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子猫との出会いは、母の四十九日…「言葉が通じない方が気持ちが通じることもある」立場が変わることで救われる温かいストーリー【作者に聞いた】

  • 2023年4月5日
  • Walkerplus

母親とは折り合いが悪かった。そんな母が他界し、四十九日を迎えた日、突然子猫が現れた。まるで母親の生まれ変わりのような気がして、その猫を買うことに決めたかっく(@cak221)さんの創作漫画「猫と子と母」を紹介するとともに、作者の思いを聞いた。


■子猫との不思議な出会いに、運命を感じた
母親の四十九日を終えた日、子猫が現れた。転生や霊感のスピリチュアルな類は信じてないが、母の忌明けの出会いに、どこか運命を感じて子猫を飼うことに決めた。

まだ小さいこともあり、手厚く世話をした。それだけではない。生前、折り合いが悪かった母との風穴を埋めるように、たくさん話しかけてしまう主人公。母と娘の頃にできなかったことを今、償いのようにやっていた。

亡くなった母にいい思い出はなかったけれど、子猫を育てていくうちにたくさんの思い出が蘇ってくる。できたことを褒められたこと、頭を撫でられた感触。いつしか忘れていたことが、子猫を育てていくうちに蘇った。母に対してのわだかまりが、子猫を通して解けていく切なくも温かい物語に感動の声が届いている。


■母への心残りが子猫を通して少しずつ溶けていく
――切ないけれど、心温まる話でした。本作を制作されたきっかけを教えてください。

「母と娘」というのは、難しい関係性のご家庭が多いのではないかと私は思っていて、でも「庇護される存在である方の”娘”が、庇護すべきものを持つとどういう感情を持つのだろう?」しかもそれが「母の生まれ変わりだったら…?」「自分が愛されていたことに気付いてしまったら…?」と、思ったのがきっかけでした。

――「身近な人だからこそ、心にしこりが残ってしまう」深いテーマですね。でも、すごく共感しました。難しいテーマですが、こだわったところはありますか?

こういうお話だと「主人公がまた娘を生んで、死んだ母の気持ちを思う」がセオリーかなとは思うのですが、仮にこの親子がどういう事情であっても例えば義理の親子でも、こういう感情や関係性は人間だから発生するものだと思ったので「血が繋がっているから」という理由だけで終わらせたくありませんでした。そこに猫の日がちょうど重なったのもあって、「言葉が通じない方が、気持ちが通じることもある」と思うので、お母さんには猫として娘とまた一緒に暮らして「関係性のやり直し」をしてもらえれば…という点は、自分の中で込めたかった救いのような祝福です。

――猫に救われた主人公。かっくさんもまた、日々猫に救われているのでしょうか?

私自身も去年から保護猫と同居を始めまして、毎日その存在に救われています。元々は自分がいつ死ぬか分からないので、タイミングも丁度良かったし、ずっと飼いたいと思っていた猫を今飼おう!と思い切って一緒に暮らし始めた次第ですが、今となってはこの子を養うためには、この子を残して死ねない!!となっています。むしろ生きる力を与えてもらっていますね…。救いです。


取材協力:かっく(@cak221)

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