Vol.10 地球や資源がなければ
どんなビジネスも成立しない。
木村麻紀さん
ウンベルトバンクの小型車
ヨーグルト容器もリユース
ドイツ滞在で感じたことは、ドイツは環境大国として世界のリーダーとなっていますが、大国であっても、環境に配慮した国づくりができる、ということです。
例えば、自然エネルギーの導入目標をはじめとした個別の環境政策では、デンマークやスウェーデンといった北欧諸国のほうがはるかに進んでいるケースが見受けられます。
しかし、これらの国々は日本と規模が違いすぎるせいか、日本でそのまま取り入れるには無理がある場合もあります。しかし、日本と規模も経済レベルもほぼ同じドイツができることは、日本もできてしかるべきはないでしょうか。できていないことがあるとすれば、それはどうしてなのか考えてみる必要があると思います。
ドイツのソーシャルバンクの一つ「ウンベルト(環境)バンク」の行員たちは、通勤や融資先回りの際には自転車か電車、あるいは環境への負担が比較的少ないこのような(右上写真)小型車を使っています。
環境への取り組みで日本との大きな違いは、例えば、リデュース(ごみを減らす、消費を減らす)に対する取り組みではないでしょうか。リサイクルしなければならない缶やペットボトルよりも、リユースできる瓶を優遇するデポジット制度。かさばる容器や包装を使えば使うほど企業の負担が大きくなるリサイクルシステム。これらはいずれも、環境への負担を軽減しながら消費活動を続けられるようにするシステムです。
日本でも、小手先の対策ではなく、環境や健康に配慮する企業とそれを支える消費者が経済的に得をするシステムを創り上げなければならないはずです。
米コロンビア大学ビジネススクール社会事業専修プログラム の授業風景
環境や健康に配慮したミッションを持つユニークなビジネスは、世界じゅうにあります。私自身の経験はもちろんですが、オルタナを支えてくれる世界各国在住の日本人ジャーナリストのネットワークを生かして、オルタナティブなビジネスやライフスタイルの最前線をお届けしたいと考えています。
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