サイト内
ウェブ

言われればみんな知ってる「小熊猫」「馴鹿」 「避役」ってどんな動物?動物の難読漢字36選

  • 2023年4月10日
  • Walkerplus

こんにちは。クイズを愛する2児のサラリーマンけんたろ(@kenlife202010)です。クイズ好きが高じて、日本語や雑学に興味を持つようになり、Twitterではクイズを中心に言葉の知識や雑学ネタを発信しています。

こちらでは「言葉にまつわる知識」をテーマに、よくある日本語の間違い、実は知らない身近なモノの名前、漢字、社会人としての言葉、言葉の雑学などをお伝えしていきます。

今回は「漢字~動物~」です。

クイズ番組でも頻出の漢字について、以前の記事では「漢字~水生生物~」について取り上げましたが、今回は哺乳類や両生類・爬虫類についてまとめてみました。

普段カタカナで見かけることの多い動物たちの漢字ですが、漢字の雰囲気で何となくわかるものも多いのではないでしょうか?

今回も漢字の成り立ちや語源、さらに雑学知識も含めてご紹介します。是非読みと合わせて漢字の成り立ちを想像して読んでみてください。

犀:
サイ。アフリカ・インド・マレーシアなどに生息。犀という漢字は「尾十牛」から成り立っており、尾に剛毛のある特徴から作られた漢字です。古代中国では黄河や長江の流域にも生息していたらしく、角(犀角)は漢方で解熱薬に利用されていました。そのため、現代でも犀を密猟しようする者が多く絶滅の危機に追い込まれています。

河馬:
カバ。アフリカの川や湖に生息。河馬の名は幕末にオランダ語の“Nijlpaard(ナイルパッド)→ナイルの馬”を和訳したものとされています。また、「血の汗」と呼ばれるピンク色の粘液を分泌します。これによって皮膚表面を保護しています。

麒麟:
キリン。アフリカに生息。元々は泰平の世に出現するとされる伝説の動物です。現在の中国では長頸鹿(ちょうけいろく)と言い、麒麟表記は日本だけに残っています。キリンの雑学は非常に多いのですが、今回は1つだけ。睡眠時間は1日なんと約20分です。

土竜:
モグラ。北半球に生息。この漢字は本来ミミズの異名であり、「鼴鼠」と書きます。これは元は「偃鼠(えんそ)」であり、偃の字には「低く伏せる」の意味があります。モグラの地中を潜ったりずんぐりな体形から当てられたと考えられます。また、「鼹」でもモグラと読み、鼹の「晏」には「家の中でじっと落ち着くさま」という意味があり、土の中に潜むモグラのイメージを表しています。

斑馬:
シマウマ。アフリカに生息。まだらを表す「斑」の字が使われていますが、単純に「縞馬」とも書きます。一見、シマウマの白黒の縞模様は遠くからでも目立つように思われますが、実際は保護色の役目を果たしています。

子守熊:
コアラ。オーストラリアに生息。発見した西洋人が熊だと思ったため熊の漢字が用いられています。有袋類であるため「袋熊」とも表されます。キリンと逆で1日の睡眠時間は約20時間と非常に長いです。これは主食しているユーカリには毒素が含まれており、これを解毒するのに時間が必要などの理由があります。

守宮:
ヤモリ。日本・中国・朝鮮に生息。中国由来の漢字表記で、宮廷にいる害虫を食べることから名づけられた説や、宮中の女官に朱砂を食べて赤くなったヤモリをすりつぶし体に塗ることで男性との肉体関係を持たせない(肉体関係をもつと消える)という後宮を守るという意味での説などがあります。ちなみにヤモリは爬虫類ですが、イモリは両生類です。イモリは井守・蠑螈と表し、井戸を守ることから来ています。

大熊猫:
ジャイアントパンダ。中国の一部に生息。パンダ(熊猫)というと一般的にはジャイアントパンダを指します。上野動物園などで人気のパンダですが、日本にいるパンダは全て中国への返還義務があります。理由は、ワシントン条約で商業目的での取引が禁止されているからです。

小熊猫:
レッサーパンダ。中国やインドなどに生息。元々はレッサーパンダのことをパンダと呼んでいましたが、ジャイアントパンダが発見されたことにより、“大”パンダをジャイアントパンダ、“小”パンダをレッサーパンダと呼ぶようになりました。「レッサー」は英語で「小型の」という意味です。

蝙蝠:
コウモリ。世界中に生息。諸説ありますが、川岸や橋の下などに見られることから「川守(かわもり)」が語源と考えられています。蝙の「扁」は“薄い”を、蝠の「畐」は“くっつく”を表現しています。薄い翼と壁にくっついている姿を表していると考えられます。視力はほとんどなく、反響定位(エコーロケーション)という音のはね返りを聞き取る能力で障害物の位置を把握しています。

