「リスク(Risk)」は一般的に「危険」と訳されますが、どちらかというと「(思うとおりになるとは限らないという)不確実性」という意味が強いようです。そのままならない状況をなんとか手なづけて安全にやっていきましょうというのが、リスクマネジメントです。 キャンプを行う目的は実施主体によってさまざまですが、おそらく基本には「参加者の成長」という願い(目的)があります。成長には未知のことに挑戦して、達成するというプロセスが重要ですが、挑戦はいくらかのリスクを必ずともなうのです。 事故が起きると、たくさんの人が傷つくことになります。だからリスクを事故につなげないことが必要です。それでも、事故を防ぐことが目的化して、リスクをことごとく潰し、事業本来の目的を覆い消してしまうと、「なら、事業をしなくてもいいじゃん」ということになりかねません。それはそれでつまらないことです。また、目的達成と事故防止を高次元で両立させようとすると、経済的合理性を失うことも起こりえます。「このキャンプはノミの這い出る隙もないほどの安全対策をしていますので、参加費は1泊2日で100万円です。」というのでは参加者が集まらないでしょう。もし、集まったとしても、そんなキャンプは楽しくなさそうですよね。 あちらが立てば、こちらが立たず、まるで禅問答です。
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