
広告代理店の営業部に所属して2年目の幸田。営業成績は0。契約を一度も取れたことがなく、営業なのに別の仕事を与えられている。上司のパワハラも酷く、自分には向いていないと限界を感じ、退職届を提出。しかし、上司に受理されず、社員たちの前で晒し物にされた…!!現在、マンガボックスで連載中の漫画家古河コビー(@furuCoby)さんが描く「退職代行切金さん 〜社畜の非常口はこちらです〜」を紹介するとともにインタビューを行った。
■パワハラ、セクハラも当たり前の上司!退職届を提出すると、社員たちの前で「誰のだ?」と晒し物にされ…。
「退職代行切金さん 〜社畜の非常口はこちらです〜」第1話_07頁 / 画像提供:(C)古河コビー/マンガボックス
「退職代行切金さん 〜社畜の非常口はこちらです〜」第1話_08頁 / 画像提供:(C)古河コビー/マンガボックス
「退職代行切金さん 〜社畜の非常口はこちらです〜」第1話_14頁 / 画像提供:(C)古河コビー/マンガボックス
本作は「退職代行」がテーマ。未だ営業成績0の幸田は業務外の仕事をやらされたり、差し入れに「おにぎりを買ってこい」など使いっ走りのように扱われる。部長のパワハラに耐えて頑張ろうとするものの、女性に対するセクハラも意に介さない態度に限界を感じ、退職届を提出。
「退職代行切金さん 〜社畜の非常口はこちらです〜」第1話_33頁 / 画像提供:(C)古河コビー/マンガボックス
「退職代行切金さん 〜社畜の非常口はこちらです〜」第1話_34頁 / 画像提供:(C)古河コビー/マンガボックス
「退職届を出せば辞められる」と思っていた幸田。しかし、部長は社員を集めて飲み会を開き、「退職届を提出してきたやつがいる!」と、晒し上げた。社員からは「人手が足りないのに!」「誰だよ」という声があがり、辞めたかった幸田も「辞めません!」と言わざるを得なくなる。
「退職代行切金さん 〜社畜の非常口はこちらです〜」第1話_38頁 / 画像提供:(C)古河コビー/マンガボックス
「退職代行切金さん 〜社畜の非常口はこちらです〜」第1話_39頁 / 画像提供:(C)古河コビー/マンガボックス
「退職代行切金さん 〜社畜の非常口はこちらです〜」第1話_48頁 / 画像提供:(C)古河コビー/マンガボックス
辞められないループから抜け出せなくなった幸田の前に、退職代行を請け負う弁護士・切金が現れる。本作は退職代行サービス業者ではなく、弁護士が退職代行を行う。違法性を突いた展開にスカッとするだけでなく、辞められないと思っている人の手助けにもなる漫画だ。
■悩んでいる読者に「最悪、退職代行があるから、今仕事でどれだけつらくても絶対なんとかなる」ということを知って欲しい
【漫画】「退職代行切金さん 〜社畜の非常口はこちらです〜」を読む / 画像提供:(C)古河コビー/マンガボックス
――制作の経緯を教えてください。
もともと他誌で連載を目指していましたが、なかなか企画が通らずいたところ、マンガボックスの編集さんに「退職代行のマンガを描いてほしい」とお声がけいただきました。最初は専門知識がいる話なので、原作付き企画だと勘違いしていたのですが、オリジナル連載だとあとでわかりました。法律知識もないし、会社員時代のつらかったことを否が応でも思い出すし、当初はあまり乗り気ではなかったです。しかし、主人公の切金さんを考案してからは、だんだん制作が楽しくなってきました。
主人公の職業を「弁護士」にするのか「退職代行サービス業者」にするのかはけっこうギリギリまで決まっておらず、弁護士さんと業者さんそれぞれに取材した上で「弁護士」に決めました。決め手になったのは「外出して行う業務があるかどうか?」また、「難しい案件を一人で対処できるかどうか?」です。退職代行サービス業者は基本外出せず、難しい案件は労働組合や顧問弁護士にバトンタッチしなくてはなりません。弁護士主人公なら敵と直接対峙させやすいし、法律的にできることが多いので弁護士に決めました。
また、企画会議に通すために、ストーリー案を5つ出す必要があり、5つ以上の職業の方に取材させてただき、ストーリー案を作りました。そのストーリー案が実際使われるかどうかは未定ですが、都度さまざまな職業の方に取材させていただきストーリを練っています。
「退職代行切金さん 〜社畜の非常口はこちらです〜」第1話_30頁 / 画像提供:(C)古河コビー/マンガボックス
――パワハラ上司を含め、社員もみんなひどい職場ですね!制作する上でこだわったところはありますか?
読者が共感できる、「つらくても辞められない理由」を設定しているところです。退職代行利用者は世間から「心が弱い人」「逃げ癖がある人」と思われることがありますが、実態は「真面目で逃げられないから困っている」人が多いということを伝えたかったです。また、性格が予想できるキャラデザをするように心がけています。
「退職代行切金さん 〜社畜の非常口はこちらです〜」第1話_31頁 / 画像提供:(C)古河コビー/マンガボックス
――「退職代行切金さん」はスカッと展開になるのでしょうか?見どころを教えてください。
さまざまな労務トラブルを扱いつつ、毎度スカッと感が出せるようにしていきたいと思っています。また、弁護士さんの監修も入っているので、現実的に実践できるリアルな解決法になるように心がけています。
「退職代行切金さん 〜社畜の非常口はこちらです〜」第1話_32頁 / 画像提供:(C)古河コビー/マンガボックス
――本作に込めた思いやテーマがあれば教えてください。
今まさに“社畜”と呼ばれる働き方をしている人が読んだ時に、自身の状況を悲観しないようにできるだけ、明るく軽い読み味になるように意識しています。どれだけ重い悩みを抱えている依頼者にも、切金さんは明るく「絶対大丈夫!」と言い切ってくれるだろうなと思って描いています。「最悪、退職代行があるから、今仕事でどれだけつらくても絶対なんとかなる」ということを知っていただけたら、退職代行を使うつもりがなくても、心が軽くなるんじゃないかと思います。
「退職代行切金さん 〜社畜の非常口はこちらです〜」第1話_36頁 / 画像提供:(C)古河コビー/マンガボックス
――そのほかどのような漫画を描いていますか?
他には、ドラマ原作「ビリオン×スクール」(KADOKAWA)でキャラクターデザインを担当しております。また、「ビリオン×スクール」の上巻が発売されました!ホラー小説「6」(玄光社)のコミカライズ版で作画も担当しております。こちらもよろしくお願いします。
取材協力:古河コビー(@furuCoby)