駱駝:
ラクダ。駱駝は「橐駝(たくだ)」から変化した語で、「橐」は「袋」の意味があり、背中に袋とも言えるこぶを持つラクダを表現しています。アフリカやアラビア半島などに生息するヒトコブラクダと、中央アジア周辺に生息するフタコブラクダがいますが、ほとんどはヒトコブラクダです。コブは脂肪でできておりエネルギーを蓄えています。

栗鼠:
リス。リスはそもそも栗鼠の音読み“リッソ”が訛ったものです。中国では松鼠と称され、栗鼠の表記は現在ありません。大きな尻尾は傘や枕代わりになるなど大活躍ですが、ピンチの時はなんとトカゲのように取れます。ただ再生することはありません。

獺:
カワウソ。ヨーロッパからアジアにかけて生息。けものへんに瀬(浅瀬・急流などの意)の略体を合わせた漢字で、水辺の獣を表しています。カワウソは捕った魚を祭りの供物のように並べる姿から「獺祭」という言葉が生まれ、転じて机の上に多数の文献などを広げておくことを表現するようになりました。河童の原型とも言われています。

鼬:
イタチ。日本・ユーラシア・アフリカ・アメリカと広く分布。「由」の字は「細長く抜け出る」というイメージを持つ記号で、体も尾も細長いイタチの特徴を表していると考えられています。可愛い見た目とは裏腹に非常に狂暴です。そんなイタチ科の中で家畜用に品種改良されたのがフェレットです。

羆:
ヒグマ。ヨーロッパからアジアにかけておよび北アメリカに生息。日本では北海道にのみ生息し、北海道に生息するエゾヒグマには、胸に白斑を持つものがあり、シロクマ→シグマ→ヒグマとなったと考えられています。漢字の「羆」は中国ではハイイログマを表します。国内では最大の陸上動物です。

獏:
バク。アメリカと東南アジアに生息。人の夢を食べると言われる伝説上の「獏(バク)」に姿が似ていることからこの名前が付けられました。ただその伝説の獏は、鼻はゾウ、目はサイ、体はクマ、足はトラ、尾はウシといった姿でバクに似ているのかどうか。

貂:
テン。日本および朝鮮半島に生息。中国では「貂(テウ)」と発音し、これが訛ったために“テン”になったと一説では考えられています。貂の“召”はしなやかに曲がるという意味があり、しなやかで細長い尾の特徴を捉えたためと考えられます。イタチが数百歳を経て魔力を持ったものとされ、伊賀地方では、「狐七化け、狸八化け、貂九化け」と言われ、妖怪として扱われることが古来より多かった動物です。

食蟻獣:
アリクイ。中南米に生息。口先から細長く伸びる舌で蟻をなめて食べるので、漢字もそのままわかりやすいものとなっています。野生のアリクイはなんと1日に約3万匹のアリを食べているそうです。

樹獺:
ナマケモノ。中・南米に生息。一生のほとんどを木の上で過ごしており、日本でも「怠け者」ですが、中国でも樹懶の「懶」は「怠ける」の意味を持ちます。1日で摂る食事の量はなんとたったの8グラム。

蜥蜴:
トカゲ。南極以外ほぼ全てに生息。トカゲの語源は戸陰からきているという説があります。蜥蜴の「蜥」の“析”には分かれて切れるという意味があり、「蜴」の“易”はトカゲの象形文字に当たります。他に「石竜子」もトカゲと読みます。

蝮:
マムシ。クサリヘビ科の毒蛇の総称。東ヨーロッパからアジアにかけて生息。人を嚙むのでハム(食)に由来すると言われ、後にマムシ(真虫)に変わりました。「蝮」は「腹」と同源で、お腹がふっくらとしている特徴を表しています。通常蛇は卵生ですが、マムシは胎生という特徴を持っています。

驢馬:
ロバ。アフリカとアジアに生息。驢の一字でもロバを表し、驢は臚と同じく丸く太った腹を意味します。馬の脚よりもお腹に力があることから名付けられました。日本では馴染みありませんが、世界的には約6000年前から家畜として飼われ始めていました。童話にもよく登場します。

馴鹿:
トナカイ。北極圏周辺に生息。トナカイはアイヌ語の「トゥナカイ」に由来し、漢字は「飼い馴らした鹿」から来ています。その意味通り、野生のトナカイはほとんどいない状況です。また、トナカイはシカ科の中で唯一オスもメスもツノがあり、オスは春に角が生えて秋から冬にかけて抜け落ちますが、冬季に子育てをするメスは冬に角が生えて春から夏にかけて抜け落ちます。そのことからクリスマスにサンタクロースのソリを曳いているのはメスということになります。

鼈:
スッポン。東アジアと東南アジアに生息。中国ではシナスッポンを「鼈」、マレースッポンを「黿」と表し、鼈の「敝」は「平らに拡がる」の意味があり甲羅が平たい特徴を表しています。甲羅は他の亀と異なり鱗板はなく柔らかいのが特徴です。昔から滋養強壮の食材として食べられてきました。

