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これ1冊で宇宙の“今”がわかる!「宇宙兄弟公式コミックガイド」はもはや宇宙開発の入門書レベル

  • 2024年4月4日
  • Walkerplus

人類が最後に月に降り立った年を、あなたは知っているだろうか。NASAの「アポロ計画」によって、アポロ17号の船長であるユージン・サーナンが月面を歩いたのが1972年。それから約50年間、ひとりも月に降り立っていないのだ。

人類はもう月へ向かうことを諦めてしまったのだろうか。実は、私たちが日々生活を送っている間に宇宙開発を目指す人々がいる。「宇宙兄弟公式コミックガイド 人はなぜ月を目指すのか!?〜宇宙開発最新ルポ~」(小山宙哉:原作/講談社)は、人類が再び月にたどり着く日が近いと思わせてくれる、ロマンとわくわくを感じられる一冊だ。
※2024年2月22日掲載、ダ・ヴィンチWebの転載記事です。

本書は、宇宙開発についてのさまざまな最新情報が紹介されている。X(旧Twitter)を買収したニュースが記憶に新しいイーロン・マスクは、なんと世界で一番多くロケットを打ち上げている。ほかにもジェフ・ベゾスやリチャード・ブランソンなど、世界の大富豪が宇宙開発に乗り出しているのだ。

しかし、日本だって負けていない。「ispace」や「トヨタ自動車」などの民間企業が、急速に宇宙開発を進めている。本書は、「宇宙兄弟」のファン向けの公式コミックガイドであると同時に、宇宙開発の“今”を知りたい子どもたちが興味津々で読み進められるような、宇宙開発の入門書の働きをしている。ロケットなどの実際の写真によって、ビジュアル面からも宇宙を感じられるのが楽しく、ページをめくることを飽きさせない。

加えて、JAXAが行った宇宙飛行士候補者選抜試験で合格した諏訪理さんと米田あゆさんのインタビューが掲載されている。宇宙飛行士を目指すようになった経緯や選抜試験のリアルな体験談など、ほかでは聞けない貴重なインタビューだ。ボリュームもたっぷりで、とても読みごたえのある内容となっている。

インタビューで2人は協調性の重要さを語っている。宇宙飛行士候補者選抜試験の最後に閉鎖された空間で大人10人が6日間過ごす閉鎖環境試験があり、チームワークを問われるのだ。極限の環境のはずなのに、楽しかったと口をそろえて語っているところは刮目すべき点のひとつ。それを体験した者でなければ語ることのできない説得力のある言葉から読み取れることは、どんな状況でも楽しむ姿勢を忘れないことこそが夢を叶えるために必要不可欠なのだということだ。

また、2人が試験でコミュニケーションを取ったエピソードから、お互いに尊敬し合っている様子が読み取れる。仲間の意見を尊重するという、人として大事なことも学べるのだ。「宇宙飛行士に大事な資質は?」という宇宙飛行士を目指す人が最も聞きたい質問にも答えており、夢へ近づくためにも有益なインタビューとなっていると言えるだろう。

本書では宇宙開発の情報だけでなく、標題にもなっている「宇宙兄弟」についても多くを知ることができる。随所にはさまれる漫画のコマは、原作を読んでいる人ならあのシーンだ! と思い出して楽しめるだろう。「宇宙兄弟」は40巻を超える長編漫画だ。コミックガイドでこれまでのストーリーをおさらいできるため、最新刊が発売する前に読むことをおすすめしたい。そして、折々での振り返りや確認にも最適だ。

「宇宙兄弟」が好きな人はもちろん、宇宙そのもの……月や惑星に興味がある人にも読んでほしい。本書に込められた宇宙に懸ける情熱は、いつしかあなたをヒビトとムッタのように“なにか”に挑戦したくさせているだろう。それは果てなき宇宙への夢、それとも身近なものへの小さな挑戦かもしれない。しかし、どんなことでも、あなたの背中を本書は押してくれるに違いない。

文=ネゴト/まわる まがり

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