
まるさん(@shishishishimr)は、フリーデザイナーの仕事に加えてパートでも奮闘するシングルマザー。彼女のコミックエッセイ「シンママのはじめて育児は自閉症の子でした」は、自閉症と軽度知的障害をもつ息子・リュウ君との日常が描かれている。
初めての育児に忙しい毎日を送るある日、幼い息子が発達障害である可能性を指摘される。息子の成長への不安や戸惑い、悩みがあふれ出す。だが、そんな親の苦しみをよそに、息子はゆっくりと確かに成長していく…。
SNSでも話題となっている本作から一部を抜粋・編集し、まるさんのインタビューとともにお届けする。今回は、大変だった3歳児健診のエピソードを紹介する。
まるさんの元へ、リュウくんの3歳児健診の案内が届いた。
開けてみると、まだオムツなのに検尿をしたり、家で事前に視力検査を行ったりするなど、最難関と思えるものばかり。行く前から不安になるまるさんだったが、「発達障害だとわかっているわけだから、何とかなる」と健診場所へ向かう。
当日のリュウくんは落ち着きがなく、すぐフラフラと逃げ去ってしまう。それをまるさんが捕まえ、リュウくんがまた逃げるの繰り返し。疲れ果てたまるさんが最後の面談で渡されたのは、すでに連絡したことがある発達支援センターの電話番号だった…。
そんな健診から半年ほど経ち、少し成長が見えてきたリュウくん。まるさんは早くも次の就学時健診に思いを巡らせる。
■振り回されて終わった3歳児健診
そのころの心境を、まるさんは語る。「3歳児健診の詳細な内容を、資料が届いて初めて知りました。住んでいる同じ市に情報交換できるママ友がいなかったので。ネットなどで前もって調べることも特にしていませんでした」
健診当日は、癇癪などは特になかったのでその辺はよかったという。「ただ、じっとしていられず動き回ってしまうことだけが困りごとでした。保健師さんや診察の先生と落ち着いて話すこともできないし、順番に並んでいてもすぐフラフラと抜け出してしまい、それを静止するとすごい力で反抗したり、床に寝っ転がったり、怒ったり…で振り回されている感じでしたね」
健診から半年経った今は、「(健診当日のころと比べて)言葉や感情の表現がかなり増えたのと、声かけや身振り手振りで本人に伝わることが増えたと思います!いまだにじっと待つことはできないし、会話もできませんが、当時に比べて『イヤー!』としっかりとした拒否を示したり、『ここに座って』の声かけで座りにきたり。といっても、座ってもすぐに立ち上がって動き出しちゃったり、わかっていても聞こえてないフリをしていることの方が多いんですけどね」
就学時健診のころ、リュウくんはどんな成長を見せているだろうか。