハーブティーとしても活用できるので、紅茶などに入れても手軽に使うことができます。独特のスパイシーな香りが加わることで、いつもの食事や飲み物が少し特別なものに感じられますよ。

◆ラベンダー


鎮静効果が期待できるハーブ、ラベンダー。

 心を落ち着ける力が強いことで知られるラベンダー。特にストレスを感じたときや、緊張したときにとても役立つ食材です。ラベンダーには、体と心のバランスを整える働きがあり、気持ちを穏やかにしてくれます。深い安らぎを感じさせてくれ、ストレスでガチガチになった心や体を柔らかくほぐしてくれます。


ハーブティーとして飲むのはもちろん、アロマオイルを暮らしに取り入れるのも効果的。

 ラベンダーはお茶として楽しめるだけでなく、アロマオイルやバスソルトとして使うこともできます。ストレスを感じると、気持ちの興奮状態がおさまらず、眠りが浅くなりやすくなります。リラックスした気持ちで、十分な睡眠をとることは、日中のパフォーマンスアップにも欠かせません。

 熟睡度がダウンしている方は、睡眠前のケアとして、ラベンダーを活用してみてはいかがでしょうか。枕のそばにポプリとして置いておくことも、睡眠サポートにつながりますよ。

食事で心を整え、穏やかな日々に

 春は季節の変わり目であり、新しい環境に慣れる時期。気温や生活リズムの変化で、体も心も疲れやすく、ちょっとしたことでストレスを感じることもあります。そんなときこそ、食事の力を活用しましょう。

 薬膳食材を取り入れることで、体のバランスが整い、気持ちも穏やかになります。栄養をしっかり摂ることで、心の疲れが癒され、ストレスも軽減されます。特別なものを用意する必要はなく、普段の食事に少し工夫を加えるだけでも大丈夫。今回ご紹介した食材を1日1回、取り入れるだけでも効果的です。

 食材の力を借りて、体を整えながら心にもゆとりを持てる毎日を過ごしてみませんか。 無理のない範囲でできることから始めて、少しずつ心地よい暮らしを目指してみましょう。


さとうあい

宮城県仙台市在住の料理家。フードコーディネーターや学校講師などを通して飲食業界に携わること20年以上。現在は国際中医薬膳師の資格を取得し、子どもの不調を整える薬膳料理講座や、企業へのメニュー提案などをする傍ら、レシピライターとしても活動中。

文・撮影=さとうあい

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