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【鳥取編③】見て、買って、味わって。五感で民藝を楽しむ「クラフト館 岩井窯」へ

  • 2022年1月6日
  • ことりっぷ


「鳥取民藝の父」とも称される吉田璋也の影響を色濃く受けた窯元が今も残る鳥取県。産地ではないものの、実直にロクロと向き合う窯元がのどかな里山に点在しています。今回紹介する「クラフト館 岩井窯」もそのひとつ。見て、買って、味わって。鳥取の民藝の世界を五感で楽しんでみませんか。
人里離れた山の奥、豊かな自然に囲まれた場所に「クラフト館 岩井窯」があります。うつわを展示販売する「作品展示館」、岩井窯のうつわでランチやスイーツが味わえる「喫茶HANA」、インスピレーションを受けたという数々の資料を展示する「参考館」の3棟が弧を描くように並び、どこか異国情緒を感じる洗練された空間が広がります。
「クラフト館 岩井窯」を開いたのは、山本教行さん。民藝運動を牽引し、鳥取の陶工に影響を与えたバーナード・リーチや吉田璋也に16歳の頃に出会い、その後島根県の出西窯(しゅっさいがま)で修業を経て、現在の場所で窯を開きました。
自らも楽しみながらうつわを作り、そして選ぶ楽しさも伝えられるように、あえて「岩井窯らしさ」を作りこまないようにしているそう。「自分が大切にしたいと思えるものをちゃんと選んで、暮らしを良くしてほしい」。そんな山本さんの想いが詰まった作品は、全国のうつわ好きを魅了しています。
木の温もりを感じる「作品展示館」には、個性豊かなうつわがずらりと並びます。漆喰の日本建築に調和する岩井窯のうつわは、日々の暮らしに寄り添うものばかり。ゆっくりと選ぶ時間も楽しめます。
「日々変化を楽しみながら作品を作っている」と山本さんの言葉の通り、作風はさまざま。ニューヨークの友人に教わったという塩釉のものから、現代アートから着想を得たというポップな絵柄のものまで多彩にそろいます。
「作品展示館」には豊富なうつわが並びますが、なかでも人気が高いのがこちらの土鍋。貴重な天然の土鍋土だけで作られているので、じんわりと食材に熱が伝わりおいしく仕上がります。約30年前から作り続けられている作品ですが、今でも新しさを感じさせるデザインも魅力のひとつ。両手付のほかにも片手鍋やミルク沸かしピッチャーなど、種類もさまざまで、料理で使わないときは棚の上に飾っていても絵になるデザインです。
掻落(かきおとし)という手法で牡丹の花を描いた作品は、岩井窯の定番シリーズ。清楚で華やぎのあるデザインが魅力で、どんな料理も引き立ててくれますよ。小鉢や角皿などバリエーション豊富にそろいます。
春を感じさせる三彩(写真左)などさまざまな柄がそろうピッチャーは、ぽってりとしたフォルムがキュート。食卓に並べたり、花瓶として花を生けたりと、思い思いの使い方が楽しめます。
こちらは岩井窯の2代目、山本洋さんが手がけたうつわです。食卓を華やかにしてくれるかわいい花型で、何を盛り付けようかと考える時間も楽しめます。大きさ、柄もさまざまなので、お気に入りを見つけてくださいね。
こちらは山本さんの奥さんが迎えてくれる「喫茶HANA」。岩井窯のうつわに盛り付けされたランチやスイーツが味わえます。季節によってメニューは変わりますが、なかでも人気が高いのが岩井窯の土鍋で炊いた餡を使う「特製あんみつ」。徳島県の岡田製糖所の和三盆の黒蜜でやさしい甘さに仕上げ、寒天とアイス、自家製餡と合わさり至福のハーモニーを奏でます。
店内に配されるのは、山本教行さんが「本当にいいと思ったものだけをセレクトした」という家具や調度品。北欧を思わせる心地よい空間で、暮らしに取り入れたい素敵なヒントが見つかりそうです。
敷地の一番奥に建つのが「参考館」です。山本さんが創作の勉強のために集めた古今東西の収集品を展示しています。陶磁器のほかイスのコレクションなど、岩井窯の作品にインスピレーションを与えた数々の収集品が鑑賞できますよ。
「参考館」は不定期で開催するイベントやコンサートの会場になることも。映画の上映会や、コーヒー教室など、地元の人たちも集まる素敵なイベントが開催されています。イベントの詳細はインスタグラムでチェックしてくださいね。
岩井窯の作品が購入できるのは全国各地で開かれる展示会と「作品展示館」のみ。カフェや「参考館」など、岩井窯が作りだす空間も楽しみながら、うつわ選びを楽しんでみてはいかがでしょうか。

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