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三日坊主で"続かない女”が「乗馬&競馬」にドハマり!馬の魅力が満載のコミックエッセイが「癒やされる」と話題【作者に聞く】

  • 2024年5月23日
  • Walkerplus

趣味として始めた乗馬でさまざまな馬と出合い、馬に興味がない読者も満足させる知識や情報を盛り込んだコミックエッセイをX(旧Twitter)で発信をしている小村ことみ(@komurakot)さん。馬のイラストが美しく、作者の馬への愛と、個性豊かな一頭一頭の魅力に「癒やされる!」と話題になっている。今回はそんな彼女に、乗馬や競馬の魅力、エッセイ漫画を始めたきっかけについて直撃!

■「自分にしかできない趣味をつくりたくて」乗馬にハマったきっかけとは?
「付き合っている方の趣味が乗馬で、ちょっとかっこいいし体験してみようかなと。安直ですよね(笑)」と、乗馬を始めたきっかけを語ることみさん。それまでは漫画やゲームといったインドアな趣味ばかりで、「自分にはこれができるぞ!」という趣味をつくりたくて乗馬に挑戦してみることに。

やはり最初に馬に乗ったときは怖かったという。「馬って乗ってみると自分の視点が2メートルぐらいになるんです。それでまずは怖いって感じたのが正直なところで、怖い生き物だな〜、何するかわからないな〜とちょっとパニックになりそうでした」とことみさん。それでも乗っているうちに気持ちが変わっていったそう。

「日なたに馬が差し掛かると、ひなたぼっこがしたくてピタって止まったりするんですよ。『人間の指示なんて聞きたくないな』みたいな感じで。そうするとぽかぽかして気持ちいいし、馬の体も暖かいし。そこで、『あ、なんか動物に乗るのっていいな』と感じました」。そこからはどんどん乗馬にハマっていったと、ことみさんは振り返ってくれた。

乗馬にハマる前にも、キックボクシングやボルダリングなどの体を動かす趣味にチャレンジはしていたが、1人でひたすら打ち込む系の趣味は、どうしてもモチベーションが続かず、三日坊主になっていたという。

「乗馬でも、最初は予約を取っても『ちょっと遠いし、面倒くさいな』なんて思っていましたが(笑)、だんだん続けるうちに、主体的に馬に会いに行きたいなっていう気持ちになれました。私が生き物を飼ったりしたことがなかったので、動物と触れ合うことに対する憧れみたいなものが漠然とずっとあったんですね。それが大きな原動力になったのかなと思います」

■人間の心がわかるような馬と出合えるのも乗馬の魅力
乗馬を始めて自分自身に変化はあったのかを問うと、「始めて2年ぐらいでまだまだ初心者なんですが、何事もなかなか続かなかった私に、ようやく『これはできるぞ!』って言えるものができ始めたかなというか。自分にもできるものがあるんだと自信になっています」と誇らしげに語ってくれたことみさん。

ことみさんは、馬とのコミュニケーションでは「全方向に気を張ることが大事」と言います。「馬は基本的に怖がりで穏やかな動物なんですが、だからこそ反射的に噛んじゃったりとか、足で蹴っちゃったりとか、悪気がなくてもしちゃうことがあるんです。だから鞍を乗せるとき、足にプロテクターを付けるときなどは、必ず馬に声をかけてあげることが大事なんです」

馬は決して機械ではない。生き物として優しくコミュニケーションを取るように常に気をつけいるそうだ。

乗馬で心に残っているエピソードを聞くと、駈歩(かけあし)を練習するレッスンに初めて参加したときが忘れられないそうだ。「パカラッパカラッと、馬らしい走り方をするレッスンなのですが、馬の後ろ足がピョンってなって、乗っている私が悲鳴をあげちゃいまして……。馬がびっくりするので悲鳴はご法度なので、こんな私が馬に乗っていていいのかななんて心が折れかけました」と明かしてくれた。

しかし次の駈歩のレッスンでおじいちゃん馬に乗った際は、「すごいゆったりゆったり歩いてくれて。合図を出すと、だんだん伝わって、最終的にゆっくり駈歩をしてくれたんです。すごく自分に合っているなという馬と出合えて、そのあとにおじいちゃん馬のことが好きになってしまいました」

このほかにも、あることですごく落ち込んでいたことみさんが、泣きながら馬にニンジンをあげにいった際のエピソードもあげてくれた。「普段ならニンジンをあげ終わるとすぐにどこかに行ってしまうのですが、その時だけは顔を近づけてくれて、寄り添ってくれたんです。あれは本当に癒やされました。後日ちょっと泣き真似しながらその馬の前に行ってみたんですが、やっぱりフイッと行っちゃったんです(笑)」

