
もしかしたら、銀行強盗かもしれない。 / 画像提供:のぞみわたるさん
学生時代から漫画を描いているのぞみわたる(@nozomiwataru)さんは、SNSやブログを中心に漫画を公開している。2025年6月現在も定期的に投稿されている「のぞみわたるのギャグ漫画」はシンプルな描写だが、どこかくすっと笑えて読み続けたくなる作品だ。今回は2作品の4コマ漫画をお届けするとともに、著者にお年寄りに席を譲って断られた経験についても伺った。
■「オチ以外はシンプルに」が鉄則
理不尽なお婆さん1-1 / 画像提供:のぞみわたるさん
理不尽なお婆さん1-2 / 画像提供:のぞみわたるさん
紛らわしい客1-1 / 画像提供:のぞみわたるさん
1作目「理不尽なお婆さん」は電車での出来事を描いた漫画だ。座っている男性にお婆さんが「若いのになんで私に席を譲らないの?」と話しかける。男性は申し訳なさと恥ずかしさから、慌てて席を譲るが、お婆さんは「あなた、まさか私が年寄りだって言いたいわけ?」と、思いもよらない言葉を放った。男性の顔は漫画に描かれていないが、困惑する様子が想像できる。
「中学生のころ、部活の試合帰りにバスに乗っていたときに、ちょうど席の譲りがいがありそうなおばあちゃんが乗ってきたんです」と、作者であるのぞみわたるさんは、同じような体験をしたことを明かす。「勇気を出して席を立とうとしたんですが、案の定、丁重にお断りされてしまいました。別に後悔はしてないんですが、断られるとちょっとだけ恥ずかしいですよねこれ(笑)」と、話してくれた。
2作目「まぎらわしい客」は、銀行が舞台。ある日、銀行に覆面を被った男性が訪れる。窓口の女性は「銀行強盗!?」と警戒するが、男性は「公共料金の支払いをお願いします」と言うだけで、金銭の要求をしてこない。女性は動揺しながらも対応すると、男性は何もせず帰っていった。覆面を被ったまま去っていく男性の後ろ姿を見ながら、女性は「何もしねぇのかよ」と思わず心の声が漏れてしまった。
のぞみわたるさんは、ギャグ漫画を描くうえで「オチ以外は極力シンプルにすること」を意識しているという。「僕はいつもオチから考えて漫画を描いているのですが、オチがおもしろいとわかっているなら、逆にそれ以外のコマをシンプルにし、『フリ』に徹することでよりおもしろさが際立つと思っています」と、読者を惹きつける秘訣を話してくれた。
取材協力:のぞみわたる(@nozomiwataru)