【ネコ漫画】猫と人間の立場が逆転し「SNSで排泄シーンを紹介」される主人公の絶体絶命ストーリーの結末は？【作者に聞く】

気が付けば主人公は牢屋に捕らえられ、「野良人間」と呼ばれながら処刑の日取りを相談されていた。何が起きたのかはわからないが、絶体絶命の状況だけは理解できた。

必死に「俺は処刑される理由なんてない！」と抗議するも、周囲からは「子猫たちに病気がうつったら大変」「野良人間は法律で処刑と決められている」と突き放される。どうやら主人公は異世界に転生しており、しかもそこでは猫と人間の立場が逆転。現実世界で野良猫が殺処分されるように、この世界では野良人間が殺処分の対象になっているらしい。

本作を手がけたのは、猫好きの漫画家・新田せん(@nittasen)さん。猫語翻訳アプリを題材にした作品も手掛けたことがあり、SNSでも推し猫を数多く紹介しているクリエイターだ。

この異色な世界観は、新田さんがSNS上で見かけた猫たちの姿から着想を得たという。トイレ中や、ニャンタマ(笑)といった恥ずかしい瞬間を撮られている猫たちを見ながら、「もし人間だったら恥ずかしいだろうな」と発想を逆転させたのだ。

また、物語のカギとなる女王様のキャラクターについて、幼い頃から帝王学で「残酷であれ」と育てられたものの、人情(猫情？)が邪魔して冷酷になりきれず、どこか抜けたかわいらしさを持ち合わせた存在になっていると新田さんは語る。

主人公の今後について続編の予定はないとしつつも、「牢屋でもマイペースに幸せに暮らしていくだろう」と新田さんは微笑む。きっとどこでもたくましく生きていくに違いない。

ちなみに異世界には「チンスタ」というSNSも存在しており、女王様は野良人間たちの恥ずかしい姿をせっせと撮影しては投稿し、全世界に拡散していた。よく考えれば、私たちも猫たちの寝顔やトイレ姿を嬉々として配信しているが、もし立場が逆だったら…。この作品は、そんな視点の逆転を突きつけてくる。猫好きの人は、ぜひ自分が逆の立場に立ったつもりで読んでみてほしい。



取材協力：新田せん(@nittasen)