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キャンプの恵み

Vol.33 対象理解と「学び」と「つながり」

  • 2013年6月6日

 キャンプの対象は「生身の人間」です。ですから、個々に違いがあるだけでなく、社会のさまざまな変化の影響を受けて日々変化していきます。

 たとえば「子ども」という対象を考えてみても、いくつものキーワードが思い浮かびます。
「いじめ」「体罰」「食物アレルギー」「体力低下」「発達障害」「貧困」「脱ゆとり教育」

 さらに、これらのキーワードの持つ意味自体も時代によって変わります。たとえば「貧困」も、1950年代と1980年代、2010年代では、それぞれに意味はまったく違いますし、子どもが受ける影響の質も変わっています。

対象理解と「学び」と「つながり」1  つまり、キャンプを行う私たちは、「子ども」の定義を常に修正し続けなければならないのです。先ほどあげたキーワードはどれも理解したり、対策を準備するのは難しそうで、いざ直面すると立ちすくんでしまいそうです。つまり、フリーズです。固まってしまって、目の前のことに対応できなくなってしまう。しかし相手は生身の人間ですから、対峙する者がフリーズしてしまうのは危険なことなのです。

 だから、学びが必要です。もちろんそれぞれに専門家がいるような内容を持つものですから、そのすべてを学ぶことはできません。できても、ごく基本的なことを網羅的に知るのが精一杯でしょう。そして、学べば学ぶほど危険にばかり目が向いて、次々に「あれもダメ」「これもダメ」ということが増え、「なにもしないのがいちばん安全」ということにもなりかねません。キャンプをするための学びですから、こうなってしまっては本末転倒です。


対象理解と「学び」と「つながり」2  そこで考えなくてはならないのは、専門性を持つ人々との「つながり」です。対象理解とキャンプで配慮すべきことがらの取捨選択をともに進めてくれる人々が、今後ますます必要です。“外部”の人が入ってくるのは面倒なことですが、キャンプを楽しいものであり続けさせるためには、避けることはできないような気がするのです。その結果として、考えもしなかった新しいキャンプが生まれる可能性だってあります。

 さて、せっせと“つながり先”を探すこととしましょう。


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