水豚:
カピバラ。アマゾン川流域に生息。「カピバラ」はインディオのツピ族の言葉で「草原の支配者」という意味があり、ギリシャ語でも「水の豚」を表すほどげっ歯類最大の種です。和名はオニテンジクネズミ(鬼天竺鼠)と言います。鼻の上にコブのように盛り上がっている部分がありますが、これは「モリージョ」と呼ばれる臭腺で、ここから出る分泌液を木などにこすり付け縄張りを主張します。

狒狒:
ヒヒ。アフリカとアラビア半島に生息。元は中国の妖怪であり、日本でも古来の伝承に登場する大型のサルのような妖怪「狒狒」から来ています。よく知られているヒヒはマントヒヒで、性別の差が激しく、体格はオスがメスの約2倍あります。

長尾驢:
カンガルー。オーストラリアに生息。顔がロバ(驢馬)に似ており、長い尾を持つことから長尾驢の漢字となりました。他にも袋を持つネズミという意味から「袋鼠」という漢字もあります。オーストラリアでは単に「ルー」と呼び、やや小形のものを「ワラルー」、さらに小形のものを「ワラビー」と呼びます。

鴨嘴:
カモノハシ。オーストラリアに生息。嘴(くちばし)が鴨のくちばしに似ていることからこの名がつきました。哺乳類にも関わらず卵を産むのが特徴です。他にも後ろ足の爪から毒を分泌したり、母乳を飲ませるにも関わらず乳首が無かったりと変わった特徴があります。

氈鹿:
カモシカ。アジアの山岳部に生息。「氈(かも)」とは、毛織の敷物を指す「毛氈(もうせん)」のことで、毛氈に適していたのがカモシカであったためこの漢字が使われています。ちなみにカモシカはシカ科ではなくウシ科です。また、漢字で「羚羊」とも書かれることもありますが、本来はレイヨウという別の動物のことです。

倉鼠:
ハムスター。野生ではヨーロッパからアジアにかけて生息。中国語から漢字で、ほっぺに食べ物を溜め込む様子を「倉」と表現したようです。現在世界中で飼われているのは全て1930年にシリアで捕獲されたものから繁殖したものです。

羊駱駝:
アルパカ。アンデス山脈高地に生息。羊のようなフワフワとした毛をもった駱駝(ラクダ)という意味から来ています。同じアンデスで飼われる家畜にリャマがいますが、リャマは荷役に利用されるのに対し、アルパカは毛刈り用に利用されています。ちなみに切らないとアルパカの毛は伸び続けます。

鬣犬:
ハイエナ。アフリカやインドに生息。別名を「タテガミイヌ」と言いますが、タテガミを漢字で書くと「鬣」となります。ただ、犬の字が使われていますが、イヌ科ではなくジャコウネコ科に近い分類です。

飯匙倩:
ハブ。奄美地方に生息。三角形の頭を飯匙(スプーン)に見立てたことからこの漢字が使われています。よくハブのライバルにマングースが挙げられますが、これは1910年にハブの駆除目的にマングースが移入された経緯があります。結果としては大失敗で、ハブ以外の希少動物が食べられてしまいました。

避役:
カメレオン。アフリカやインドなどに生息。諸説ありますが、中国の姿を消すことができる伝説上の動物から来ているようです。カメレオンと言えば変色ですが、最近の研究で変色の仕組みは、虹色素胞と呼ばれる細胞層で透明ナノ物質の光結晶が体色変化を調整しているためと判明しています。その特徴から「変色竜」とも書きます。

大猩猩:
ゴリラ。アフリカに生息。ゴリラは「毛深い女」を表すアフリカの語に基づくギリシア語から来ています。猩猩は能の演目にもなっていますが、元々は中国で人語を操る架空の動物のことです。オランウータンのことを指す言葉でもあります。ちなみにゴリラの一種「ニシローランドゴリラ」の学名は「ゴリラゴリラゴリラ」です。

鬣蜥蜴:
イグアナ。アメリカ大陸周辺に生息。その見た目から別名「タテガミトカゲ」と呼ばれ、ハイエナ同様「鬣」の漢字が使われています。見た目とは裏腹に温厚な性格で、ペットとしての人気も高いです。

漢字の成り立ちを知ると、昔の人の動物の捉え方などが垣間見えますよね。また、動物の雑学を知ると動物園に出かけたくなりますね。週末に出かけてみてはいかがでしょうか。

あわせて読みたい

キーワードからさがす

gooIDで新規登録・ログイン

ログインして問題を解くと自然保護ポイントが
たまって環境に貢献できます。

掲載情報の著作権は提供元企業等に帰属します。
Copyright (c) 2024 KADOKAWA. All Rights Reserved.