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「早く日常が戻れば」とニュースも言う…本当にそう!?「マスクを外す日常」に戸惑いの声も!【作者に聞く】

  • 2023年6月13日
  • Walkerplus

「月刊アフタヌーン」の四季賞で佳作を受賞し、新人漫画家として商業誌で読切を描いているふみん(@huuuminging)さん。人間が抱えている繊細の感情や内面を表現する描写を得意としている。『息苦しくない日常へ』は“マスクを外す日常”に対する人それぞれの考え方・捉え方を描いた作品だ。

2023年5月より新型コロナウイルスの感染症法上の位置づけが2類相当から5類に移行。マスクの着用に関しては“屋内では原則着用”とされていたが、2023年3月13日以降は“個人の主体的な選択を尊重し、個人の判断が基本”とされた。マスク着用が日常となっていたコロナ禍が終息し、マスクを外すようになった日常を描いたこの作品へのコメントには、「もはやマスクは下着」「接客業は花粉症だろうがなんだろうがマスクを付けることが許されなかったから、正直今は助かる」「割とマスクのおかけで世界は生きやすくなったけどなぁ」というマスク肯定派の意見から、「マスクをやめられない日本人、みんな病気」という意見までさまざまな意見が寄せられている。今回、著者のふみんさんに話を伺ってみた。

――『息苦しくない日常へ』を描こうと思ったきっかけなどについて教えてください。

時代性のある話というか、その瞬間でしか描けない話を描いておきたかったんです。人間の感情は鍵をかけて閉まっておくことはできないので、時が立つとぼやけてしまってよくも悪くも忘れてしまう。そこで作品として残しておきたかったんです。

――この作品に込めた思いとは?

これを描いたのは約1年前なんですが、“今みんな、どんなことを思っているんだろう”って周りを見渡してみたら「日常が早く戻ってきてほしい」という言葉をよく耳にしました。一方でマスクも然りなんですが、「人との距離があるからこそ生きるのが楽になった」という人たちも確実にいて。その人たちのことを無視したくないなと思ったんです。そういう人たちは、みんなが戻ろうとしてる日常にこそ苦しみがあって、もちろん不幸は競争するものではないんですが、ただ“僕、私はずっと苦しかったんだよ”という痛みの存在を忘れたくないし否定もしたくなかった。
どちらにせよ「以前の日常に戻る」って喪失にも受動的にも感じるので、そうじゃなくて「新しい日常になる」って考えられたら、誰しもが前向きで健全で生きやすいのではないかなって…。世間が不安な空気の時期だったので、“痛みはそれぞれだけど君の人生はこれからも大丈夫だよ”ってことを言いたかったのかもしれません。

――最後に、今後はどのくらいのペースで作品を描かれますか?または、今後の新作についてのご予定を教えてください。

Twitterやpixivには不定期となりますが、漫画をあげています。今は連載に向けて頑張っているので、いつか作品を見かけたときは読んでくれたら幸いです。

『息苦しくない日常へ』の作中で、「『はやく日常が戻れば』って先生もニュースも推しも言ってた」というセリフがある。主人公はそういう世間一般的な言葉を聞いて、“みんなが望んでいる日常”に対して恐怖に感じていたが、最後には「元に戻る」んじゃなくて「新しくなれたらいいな」と思えるように変化する。そういう主人公の変化を受け、コメント欄にも「正直コロナでずっとマスクをつけているのが心地よくて仕方ないです。でもそれは皆の日常じゃないんですよね。私も変わらないといけないなと思いました」という感想や「もはやマスクをつけてることが日常となりつつある現在ですし…。なので新しく作る。というところが素敵だと思いました!」という感想も寄せられた。コロナ禍前の日常に戻るのではなく、コロナ禍を経たからこそ得ることのできた“新しい日常”が息苦しくないものになることを望む。

取材協力:ふみん(@huuuminging)

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