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京都みやげで大人気の和菓子 「阿闍梨餅」を買いに満月本店へ

  • 2024年1月11日
  • ことりっぷ


もっちりとした生地のなかに、たっぷりの粒あん。お手頃な値段とあいまって長年京都のおみやげとして人気を集める「阿闍梨餅(あじゃりもち)」。京都駅や、市内の百貨店、おみやげの名店街など、阿闍梨餅を買える場所はたくさんありますが、せっかくなら、左京区の百万遍にある本店を訪ねてみませんか? あんを生かした4種の和菓子があり、できたてのほんのり温かい阿闍梨餅を買うこともできますよ。
京阪電車の終点・出町柳駅から東へ歩いて8分ほど。風格漂う町家造りの建物が、「阿闍梨餅本舗 満月」の本店です。慣れた様子の常連さんらしき人、法衣をまとったお坊さんらしき人、スマートフォンを握りしめてどことなく緊張した面持ちの人まで、お客さんが次々とのれんをくぐっていきます。
阿闍梨餅本舗 満月の創業は、1856(安政3)年。賀茂川に架かる出町橋の東のたもとに初代が菓子舗を構えたのがはじまりです。幕末の争乱を避けて明治初年に再開。戦後、現在地に移転していまに至ります。
「一種類の餡で一種類の菓子しかつくらない」ことを信条とし、本店では、看板銘菓である阿闍梨餅のほか、最中、棹物菓子「京納言」、白小豆の「満月」の4種の和菓子を販売しています。
100年ほど前に2代目が考案した「阿闍梨餅」は、丹波大納言小豆で炊いた粒あんを、餅粉や卵を使ってつくる秘伝の餅生地で包んで焼き上げた半生菓子。中央が盛り上がった独特の形は、天台宗の総本山・比叡山延暦寺で厳しい修行を重ね、徳を積んだ僧侶「阿闍梨」様が頭にかぶる網代(あじろ)笠がモチーフです。
都を練り歩く阿闍梨様、阿闍梨様の腰を支えるお付きの人、阿闍梨様が通り過ぎるのを腰を低くしてうやうやしく迎える庶民などの姿が描かれた、ストーリー性のある箱のイラストにも注目です。
「最中」は、一粒選りの丹波大納言小豆を丁寧に炊き上げた粒あんを、サクサクの香ばしいもなか種でサンドしています。
「阿闍梨餅は、あんと皮の食感とが調和するようバランスを考え、小豆の粒を残すのは半分ほどにとどめています。一方、あんが主体となる最中には、大粒の小豆を使い、粒をしっかり残すように炊き上げています」と5代目当主・西浦裕己さん。
毎週土・日曜と祝日に本店と金閣寺店だけで販売される「満月」は、希少な最上級白小豆のみを使用したコクのあるこしあんを、洋菓子風の生地でくるんだソフトな食感の焼菓子。1900(明治33)年、旧九條公爵家のオーダーにより誕生。月を思わせる意匠から旧九條公爵家が命名したと伝わります。戦後30年近く途絶えていましたが、近年に復刻されたものです。
白小豆は、混ぜすぎると粘りがでてしまい、火加減に気を配っておかないとたちまち美しい白色が損なわれてしまう難しい素材。職人の勘と技が欠かせない逸品です。

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