
小学校から中学校に上がって初めて入るという人がほとんどであろう「部活動」。スポーツから文化系まで、初めて触れる未知の世界を前に、どの部に入ろうか迷ったという経験がある人も多いのでは。そんな中学の部活選びでの“やらかし”エピソードを描いた漫画に「笑いが止まらない」とSNSで反響が集まっている。
■投球力をアピールしようと思ったものの…。ソフトボール部での大失敗
話題を呼んだのは、ダ・ヴィンチWebで「カッラフルなエッッブリデイ」を連載するむめい(@mumei10101)さんがTwitterに投稿した短編作品「体験入部の思い出」だ。
中学生になった当時、所属する部活を決めかねていたむめいさんは、友人からソフトボール部をすすめられ体験入部することに。本格的なスポーツにワクワクしていたが、むめいさんの学校のソフトボール部はバリバリの体育会系が集まるタイプの部。「部活は遊びではない!!」と言い放つ先輩の姿はさながら軍隊のようで、「圧が鬼」と感じたむめいさんは友人とともに帰ろうかと思うほど。
練習がはじまっても指導は基礎ばかり。「早くボール投げたいなぁ…」と退屈を募らせていた時、サッカー部のボールがソフト部の練習場所に転がってくる。ボールを蹴り返すよう先輩に言われたむめいさんは、素直に蹴り返すのではなく投げることで先輩に投球力を見てもらおうと考えた。
キャッチボールをさせてもらえないうっぷんを晴らすべく、むめいさんは「しゃらくせぇぜ」と謎の掛け声とともに全力投球。球の勢いは先輩も感心するほどだったが、ノーコンすぎてボールは離れた場所にいた部長の頭に直撃してしまう。
急いで謝りに向かうと、部長は「ふーん…そんなすごい球投げれるんや…」と、もう一度投げるところを見せるようにという。断りようがなく再びサッカーボールを投げるが、今度はフォームを教えていた先輩の顔面に剛速球が。初日から2人の先輩にボールをぶつけてしまうという失敗で、むめいさんがソフト部に入ることはなかったという。
大失敗の思い出を、疾走感あるギャグ漫画として描いた本作。投稿には2.2万件以上のいいねとともに、「笑い声が抑えられないほど面白かったです」「ノーコンにもほどがwww」「圧倒的な画力はもはや芸術」とTwitterユーザーから反響が集まった。
作品投稿時、「中学生に戻れるならここからやり直したい」とコメントしていた作者のむめいさん。その理由を聞くと「自分の投球力を見せつけようとせず、先輩に言われた通りサッカーボールを蹴っていれば、平和に体験入部を終えてソフト部に入るかどうか悩めたのかなと」とのこと。
その後は「ただ球を投げるだけの部活」を探して陸上部の砲丸投げ選手になり、大会でも上位に入るほどだったそう。けれど鍛えることで「当時憧れだった上戸彩ちゃんからどんどん遠ざかっていく」のが嫌になり、結局幽霊部員になってしまったという。
その後を大きく左右することもある、子供の頃の小さな選択。「あの時ああしておけば」という、笑えるけれどもどこかほろ苦くもあるエピソードだ。
取材協力:むめい(@mumei10101)