
警戒するような険しい目つきで見てくる女将さん / 画像提供:色白ゆうじろうさん
数年前からホラー漫画を描いている色白ゆうじろう(@mrwhiteblogger)さんは、SNSを中心に漫画を公開している。2024年1月にX(旧Twitter)にて怪談漫画「肉の煮物」を投稿。会社帰り、お腹がすいた主人公がふと立ち寄ったお店。メニューは肉の煮物とライスしかない。意外にもその肉の煮物があまりにもおいしかったので主人公は店主に何の肉か尋ねるが、言葉を濁して答えてくれない...だが、あることがきっかけでその肉の恐ろしい正体を知ることになる。本作が誕生したきっかけや裏話などについて、色白ゆうじろうさんにインタビューした。
■主人公の想いに共鳴して一時的に異界に繋がる
「肉の煮物」 / 画像提供:色白ゆうじろうさん
1 / 画像提供:色白ゆうじろうさん
とあるお店で肉の煮物を注文する男性 2 / 画像提供:色白ゆうじろうさん
本作を描いた経緯について、作者の色白ゆうじろうさんは「年末年始、延々と大好きなグルメドラマを見て過ごしていました。おいしそうな料理と食事シーンに魅了された私は、おこがましくも『自分もおいしい料理を漫画で描いてみたい…口の中でとろけるような、肉の煮物とか』と思い始めたのです。『肉の煮物』風イラストを描くなら、どんな話がいいだろう。いつものようにホラーなら思いつきそうだ。ホラーで肉を味わう話ならばと連想して、本作が生まれました」と話す。
あまりのおいしさに肉の秘密に執着してしまう主人公。そのせいか、主人公は体を切断された人影が見えるようになってしまう。このことについて、色白ゆうじろうさんは「執着心が、犠牲者の遺した怨念を呼び覚ましたのかも知れません。主人公以外の人、つまり肉に執着のない人は、『何かおいしいね』と盲目的に味わうことに終始すると思われます」と語る。
その後、主人公が再びお店を訪れると、お店は売地になってしまっていた。お店がなくなった理由について聞くと「理由はわかりませんが、可能性はいろいろあります。ひょっとすると、元々そんな店は存在しなかったのかもしれません。または、主人公の想いに共鳴して一時的に異界が繋がっていたのか…。肉の秘密を知られたから消え去ったなど、真相は曖昧な闇の中です」と推測する。
最後に「お読みいただきありがとうございます。珍妙な怪奇世界を楽しんでいただけましたら、恐悦至極です。引き続き楽しんでいただけるとうれしいです」と読者にメッセージを送る。色白ゆうじろうさんはいくつものホラー漫画を公開しているので、興味がある人はぜひ読んでみて!
取材協力:色白ゆうじろう(@mrwhiteblogger)