
今や日本の国民食として愛されるラーメン。関東圏だけでも数多くの店舗が点在し、それぞれの個性やこだわりを詰め込んだラーメンを提供している。
多種多様なラーメン店の中から、特におすすめの店舗を沿線ごとに紹介する当連載。第3回は東急東横線から5軒をピックアップ。破竹の勢いをみせる「AFURI」の最新店、横浜エリアで外せない家系のほか、関西発の人気店も登場!
■【渋谷】関東を席巻する「AFURI」グループの最新店!「AFURI 渋谷道玄坂」
2001年、神奈川県厚木市に開業した「ZUND-BAR(ズンド バー)」を総本店とし、2003年東京進出を機に「AFURI」の1号店が恵比寿にオープンした。その後も着実にファンを増やし、国内19店舗、海外13店舗(2025年5月現在)を展開する人気ラーメン店「AFURI」。今回紹介する「AFURI 渋谷道玄坂」は、2025年4月にオープンした最新店だ。素材重視のラーメンに対するこだわりだけでなく、「道玄坂店」だけの新しい取り組みにも注目したい。
「柚子塩らーめん」(1390円)。仕上げに乗せる柚子ピールが風味のアクセントになる / AFURI
「AFURI」の店名は、神奈川県の丹沢大山国定公園内にそびえる大山(通称:阿夫利山)から取ったもの。ラーメンは大山(阿夫利山)由来の、仕込みに適した清らかな水を使い、スープを作るのが特徴となっている。塩、醤油の2種類のラーメン、つけ麺の3種類のメニューを用意。どのメニューにもうま味調味料を一切使用せず、素材本来の味を最大限に引き出した淡麗な味わいが魅力に。
なかでもイチオシの「柚子塩らーめん」は、丸鶏と鶏ガラに、昆布や数種類の煮干しをブレンドした魚介を合わせた清湯(ちんたん)スープが自慢。こだわりの水を使うことで素材の旨味、コクをより強く感じられるのがポイントだ。
「鶏油は通常量の『淡麗』のほか、少し多めの『まろ味』にもできますよ」と店長の湯浅さん / AFURI
「柚子塩らーめん」の元ダレは特製の塩ダレに、国産柚子で作った「柚子搾り」を加えることで、さわやかな風味が広がる一杯に仕上げる。さらにさらっと軽い鶏油も入っており、鶏の旨味もより一層強い。
全粒粉入り極細麺を使用。ブレンド小麦の豊かな風味が広がり、心地よいすすり心地とともにスープの旨味を体感できる。隠し味の白出汁を加えた「蒟蒻麺(こんにゃくめん)」に変更可能。
【写真】赤身と脂身のバランスが良い「炙りコロチャーシュー飯」(830円)。「柚子塩らーめん」とのセットもある(1990円) / AFURI
サイドメニューで人気は「炙りコロチャーシュー飯」。チャーシューは厳選した豚バラ肉を使い、溶岩石コンロで丁寧に炙りを入れていく。肉は赤身と脂身のバランスがよく、ジューシーな仕上がり。食欲をそそる香ばしさがクセになる一品だ。チャーシュー専用の柚子醤油ダレや大根おろしを入れることで、さっぱりと食べやすくなっている。
店頭では缶バッジやマグカップ、韓国アパレルとのコラボTシャツといったグッズを販売 / AFURI
週末は朝5時まで通し営業。夜中には締めの一杯を求める客も多い / AFURI
「道玄坂店」の新しい取り組みとしてアルコール類を充実させ、つまみメニューを出すため、飲みにも使える一軒となっている。特にクラフトビールに力を入れ、その数も徐々に増やしていく予定だ。チャーシューや煮玉子などが入る「極み」(1590円)、「人気三種」(890円)は同店をはじめ、一部店舗限定のおつまみメニューもあるので要チェック!
