鎌倉の古刹に広がる竹の庭で抹茶をたしなむ古都の旅♪報国寺「休耕庵」

  • 2023年6月11日
  • ことりっぷ


本堂の奥に広大な竹の庭が広がる報国寺。古くから竹の寺としても親しまれ、竹林の奥には茶屋「休耕庵」がひっそりとたたずみます。一服の抹茶をいただいて静寂に向き合うひと時を過ごしてはいかがでしょうか。
報国寺は足利氏と上杉氏のゆかりの寺院として栄えた臨済宗建長寺派の禅宗のお寺です。創建は室町時代がはじまる少し前の1334年で、孟宗竹が生い茂る竹の寺としても知られ、「ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン」では三ツ星と評されています。
山門をくぐって参道を進み階段を登ると本堂が見えてきます。本堂の左手には茅葺き屋根の鐘楼があり、その屋根を覆いかぶさるように見える大きなイチョウの木は樹齢300年以上にもなるのだそう。春から夏は緑、秋には錦秋の山吹色に境内を彩ります。
竹の庭には本堂の横の建物から。ここで拝観料を納めて入ります。
本堂の奥に広がる竹の庭には孟宗竹が2000本生い茂り、一歩足を踏み入れただけでこれまでとは違う空気が流れるのを感じます。天に向かって真っすぐ伸びる竹で太陽の光が遮られる竹林の中は、静かで幻想的。風にそよぐ竹の葉の地面に舞い落ちるかすかな音が時おり聞こえてきます。
開山した天岸慧広(てんがんえこう・仏乗禅師)は、この地にお堂を建てて修業をしたといわれています。余暇には詩作も楽しむ静かな晩年を過ごされ、お堂あとに美しい竹が生い茂るようになったのだとか。そのお堂の名前は「休耕庵」。竹の庭の奥にはそんな史実にあやかって茶屋「休耕庵」がたたずみます。
赤い毛氈を敷いた茶屋では、しんと静まり返った中に遠くで水の流れる音が響き、まるで刻一刻と過ぎていく時の流れを表しているかのようです。静けさの中で自分を見つめる厳かな気分にもなりますよ。
抹茶にはかわいいお干菓子がついてきます。季節によって変わり、取材の時は竹と足利家の家紋である二引き両をかたどっていました。
お懐紙にあしらわれた竹の墨絵は先代の住職によるものです。力強い筆からは、ここで詩作にふけった天岸慧広へとイメージも膨らみます。
お寺ごとに種類や大きさが様々な御朱印帳も竹をデザインしたオリジナル。シンプルで洗練されたデザインは表紙の裏側にも続きます。御朱印をいただいて約700年の歴史がある古刹とのご縁を深めてはいかがでしょうか。

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