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「母を恨んでます」“二世信者”が語る、鞭打ちルールの地獄と家からの脱出劇【作者に聞いた】

  • 2025年6月1日
  • Walkerplus

母親を心の底から恨んでいるという依頼者の井上さん
母親を心の底から恨んでいるという依頼者の井上さん / 画像提供:宮野シンイチさん

実際に“夜逃げ”を行う現場を漫画で描く「夜逃げ屋日記」。作者の宮野シンイチさん(@Chameleon_0219)がSNSで公開し、書籍化もされた人気作だ。第17話では、虐待やDVとは異なる、宗教の影響によって逃げ場を失った依頼者が描かれる。注目すべきは、依頼後の心のケアを担当するカウンセラー・ジョーという人物の存在だった。


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「カウンセラーの存在を知ったのは、ほんの断片的でした」と話す宮野さん。漫画にも登場するジョーは、夜逃げ屋のスタッフでありながら、本業はカウンセラー。依頼者の心に寄り添い、過去の傷を癒やすサポートを担っている。

今回登場した依頼者・井上ヨシコさん(仮名)は、母子家庭で育ち、母親が熱心に信仰する宗教のもとで厳しい生活を強いられてきた。規則を破ると鞭打ちなどの罰が待っていたという。「私の人生をむちゃくちゃにされた。心の底から母を恨んでいる」と語る彼女の言葉には、積み重なった痛みがにじんでいた。

井上さんのような依頼者は、逃げたあとも心のケアを必要とする。そのため、ジョーのような専門家の存在が欠かせない。「心の傷は簡単に癒えるものではない。誰かが話を聞いてくれるだけで救われることもある」と宮野さんは語る。夜逃げ屋の現場には、物理的な移動だけでなく、心理的な“避難”を支える支援体制も必要なのだ。

「今回の件は、自分の想像を超えていた。宗教絡みのケースは知識もなく、正直困った」と語る宮野さんだが、ジョーと喫茶店で言葉を交わす場面から、彼の視点や関わり方も変化していく。依頼者の人生に深く関わるという覚悟が、作品の根底に息づいている。

今後も「夜逃げ屋日記」は、社会の歪みに切り込む漫画として、実話をもとに多様なケースを描いていく。心に残るエピソードの数々は、逃げるという選択の背景にある“生きるための決断”を読者に伝えている。

取材協力:宮野シンイチ(@Chameleon_0219)

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