店は道玄坂の途中にあり、渋谷駅からだと徒歩8分ほど / AFURI
■AFURI 渋谷道玄坂
住所:東京都渋谷区道玄坂1-19-12 ReRaiMa渋谷道玄坂1階/電話:03-6416-3978/営業時間:月〜木・日曜11時~23時(LO22時30分)、金・土曜11時~翌5時(LO4時30分)/定休日:なし/支払い方法:クレジット、交通系ICほか
■【代官山】大阪の行列店“人類”の一杯を東京でも!「人類みな麺類 東京本店」
大阪に本店を構える行列店「人類みな麺類」の東京初進出店であり、今なお人気を集める「人類みな麺類 東京本店」。「人類みな麺類」のほかにも、「くそオヤジ最後のひとふり」、「世界一暇なラーメン屋」といったラーメンブランドを展開。店ごとに異なる多彩なラーメンを提供し、それぞれが確かな味で多くの麺ツウを唸らせている。グループ全体では関西や関東、そして中国、パラオなど海外にまで店舗を広げる、今まさに勢いのあるラーメン店だ。
「らーめんmacro」焼豚1枚のせ(薄+煮玉子)(1100円)。「替え玉」(170円)もある / 人類
メニュー名の「macro」をはじめ、“ミスチル”に関するものが随所に / 人類
「東京本店」では“人類”の原点となる「醤油らーめん」を提供。「原点」、「micro」、「macro」の3種類あり、それぞれ異なる元ダレ(カエシ)を使い、同じ醤油でも全く違った味わいが楽しめる。中でも一番人気の「らーめんmacro」で、鶏ガラスープに数種類の貝と淡口醤油を合わせた元ダレを使ったもの。あっさりと飲みやすいが、鶏のコクと元ダレから溢れる魚介の風味がしっかりと効いている。
店長の石坂さん。スタッフがオリジナルTシャツでお出迎え / 人類
麺は自家製で、太めの全粒粉。小麦の香りが強く、もちもちとした食感とみずみずしさがあり、喉越しも抜群と完成度はかなり高い。スープとよく絡み、鶏や魚介の旨味もしっかりと口に運んでくれる。
厨房に据えた圧力鍋と蒸し器で作るチャーシュー / 人類
ラーメンは「焼豚1枚のせ(薄)」(1100円)、「焼豚1枚のせ(厚)」(1200円)、「焼豚2枚のせ(厚)」(1400円)とあり、チャーシューの枚数、種類が選べる。
自慢のチャーシューは豚バラ肉を圧力鍋と蒸し器を使ってじっくり調理。驚くほどのホロホロ食感で、特製ダレの味がじゅわりと染み出るジューシー感もたまらない仕上がりだ。(薄)でも3センチほどの大きさでカットし、(厚)になるとその倍ほどにもなるのだとか。
「恵比寿餃子」(単品350円)。味付きなので、タレなしでそのまま食べられる / 人類
「豚丼」(単品300円)や「ごはん」(単品130円)、同店限定の「恵比寿餃子」をはじめとするサイドメニューもそろう。それぞれラーメンに+220円(ごはんは+110円)で注文できるお得なランチセットも用意(〜15時)。
社長の影響でBGMはミスチルのライブ映像。“ミスチルを聞き食べてこそ人類ラーメンの完成!” / 人類
行列も多いが、オープン直後や昼過ぎなどピーク時をずらせばスムーズに入れる / 人類
■人類みな麺類 東京本店
住所:東京都渋谷区恵比寿西2-10-3 プラネックスアンペール1階/電話:なし/営業時間:11時〜23時30分、土・日曜・祝日10時〜23時30分(LO各23時15分)※チャーシューがなくなり次第終了/定休日:なし/支払い方法:現金のみ
■【中目黒】ピリ辛の和山椒がクセに!旨味を詰め込んだ絶品担々麺「台湾水餃LAOLEE 東京中目黒店」
2025年3月、中目黒にオープンした「台湾水餃LAOLEE 東京中目黒店」は、長崎県で人気の中華料理店「老李」グループの新店。台湾出身の李明さんが開業し、現在は2代目の李宗賢さんがその想いを受け継ぎ、創業以来40年以上愛される本場台湾の味を守り続けている。
「老李(ラオリー)和山椒担々麺」(1600円) / LAOLEE
