GWなどの長期休暇は、日ごろの疲れを癒やすべく「動物マンガ」をじっくり読みたい！という人も多いのでは？そこで今回は、動物にモテすぎる男のちょっと壮絶でほのぼのとした日常を描いたNANNO(@nanno_koresiki)さんの「動物にモテるサラリーマンの受難」を紹介しよう。
■動物からモテすぎる男にとって田舎への転勤は受難？
本作は、動物に異常にモテてしまうサラリーマン・半田が主人公。一歩外に出るだけで、犬はもちろん、普通は懐かないであろうスズメやカラスまで寄ってくるので、会社に通勤するだけでも一苦労。半田にとっては、野生動物が少ない都会は、まさに安息の地といえるのであった。
ある日、そんな半田に、「山乃奥種村」という自然豊かな田舎への転勤話が持ち上がる。恐る恐る転勤先をストリートビューで見てみると、なんと「熊出没注意」の看板が！「熊はモテるというより事件だろ…」と怯えつつも、懐かれると案外かわいいのかも…と妄想がふくらんでいく。果たして半田は無事転勤を断ることができるのか――？
■動物にまみれた日常は爆笑の連続
ある時は半田の頭にスズメが潜り込み、ある時は散歩中の犬に抱きつかれ、またある時はカモの親子にストーカーされるという、動物にまつわる爆笑エピソードがいっぱいの本作。SNSでも「エグいほどのマイナスイオン」「優しい世界」と話題になっている。著者のNANNOさんに本作を描くきっかけや見どころなどを伺った。
「動物にモテるサラリーマン」という設定がユニークだが、ストーリーの決め手となったのが近所の小さな山だという。
「何かSNSにアップする漫画を描こうと思ったのがキッカケです。その頃住んでいた家の近くにハイキングできるような小さな山があり、『山の中に行く話だったら背景が描きやすそう』ということで山奥に行く話に決定しました。どういう経緯で山奥に行く話にしたら面白いかな～と考えた結果、自然と『動物にモテるサラリーマン』の話になってました」
NANNOさんによると、半田がこのような体質になったのは、恐らく高校を卒業して一人暮らしを始めた頃〜大学卒業までのタイミングのどこかだという。番外編「動物にモテるサラリーマンの帰省」では、主人公が自分の体質について両親に話を聞きに行くエピソードが掲載されている。
また、動物にモテすぎる半田だが、実はすべての動物に愛されてるわけではない。半田自身が大好きな猫だけは、どうしても懐いてくれないのだ。半田は猫を克服できるのか…、今後の展開に期待したい。
作者から見た本作の見どころは、やはり「動物たちの表情」だという。動物たちの気持ちを想像しながら読むと、より楽しめるとのことだ。そして、会社の人々が半田の体質を自然に受け入れているのもほほえましい。
「主人公がカモを抱えて出勤してくる様子を密かに『今日もカモ出社…』と噂されたりしてますが、基本的にはみんな半田くんの体質には理解を示してくれています。多様性の時代ですね」
半田や後輩の亀崎、新人の住吉さんによる、恋に発展しそうで発展しない絶妙なやりとりにも注目してみてほしい。
今後、半田がもし山奥に転勤したら、クマ、タヌキ、キツネ、シカ!?など、ますます受難が増えそうだ。NANNOさんによると最新作は現在noteで更新中とのことで、サスペンス・アクション・ラブコメの3つの要素で構成されているという。ますます壮大に展開していく半田の日常から、目が離せない！
昨年12月26日に単行本が発売されているので、まとめてじっくり読みたい人はぜひチェックしてほしい。
取材協力；NANNO(@nanno_koresiki)
