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国際コーヒーの日をきっかけに思いを馳せる“コーヒーの未来”

  • 2023年9月30日
  • Walkerplus

普段何気なく飲んでいる一杯のコーヒー。世界で1年に飲まれるコーヒーは約5000億杯だとか。このコーヒーはどのように私たちのもとに届くのだろう。

10月1日の「国際コーヒーの日」をそんなことを考えるきっかけにしてほしいと、スターバックスが9月27日から2週間、「COFFEE fun WEEK」と題したキャンペーンを展開している。そこで、スターバックスの中でも特にコーヒーに精通しているコーヒースペシャリストとコーヒーアンバサダーのふたりに聞いた、コーヒーの向こう側に広がるストーリーを紹介する。

■エシカルな調達のために私たちができること
コーヒー豆のほとんどは、コーヒーベルトとよばれる赤道地帯で栽培されている。生産国は約70か国あり、品種は大きく分けてアラビカ種とロブスタ種の2種類。スターバックスでは、標高が高く昼夜の寒暖差を利用して栽培されるアラビカ種のみを利用している。

「アラビカ種は生産地の風味が出やすいのが特徴です。ラテンアメリカ産ならナッツっぽさ、アフリカ産ならフルーティ、アジア/太平洋産ならどっしり。一方でロブスタ種より手間がかかり、病虫害や暑さに弱いという特徴があります」と語るのは、スターバックスのコーヒースペシャリスト・若林 茜さん。コーヒースペシャリストとは、日本のスターバックスの中でたった5人しかいない、特別な存在。バリスタが挑戦するブラックエプロンの試験の作成や、コーヒーと合うフードの開発などを行っている。

おいしいコーヒーを届けるためには持続可能な生産を続けることが大切だ。しかし、「気候変動により気温が高くなるなどの影響で、アラビカ種の栽培に適した土地が2050年には半減するといわれています」と、若林さん。

その対策のためスターバックスではコスタリカにある自社農園「ハシエンダ アルサシア」を拠点に、農学者が気候変動やさび病(コーヒーの葉のかび菌が原因の病気)に耐えうる品種の開発、環境負荷の観点から水を減らした栽培の方法など、継続的に研究。生産者を支援するためにハシエンダ アルサシアをはじめ、世界10か国に設置しているファーマーサポートセンターを通じてその情報を無償で提供している。

若林さんは昨年12月に実際に現地を訪れた際、「私は2050年問題を悲観的に見ているわけではない」という農学者の言葉が印象に残っていると語る。
「その方は、こうした研究などの努力をしっかり続けて、活動を世界中に広げていけるなら、必ず未来につながっていくとおっしゃっていました。ハシエンダ アルサシアの取り組みがファーマーサポートセンターを通じて、その先にいる生産者に届けられ、サステナブルなコーヒーの未来を作っていきたいと強く思いました」

■生産者と一緒に歩む改善プログラムC.A.F.E. プラクティス

スターバックスでは約30か国の生産地・45万人の生産者からコーヒー豆を購入しているが、小規模農家が多い生産者を守るためC.A.F.E. プラクティスという購買ガイドラインを作り、生産者とともにコーヒーの未来を考えている。
「生産地から日本に届いた豆は工場で焙煎され(※)、スターバックスの店舗に届き、私たちがコーヒーをいれてお客様に届けています。生産地の方々は情熱をかけて栽培し、生計を立てているので、継続して購入いただけるようビジネスとしてもおいしいコーヒーを届けられる仕組みが必要なんです」(※)一部米国で焙煎しているコーヒーもあります。

若林さんによると、C.A.F.E. プラクティスはスターバックスが国際環境NGOのコンサベーション・インターナショナルとともに開発し、第三者機関に認定されたサステナビリティ基準。
「大きく分けて品質基準、経済的な透明性、社会的責任、環境面でのリーダーシップという4つの項目があり、チェックリストの項目は200に上ります。1~2年に1回、第三者機関が現地で査定しますが、点数化することで足りない点について一緒に歩んで改善していくプログラムであることが特徴です」
児童労働の禁止や適正な価格が生産者に支払われているか、森林保護をしているかなどを細かくチェックしているという。

しかし200項目もあるガイドラインを進めることはたやすいことではない。
「現地の関係者はC.A.F.E. プラクティスに一番大切なものは“トラスト”(信頼)だと教えてくれました。確実に一緒によりよい未来を目指すためには信頼関係を作るのが何よりも大事。つながりのなかにおいしいコーヒーがあるとあらためて考えさせられました」

驚くのは、C.A.F.E. プラクティスは広く開かれたシステムだということ。
「世界で生産されたアラビカ種のコーヒーのうち、C.A.F.E. プラクティスに参加する農園の生産割合は約14%。私たちが実際に購入しているのは3~5%。私たちが購買するためだけに取り組んでいるのではなく、よりよいサステナブルなコーヒーの未来を作っていくためのガイドラインです」
2017~2021年の間に、C.A.F.E. プラクティスを通じて利益を得た労働者数は18%増加し、保護された森林の広さは香川県の面積と同じくらいの17万7391ヘクタール(2021年)。参加農園は継続的に増えているそうだ。

■農園を訪ねて気づいた、おいしいコーヒーをいれることの大切さ

若林さんとともにハシエンダ アルサシア農園に足を運び、バリスタの役割をあらためて考えさせられたというのは、コーヒーアンバサダーの斉藤有加さん。コーヒーアンバサダーとは2年に1度開催される社内競技会「コーヒー アンバサダーカップ」を勝ち抜いたブラックエプロンのバリスタに贈られる称号で、約2年間、社内外でコーヒーの啓発活動を行う。斉藤さんは2021年に中日本リージョンのコーヒーアンバサダーに就任。来店客やパートナー(従業員)にコーヒーの深い知識をわかりやすく楽しく知ってもらいたいという想いで活動してきた。

一方で、現地を視察したことで、一杯のコーヒーをお客様に提供することの責任の大きさをあらためて実感したと語る。
「生産者の方々がとてもクオリティにこだわって栽培しています。なぜなら、おいしい豆ができることが、来年、再来年の生産につながるからです。そのコーヒー豆で私たちがおいしくコーヒーをいれられなければ、これだけクオリティにこだわって作ってくださってもおいしくなくなってしまう。そこにすごく責任を感じています」

スターバックスが取引するコーヒー生産者数は約45万人。一杯のコーヒーが“おいしい”という感動体験、それこそが生産者の幸せな未来をつないでいくと確信した斉藤さん。
「まずはパートナーがコーヒーをおいしいと思うことで、お客様にもそのおいしさを伝えたいと思ってもらえる。これまで以上に、パートナーにもコーヒーを飲む機会をたくさん作るようになりました。コロナ禍が落ち着いたので、これからはお客様へコーヒーのおいしさを伝える機会も意識して作っていきたいです」と語った。

コーヒーの向こうに広がるストーリーに思いを馳せたい、国際コーヒーの日。スターバックスの「COFFEE fun WEEK」では、チョークボードアートの名手であるGAHAKUと呼ばれるパートナーが描いたアートや、記念日の日付にちなんだ「1001」をかたどったメガネをかけたパートナーがお客をお出迎え。10月1日は全国のスターバックス(一部店舗を除く)でコーヒーのテイスティングを行うほか、一部の店舗ではサンプルのコーヒー豆の配布なども行われる。コーヒーの未来を考えるきっかけに、訪れるのもおすすめだ。

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