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2025/06/11 10:36 ウェザーニュース
鹿児島県屋久島の西に位置する火山島、口永良部島では山体の浅い所での地震が活発になっています。噴火警戒レベルは2(火口周辺規制)となっていますが、今後の活動によってはレベル引き上げの可能性があるとして、気象台は臨時の解説情報を発表しました。
口永良部島では4月上旬から地震活動が活発になっていて、古岳付近の浅い所で発生している火山性地震は、11日(水)10時までの10日間で131回に達しました。
また、GNSS連続観測では2023年6月下旬頃から10月頃にかけて古岳付近の膨張を示唆する変動が観測されており、現在も膨張した状態が維持されています。
噴火警戒レベルは今年4月16日に火山性地震の増加に伴って、レベル1(活火山であることに留意)からレベル2(火口周辺規制)に引き上げられ、現在も継続中です。
口永良部島では有史以降は新岳での噴火活動が活発です。新岳火口では2015年5月に大きな噴火が発生して、火砕流が海岸に達し噴火警戒レベル5に引き上げられた時期がありました。
一方の古岳火口は、堆積物による年代測定法によると、数百年前まで火砕流を伴う噴火が発生していたと考えられています。有史以降では噴火は確認されていませんが、火口からの噴気はたびたび確認されています。「古」という名が付いているものの、火山という時間スケールでみるとさほど古いとはいえません。
新岳火口及び古岳火口から概ね1kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する火山岩塊と呼ばれるような大きな噴石、火砕流に警戒が必要です。また、西側では新岳火口から概ね2kmの範囲で火砕流のおそれがあります。
風下側では火山灰だけでなく、火山礫(かざんれき)と呼ばれる小さな噴石が遠方まで風に流されて降るおそれがあるため注意が必要です。
地元自治体等の指示に従って危険な地域には立ち入らないでください。
**(参考:噴火警戒レベルの説明)**
【レベル5(避難)】:危険な居住地域からの避難等が必要。
【レベル4(高齢者等避難)】:警戒が必要な居住地域での高齢者等の要配慮者の避難、住民の避難の準備等が必要。
【レベル3(入山規制)】:登山禁止や入山規制等危険な地域への立入規制等。状況に応じて高齢者等の要配慮者の避難の準備等。
【レベル2(火口周辺規制)】:火口周辺への立入規制等。
【レベル1(活火山であることに留意)】:状況に応じて火口内への立入規制等。
(注:避難や規制の対象地域は、地域の状況や火山活動状況により異なる)