馬と乗馬の魅力について伺うと、「今までの人生で体験してないことができているなというのがすごくうれしい。生き物に愛や敬意を持って一緒に過ごしていけるのは素晴らしいなと思います。また、乗馬は私も始めるまではお金持ちのスポーツでしょとか、私なんかできるわけないっていう気持ちが強かったんです。なので、まずは触れ合ってみるとか、それこそ競馬が入り口でも全然いいと思うし、引退した馬を見に行ったり、そんなきっかけでいいので、まずは気軽に乗馬クラブに行ってみてほしいですね」と、乗馬に興味がある方へのメッセージも贈ってくれた。

■騎手のすごさや馬の筋肉の美しさも競馬の見どころ!
コミックエッセイのなかには、競馬の楽しさや魅力を伝える漫画も。「レース自体はテレビを付けるとやってたりして、『あ、馬が走ってる』と気にはなっていたんです。そこから彼が競馬をやっていたので見始めました」

そこで「馬ってやっぱりかっこいいな」とあらためて思ったことが、ことみさんが競馬に興味を抱いたきっかけだ。

今注目している馬を聞くと、「この間、アメリカでケンタッキーダービーという大きいレースがありまして、フォーエバーヤングという馬が3着になったんです!このレースでの日本馬の最高は6着だったので大健闘ですよね。最後の直線でフォーエバーヤングがグワーっと上がってきて、3頭ほぼ並んでゴールインした姿には胸が熱くなりました」と、興奮気味に教えてくれた。

また、「ビアメントブラストという自分の乗馬クラブの馬の孫もレースに出ていて、なかなか勝てていないんですが、追いかけたいなと思っています」と、乗馬クラブに通う人ならではの楽しみ方も教えてくれた。

「私が馬に乗り始める前は、『あー馬ってすごい早いな』とか思いながら競馬を見ていたんですけど、乗ってから見ると、馬にあんな体勢で乗れるんだとか、あんなにスピードを出しているのに体勢崩さないんだとか、騎手のすごさを感じるようになりました。あとは競走馬ってすごいムキムキだなとか、馬の筋肉にも注目しちゃいますね」と、自分が馬に乗ることによって、競馬の見方も変わったということみさん。競馬を見る際には、騎手の姿勢や馬の筋肉に注目するとより楽しめるかもしれない。

■障害馬術への挑戦や競馬初心者の方へ向けた作品も発信したい
“馬愛”が伝わってくることみさんに、コミックエッセイや馬のイラストをSNSで発信するきっかけを尋ねた。「先ほども述べたのですが、もともと漫画とかゲームが好きな性分だったので、自分でもオリジナルの何かを発信してみたいっていう気持ちがずっとあったんですね。それで一番身近な題材としたら自分かなと思って」

SNSでの発信も、最初は日常をテーマにした漫画を書いていたが、徐々に一番書きたい馬のことにシフトしていったとか。また、ことみさんのコミックエッセイは、馬の豊かな表情や愛らしさが見事に描かれているのも魅力のひとつだ。「小さいころから絵を描いたり、ノートに書いて友達に見せてとか、そういう形で発信はしていました。馬を描く際は、馬の写真をたくさん撮影して、目や顔の大きさ、体がごつごつしているだとか、なるべくそういう違いがわかるように描くことは考えています」

最後に、今後どのような作品を発信していきたいかを聞いてみると、「ゆくゆくは障害馬術という競技に挑戦したいなと思っていて。そういったことに興味を持ってもらえるような、そこに挑むさまざまな過程を発信できたらいいですね」と答えてくれた。

また、競馬がちょっと気になるけど、どう始めたらいいかな、どう楽しんだらいいかなという方に向けて“競馬入門”のような作品も発信していきたいとも。「競馬場の回り方とか、最初は名前で馬を決めて馬券を買ってもいいだとか、初心者に向けた気軽なハウツー作品ですね。私が思っているよりも女性や若い方が競馬場にはたくさんいらっしゃいますし、女性専用の休憩スペースやオシャレなカフェスペースもあったりして、『意外とハードル低いんですよ』ということを伝えていけたら」

乗馬というニッチな題材ながら、かわいいイラストや初心者から始めたエッセイならではの失敗談、感動エピソードを交え、より読者の間口を広げた読みやすい作品になっている。馬好きはもちろん、乗馬や競馬を始めてみたいという方にも刺さる漫画がたくさんあるので、ぜひチェックしてみて。

取材・文=日高ケータ

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