「やめたければやめていい、でも…」野村康太が“俳優を続けたい”と思えた、家族からの助言

  • 2025年4月30日
  • CREA WEB

野村康太さん。

 現在21歳、ネクストブレイク俳優として映画・ドラマに引っ張りだこの野村康太さん。野村さんが主演を務める5月2日公開の映画『6人ぼっち』のこと、“意外と子どもっぽい”と語る今の自分自身について教えてもらいました。


主人公は、真面目で内向きな“ぼっち”高校生


野村康太さん。

 “ひとりぼっち”の高校生たち6人が集まったオリジナル映画『6人ぼっち』。主人公は「誰の、何のために生きている?」と思い悩む、真面目で内向きな“ぼっち”高校生の加山糸(野村康太)。

 糸は修学旅行で誰とも班が作れず、あぶれたクラスメイトで作った即席6人班の班長となる。個性豊かな彼らとの関わりが、糸の心境に少しずつ変化をもたらしていくのだ。

 多くの人々が経験する高校時代の修学旅行。大人になった今では味わえない甘酸っぱい思い出、6人を通して青春が追体験できるような一作になっている。スポーツマンで華やかな雰囲気を持つ野村さんだが、意外にも高校時代に“ぼっち”経験があるそう。

――『6人ぼっち』はオリジナル作品ですが、台本を読んでどのような印象を受けましたか?

 それぞれ違う個性を持つ高校生6人が、修学旅行で同じ班になったことをきっかけに一緒に行動する物語なんです。いつの間にか仲良くなって、最後には一つになっていくので、ポスターには「青春できていない青春映画」と書いてありますが、僕としては「すごい青春だな」と思って演じていました。

 それに、最初に台本を読んだとき、自分が演じる加山糸という役がすごく自分とマッチしていたんです。監督に「これ、僕自身です」と言ったくらい! とにかく共感できる部分が多かったですし、セリフの口調もすごく自分に合っているなと思っていました。

「今でもすごく人見知り」


野村康太さん。

――野村さんは学生時代バスケットボールに打ち込んでいたんですよね。内気な糸とは真逆にも思えますが、似ている部分があったんですね。

 部活をやっているときはすごくはっちゃけて、大声を出したりしていたんですけど、クラスでは割と静かなタイプでした。

 高校3年生のクラス替えのとき、まわりの子たちは高校2年生からずっと同じクラスで、もう輪ができていたんです。なぜか僕だけそこに放り込まれた、みたいな(笑)。ものすごく孤独を感じたので、最初はめちゃくちゃ静かでおとなしく過ごしていました。人見知りなこともあって、話しかけようにも話しかけられなくて。そのおかげで、糸にはかなり共感できました。

 糸が修学旅行で同じ班になった子たちに、最初に話しかけるとき「どうしよう」と戸惑うじゃないですか。僕は今でもすごく人見知りしてしまうので、撮影現場で共演した方に話しかけに行くときも、本当に勇気を振り絞らないとできないんです。そのあたりはまったく糸と同じだなと思っていました。


野村康太さん。

――同じ班の皆さん、本作で共演した5人の俳優さんとはいかがでしたか?

 みんなとは、すごく仲良くなりました! 広島で2週間ロケをしていたんですけど、ほぼ毎日みんなで一緒に夜ごはんを食べましたし、メンズたちは一つの部屋に集まってスマブラしたり(笑)。今でもプライベートでごはんを食べに行ったりするぐらい、すごく仲良しです。

 撮休の日は厳島神社に行ったり、原爆ドームに行ったりもしました。本当に修学旅行をしているみたいな生活が送れて楽しかったです。厳島神社は、そこら中に鹿もいましたし(笑)、東京では感じられない自然の豊かさを感じられて、とても居心地がよかったです。

――6人一緒のシーンが多い中でも、特に印象に残っている場面はどこですか?

 橋の上でのシーンがすごく印象に残っています。みんなの感情が高ぶるシーンなんですけど、撮り終えて「カット」とかかった瞬間、みんなで「お疲れさま!」、「よく頑張った」と言って泣きながら抱き合いました。

 6人とも本当に集中して取り組んでいましたし、物語上も6人がそこで一つになるのですがそれと同じくらい、僕らも一つになれていたというか。今思い出してもちょっと感動しちゃうぐらい、いいシーンだったと思います。

「悩んだときは、家族や友達に話します」


野村康太さん。

――糸は班長としてメンバーをまとめるために、ビジネス書を読んだりしていました。野村さんご自身が悩んだとき、取る行動はありますか?

