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妊娠・出産をサポートする「助産師」を目指す学生たちを漫画に。「人々に寄り添う楽しさが、この仕事の魅力」【作者に聞く】

  • 2024年2月28日
  • Walkerplus

助産師とは、妊婦さんへの保健指導、分娩の介助、産後はお母さんと赤ちゃんのケアなど、妊娠期から出産後までの女性をサポートする仕事だ。今回は自身も助産師で、SNSに出産や育児の漫画を投稿しているモクコ(@fufufufutago)さんの漫画「私の助産師タマゴ時代」を紹介する。モクコさんにも漫画を描いたきっかけや、助産師として思い出に残っているエピソードなどを聞いた。

■病院実習に臨む5人の助産学生。産婦さんと出会い、課題と向き合い成長していく
「私の助産師タマゴ時代」は、モクコさんが助産学生だった頃の病院実習の経験を元に描いた創作漫画。モクコさんを含めた性格の違う5人の実習生が産婦さんと出会い、自身の課題と向き合いながら経験を積んでいく群像劇だ。

■産科病棟の看護師から助産師の道へ。学生時代の「スパイシーで濃厚な日々」を漫画に
助産師になる前は産科病棟の看護師として働いていたモクコさん。助産師の仕事を身近で見るうちに、「もっとお母さんや赤ちゃんの役に立ちたい」と思い、助産学校の門をたたいたそうだ。学生時代の経験を漫画にしようと思ったきっかけは何だったのだろうか。

「助産学生時代のスパイシーで濃厚な日々を描いたら、誰かはおもしろく読んでくれるんじゃないかと思い、描き始めました。現役の助産学生さんや、これから目指す方の励みにもなればいいなと思っています」

同じ出産でも、落ち着いた様子の経産婦さんもいれば、予定日を過ぎても陣痛がなく、不安と焦りを抱える初産婦さんなど、状況はさまざま。漫画では学生たちが産婦さんそれぞれに合わせた対応を学んでいく。助産師としての経験のなかで、特に印象深い出産のエピソードについて聞いてみた。

「『赤ちゃんは生まれてくるときを選んでる⁉』と思う出来事が何度もありました。パパの到着を待っていたかのように生まれてきたり、馴染みのあるスタッフが分娩当番のときに生まれてきたり。自分の出産時もそうで、たまたま同期がそろっている日に生まれてきてくれました。とても心強かったです」

3歳の双子を育てる母親でもあるモクコさんは、妊娠中に切迫早産となり入院、生まれたときの双子の体重は約700グラムだったそう。自身の出産を経験して、妊娠と出産について感じていることがあるという。

「私は予定日より4カ月早い妊娠23週で双子を出産しました。子どもが生きられるかどうかわからない、生きられても後遺症が残る、そんな状況でした。妊娠出産は本当に何があるかわからないと実感しています。だから人生そのときそのときで、できることをやるしかないんだな、と思うようになりました」

■「人生に寄り添う楽しさが助産師の魅力」漫画には温かいコメントが続々
漫画には、「コロナ禍で面会できないとき、学生さんと助産師さんが頼りだった」「出産したとき一緒に涙を流してくれた」など、出産時に助産学生の立ち合いを経験した人などから多くの声が寄せられている。モクコさんにコメントに対しての感想を聞いた。

「出産を経験された方から、助産学生とのエピソードをたくさんコメントしていただきました。学生の存在が助けになった方も、むしろ気を遣ってしまったという方もいて、実際そうだと思うのでコメント欄で共有できてよかったかなと思っています。また、助産学生を目指す方からDMで相談を受けていたのですが、その方が合格したときは私もすごくうれしかったです。コメント欄はおかげさまで、思いの詰まった温かいコメントがあふれていて、とてもありがたいです」

最後に、助産師を目指す人へのメッセージと、今後の創作活動について聞いた。

「人生に寄り添う楽しさが、この仕事の魅力だと思います。助産学生時代はなかなか大変なので、自分の楽しみも大事に気分転換しつつ、過ごしてほしいです!今、Instagramで『産科病棟ものがたり』という連載をしています。学生時代とはまた違った仕事としての助産師について描いていく予定なので、良ければこちらも覗いていただけるとうれしいです!」

助産師という仕事を、温かさと優しさあふれる雰囲気で描くモクコさん。ぜひ一度、漫画を読んでみてほしい。

取材・文=松原明子

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