麺メニューは7種類の担々麺が用意されているが、その中でまず食べてほしいのが「老李和山椒担々麺」。鶏ガラを主体にカツオ節や薬味、野菜で作るスープに、ツーマージャンや味噌、バターピーナッツ、自家製の海老ラー油といった20種類以上の調味料を加えた一杯。海老の風味、鶏ガラのコク、まろやかなバターピーナッツ、味の決め手となるピリ辛の和山椒をはじめ、それぞれの味わいが絶妙なバランスで溶け込み、ただ辛いだけではなく、濃厚でクリーミーな旨味に仕上がっている。
大阪の和山椒「石臼焼朝倉粉山椒」のほか、「難心小辣椒」をはじめとするスパイスの一部は台湾から取り寄せるなど素材選びにも一切の妥協なし。風味や上品な香りを基準によりよいものを吟味している。
海老ダシを加えた秘伝の肉味噌を入れるため、旨味はより強くなる / LAOLEE
麺はスープとの絡みを重視した特注のストレートで、小麦の風味や食感、喉越しが抜群にいい。プリプリの海老、シャキシャキのチンゲンサイなどのトッピングは食感がよく、アクセントになっている。
通常の辛さ「普通」は辛いものが苦手な人でも食べやすいので安心。「小辛」(無料)、「中辛」(100円)、「大辛」(150円)、「悪魔の激辛」(300円)の4段階の辛さ追加もOK。好みで変更してみるのもおすすめだ。
「元祖台湾肉汁水餃子」(3個430円、セット400円) / LAOLEE
伝統の味を受け継ぐ2代目・李宗賢さんが厨房に立つ / LAOLEE
台湾料理の代表格として知られる水餃子は、同店の看板メニューのひとつ。小籠包のように皮は小麦粉を独自にブレンドし、ひと晩熟成と2度練りをさせるため、ぷるんともちもちの食感に。餡には旨味と甘みが強い雲仙産「無菌芳寿豚」や島原で育ったショウガ、タマネギと長崎県産の食材をふんだんに使う。ニンニクやニラは不使用で、臭いを気にせず食べられるのもうれしいポイント。
ワインや焼酎といった酒類も豊富。おまかせコース(8000円〜)もあり、飲み会にもおすすめ / LAOLEE
中目黒駅から徒歩約2分の場所にあり、アクセス抜群 / LAOLEE
■台湾水餃LAOLEE 東京中目黒店
住所:東京都目黒区上目黒1-13-6 Mieux中目黒1階/電話:03-6416-4693/営業時間:月〜金曜11時30分〜15時、17時30分〜22時30分、土・日曜・祝日11時30分〜15時、17時30分〜20時30分(各LO)/定休日:なし/支払い方法:現金、クレジット、交通系ICほか
■【白楽】これぞ横浜家系王道の味!吉村家直系「ラーメン末廣家」の本格豚骨醤油
横浜エリアで外せないのが、やはり家系ラーメン。今や全国各地に店舗があり、日本のラーメン文化を語るうえで欠かせない存在となっている。その中でも「ラーメン末廣家」は家系の総本山「吉村家」の伝統を色濃く受け継いだ直系店。店主が吉村氏から直々に学んだ“王道の味”は、ぜひすすっておきたい!
「チャーシューメン」(1250円)。トッピングで「のり」(200円)をプラス / ラーメン末廣家
一番人気は「チャーシューメン」。チャーシューの存在感も気になるが、まずは豚骨醤油スープからひと口。豚の生ガラを長時間じっくりと炊き、強い旨味を出すのがこだわり。醤油、豚骨、鶏油が3層に分離した一杯は、食べ進めるごとに違った旨さが堪能できる。
店主の末廣良信さん。家系本家の味を受け継ぐレジェンドのひとり / ラーメン末廣家
豚骨を大量に積み上げ、常に炊き続けることで濃厚なスープを作る / ラーメン末廣家
麺は家系の証とも言える「酒井製麺」の「吉村家直系特注麺」を使う。ガツンとした濃厚スープの中でも存在感が消えない独特の食感が印象的。
「のり」や「ほうれん草」などのトッピングも多く、十分なボリュームから食後の満足感が高い。食材はすべて国産ものを使うなど、旨さを追求し続けるのも“吉村イズム”を受け継いだ証だろう。「ほうれん草」(300円)といった各種トッピングの追加も用意。
チャーシュー用の特注釜は1台あたり60キログラム以上焼ける。テイクアウトは事前予約制※公式Xを要確認 / ラーメン末廣家