 悩んだとき、僕は家族や友達に話します。そうやって話を聞いてもらっただけで悩みがなくなるときもありますし、アドバイスをもらってハッとすることも。

 よく話を聞いてもらう友人がいて、年齢は僕より10個ぐらい上なんですけど、マインドがとにかくポジティブな人なので、悩みを相談するといつもすごく素敵な言葉をくれたり、アドバイスをくれたりするので、とても支えになっています。

――素敵なお友達ですね。年上のご友人のほうが多いですか?

 はい、そうです! 仲良い人は基本的に9割年上です。僕は後輩をしていたい、というか。

――野村さんは甘え上手だったり?

 ……かもしれません(笑)。

――逆に、野村さんが誰かの相談に乗ることもありますか?

 最近はないんですけど、学生のときは結構相談に乗っていました。男子からだけじゃなくてなぜか女の子から恋愛相談されることも多かったです。

――相談内容は、例えば「彼氏の言動が怪しいんだけど……どう思う?」とか?

 そういうのもありました! 「彼氏と今うまくいってなくて冷たくて、自分がどうしたらいいかわかんない。どうすればいいかな?」、「こういうことを言ったら重いかな」とか相談されましたね。

 僕は決めていることがあって、それは正しいと思うほうに味方するということ。だから相談をされても「あなたが悪いですよ」と思うときは、ちゃんと「それはたぶん相手が悪いんじゃなくて、あなたが悪いんだと思うよ」と言うようにしています。

――それは嘘をつきたくないとか、ご自身の信条があるんでしょうか?

 嘘はつきたくないです。嘘をついたらやっぱり自分に戻ってきますし、そのときは嘘をついてラクになっても、後々やっぱり苦しくなるのは自分だと思っているので。

芝居が楽しいと思えた瞬間


野村康太さん。

――おっしゃる通りですね。このお仕事を始めてから誰かに相談したり、壁を感じたこともありましたか?

 はい、ありました。一時期、お芝居に対してすごく大きな壁を感じて、本当に俳優をやめてしまいたくなった時期がありました。

 僕はすごく緊張しいで、現場でもガチガチになってしまい、お芝居に集中できなくて……まったく楽しめなかったんです。本気で辞めようと思っていたんですけど、そのとき次の作品も決まっていまして。

 その作品というのが『夫の家庭を壊すまで』で。(松本)まりかさんのお芝居を受けて、とにかくたくさん勉強させていただいて。自分のセリフも出番も多かったので、そこでだいぶ現場慣れもして、前より緊張もしなくなれたんです。

 そのときに「ああ、お芝居ってこんなに楽しいんだ」と気づいて、そこから続けられるようになって今があります。その作品はありがたいことに反響もすごくいただけて、うれしかったですね。

――ご自身で解決策を見出し、現場で経験できたことで乗り越えていかれたんですね。

 そうですね。でも……実は親には泣きながら「本当にもうやめたい」と言ったぐらいでした。

 親は「やめたかったらやめなよ」という感じで受け止めてくれましたし、「ただ、次の作品が決まっているなら、その役を最後にするつもりで、一生懸命やりなさい」と言われて、その通りにしたんです。

 その結果、今すごくお芝居を楽しめているのでその言葉にもとても感謝しています。

――最後に、本作のポスターでは糸を表す言葉に「#陰キャ」とありますが、野村さんが自分にハッシュタグをつけるなら何とつけますか? ぜひ教えてください。

 え〜(悩)。じゃあ、「#ガキんちょ」とかですかね(笑)! 僕、すごく「子どもだね」と言われることが多くて。撮影現場でも21歳が言われるようなことじゃないことを言われるんです。

 例えば、「もうすぐ本番だから歯、磨いといてね」とか、スタイリストさんには「今日はちゃんと裾を持って上着を着なよ」とか(笑)。お菓子をもらったり、わりと毎現場たくさんの方に可愛がっていただいています。なので、21歳ですが「#ガキんちょ」で!

野村康太(のむら・こうた)

2003年11月30日生まれ。東京都出身。O型。メンズノンノ専属モデル。2022年「新・信長公記〜クラスメイトは戦国武将〜」でデビュー。その後、ドラマ「パーフェクトプロポーズ」、「夫の家庭を壊すまで」、「その着せ替え人形は恋をする」などの話題作に出演。現在、「パラレル夫婦 死んだ“僕と妻”の真実」、「ディアマイベイビー〜私があなたを支配するまで〜」に出演中。5月2日に主演映画「6人ぼっち」が公開予定。

ジャケット 162,800円、シャツ 104,500円、パンツ 104,500円、シューズ 132,000円/すべてEMPORIO ARMANI(ジョルジオ アルマーニ ジャパン 03-6274-7070 その他/スタイリスト私物

文=赤山恭子
写真=佐藤 亘
ヘアメイク=SUGA NAKATA(GLEAM)
スタイリスト=能城匠

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