
家族との出来事を中心に、日常を漫画にしているおーちゃん(@ohchan_65)さん。孫の成長の喜びや微笑ましい場面などたくさんの投稿の中から、今回はおーちゃんさんの長女が結婚するまでを描いた漫画「わが子が恋をしたとき」を紹介する。
大人になればなるほど、親にとっても子にとっても、恋愛の話は気を遣って話しにくくなるもの。そんなとき、親はどんな気持ちで子供を見守ってくれているのだろうか。おーちゃんさんに漫画を描いたきっかけや、描くときに気を付けていることなどを聞いてみた。
■長女に教わったお絵描き機能で始めた漫画は「ひたむきに生きる娘への応援メッセージ」
大学生になった長女が恋をした。しかし、付き合うようになった男性は、親から見ると娘を大切にしてくれる人ではなかった。複雑な思いを抱えながらも、母親は自分の人生を歩む娘を見守っていく。「わが子が恋をしたとき」は、大学生から社会人となったおーちゃんさんの長女の恋愛や仕事、そして結婚までを、親の目線で描いている。
30代の娘2人と20代の息子、小3の孫を持つ50代のおーちゃんさん。実は漫画を描き始めたのは最近になってからだそう。「わが子が恋をしたとき」を描こうと思ったきっかけは何だったのだろうか。
「絵を描き始めたのは、4年前に長女からスマホのお絵描き機能を教わり、次女がインスタのアカウントを作って投稿してくれたのがきっかけでした。最初は自分のイラストにいいねがつくだけでハイテンションになっていた記憶があります(笑)。『わが子が恋をしたとき』を描こうと思ったのは、不器用だけどひたむきに生きる娘への応援メッセージから始まりました。また、わが子が大人になっても変わらず思う母心を、読者の皆さんに伝えられればいいなという気持ちもありました」
現在は結婚し、幸せな家庭を築いているおーちゃんさんの長女。辛いときも楽しいときも娘を見守ってきた日々を振り返り、おーちゃんさんはどんな気持ちで漫画を描いていたのだろうか。
「恋愛については、いくら親が心配しようとも、放っておいて欲しいことだと思います。若い頃の私がそうでしたから(笑)。でも娘の結婚を機に、そこに至るまでの道のりもよい経験だと思ってくれたらいいなと。昔の恋人のことは、娘から事後報告で成り行きを聞いていたので、当時を思い出しながら描きました。漫画にするとき、娘が触れてほしくない内容ではないかという点が心配でしたが、あとから聞くと、旦那さまと2人で笑って読んでくれていたみたいです!」
■母親と娘、どちらの立場からも共感の声が続々「温かいコメントに励まされました」
お互いに自立した大人になっても、親子という関係は変わらない。大切に思うからこそ、言ってしまった言葉を後悔したり、気付けなかったことを悔やんだり。漫画では、おーちゃんさんの複雑な思いが赤裸々に描かれ、胸を打たれる。漫画を描く際は、どんなことを心掛けているのだろうか。
「画力がおぼつかない分、どうやったら自分の率直な気持ちを伝えられるかな~?と、いつも考えています。そのための言葉選びは、いつまでも課題です」
作品には「私も娘に同じことを言いました」や「親の気持ちや愛情を思い返して胸が苦しくなりました」などのたくさんのコメントが。反響について、どのように感じているかを聞いた。
「本当に温かいコメントに励まされました!娘と親、それぞれの立場でコメントがあり、すごく共感していただきました。よく寄せられる『私の母もこんな思いだったのかなと思うと、泣けます』というお言葉は、特に印象に残っていますね」
最後に今後の展望を伺うと、「最近はめっきり制作も滞っておりまして…」と話すおーちゃんさん。まずは初心に帰って、楽しみながら描いていきたいという。おーちゃんさんの心温まる作品を、これからも楽しみにしたい。
取材・文=松原明子