チャーシューの旨さにも定評があり、「チャーシューメン」のオーダー率の高さや丸ごと1本テイクアウトする人も多いことから、毎朝60〜120キロを焼き上げている。
素材はサシの入った国産の上質な豚モモ肉。繊細な火加減で調理され、ラーメンにのせた瞬間にスープの熱で完成するのが特徴だ。完成したチャーシューは肉本来の味わいが最大限に活かされ、噛むと脂身がとろけ、香ばしさが口中に広がる。
「釜焼きチャーシュー飯」(450円) / ラーメン末廣家
ラーメン以外にも「釜焼きチャーシュー飯」でもチャーシューを存分に堪能できる。角切りされたチャーシューにニンニク風味の特製ダレとマヨネーズがたっぷりとかかる。
店主と奥様、娘さん、息子さんが厨房に立つ、家系では珍しい家族経営。まさにアットホームな店だ / ラーメン末廣家
昼時などのピーク時以外も大勢の人で賑わう。来店時は行列覚悟で! / ラーメン末廣家
■ラーメン末廣家
住所:神奈川県横浜市神奈川区六角橋1-14-7/電話:045-642-3400/営業時間:11時〜21時(LO)※麺がなくなり次第終了/定休日:日・月曜(不定休あり※公式Xを要確認)/支払い方法:現金のみ
■【横浜】関西の人気店が神奈川初上陸!まろやかな“泡系”鶏白湯に舌鼓み「鶏soba座銀 横浜西口店」
「大切な人を連れて行きたい店」をコンセプトに、落ち着いた雰囲気の中で唯一無二のラーメンが堪能できる「鶏soba座銀 横浜西口店」。大阪の本店はグルメサイトでも高評価を受ける行列必至の人気店だが、2025年4月にオープンした同店でも、上質な空間とラーメンのクオリティはそのままに体感できる。
「特製鶏soba」(1400円) / 鶏soba座銀
看板メニューの「鶏soba」は厳選した国産鶏だけを使用し、まろやかさにこだわった鶏白湯ラーメン。白濁スープからは濃厚な鶏のコクと旨味が強く感じられ、まるでポタージュのようなクリーミーな口当たりが特徴となっている。
店内は清潔感があり、スタッフの丁寧な接客も相まって心地よく食事できる / 鶏soba座銀
鶏に加え、魚介をプラスしたダブルスープで飲みやすく豊潤な味わいを演出。「座銀がえし」と呼ばれる秘伝のタレが、自慢のスープの風味をさらに引き出す名脇役に。盛り付け前にスープと鶏油を乳化させ、泡立てることでクリーミーな口当たりの一杯に生まれ変わる。
ブレンダーで泡立てることで、まろやかさは段違いに。最後の一滴まで豊潤な味わいが続く / 鶏soba座銀
食感が良く、喉越しも爽快な多加水ストレート麺を採用 / 鶏soba座銀
おすすめの「特製鶏soba」はジューシーな豚、低温調理した鶏、しっとり仕上げた鴨と3種類のチャーシューを乗せた豪華仕様で食べ応え満点。ごぼうの素揚げのトッピングは「座銀」の代名詞として知られ、見た目だけでなくサクッと心地よい食感のアクセントを加えてくれる。
名物の「肉寿司」(390円) / 鶏soba座銀
「鶏soba炙り肉寿司セット」(1390円)など各種ラーメンとのセットメニューを用意 / 鶏soba座銀
サイドメニューとしては珍しい本格的な味わいが楽しめる「肉寿司」も、ぜひラーメンと一緒に堪能してほしい一品。牛肉は赤身と脂身のバランスがよい部位「ブリスケ」(肩バラ肉の一部)を使い、炙りで香ばしく仕上げる。各種ラーメンとのセットもあり、濃厚な鶏白湯とさっぱりとした肉寿司は相性が抜群だ。
黒を基調としたシックでモダンな店内。店内はカウンターがメインで1人でも行きやすい / 鶏soba座銀
店は横浜駅西口を出て歩いて5分ほど、多くの飲食店が軒を連ねる繁華街に店を構える / 鶏soba座銀
■鶏soba座銀 横浜西口店
住所:神奈川県横浜市西区南幸2-5-9 浜一南幸ビル1階/電話:045-594-8965/営業時間:11時30分~15時、18時~22時/定休日:なし/支払い方法:現金、クレジット、交通系ICほか
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