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方言っていいね!がん病棟の患者を癒やす、素敵なコミュニケーションにほっこり【作者に聞いた】

  • 2023年3月23日
  • Walkerplus

鼻腔(びくう)がんになった体験を実話コミックエッセイとして描いた、主婦のやよい かめさん。その漫画をまとめた書籍「鼻腔ガンになった話」が発売中だ。ここでは入院中の体験の中で、書籍に描かれていないエピソード「方言の話」を紹介。その時感じたことなどを聞いてみた。

病院の廊下で聞こえてくる「さすけねえ」「一緒さえぐわ」といった福島の方言。関西出身のやよい かめさんは気になる。

方言を少し恥ずかしがる看護師さん。でも、方言を使うからこそ、若い看護師さんとお年寄りの患者さんがストレスなくコミュニケーションできる。やよい かめさんはそんな様子にほっこりするのだった。

■方言の意味が分かると、その地になじんだ気がしてうれしくなる
旦那さんが転勤族のため、比較的あちこちに行ったり住んだりしてきたというやよい かめさん。「語尾が変わる系の方言(〜やけん、〜だら)なら、同じ日本語なんでちゃんと意味もわかる場合が多いです。でも単語がまるっと違う言葉はわからなくて、焦ります。たいがい相手の方が、こっちがわかってないのを察して意味を教えてくれるんですが、その優しさと言葉一つ分、その土地になじめたような気がしてうれしくなります」

同年代や若い人と話す場合は方言もそこまで気にならないが、年配の人の方言は慣れないと聞き取るのが難しい。「同じ病室の、しっかりとした福島弁のおばあちゃんに話しかけられたときは、かなり集中して意味を推測しながら話をしました。私は当時福島に来てまだ1カ月も経っていない頃だったので、福島弁のリズム自体に慣れていなかったんです。ちゃんとヒアリングできているか、内心とても焦っていました」

病院で方言が使われることについては、「そもそもなぜ看護師さんたちが方言で話しかけるようになったのかを想像したら『患者さんをリラックスさせたい』『怖がらせたくない』という気遣いからでは、と思うんです」

とはいえ、いろんな患者さんや看護師さんがいるので当事者の受け取り方や感じ方もさまざまだし難しい、とも。SNSでこのエピソードを投稿した際は「うちの病院はクレームがあったため方言禁止です」という看護師さんのコメントが付いて驚いたそうだ。「でも、看護師さんと患者さんが方言で仲良くお話しているのをそばで聞いていると、地元の仲間同士の言葉って感じがして、私にはうらやましく感じられました」

取材・文=折笠隆

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