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馬場ふみか「見られるとまずい」ストレス発散法とは?King Gnu・井口理と共演した最新作を語る

  • 2023年3月10日
  • Walkerplus

2023年3月10日(金)より、King Gnu・井口理の初主演映画『ひとりぼっちじゃない』が公開。原作は『世界の中心で、愛をさけぶ』などの脚本で知られる伊藤ちひろの同名小説で、伊藤自身の初監督作品となる。

人とコミュニケーションをとることが苦手な歯科医のススメ(井口)の恋の相手・宮子(馬場ふみか)は、つかみどころのない女性。純粋な恋心を持つススメだったが、だんだんと狂気を帯びた展開となっていく。

本作で不思議な雰囲気を持つ宮子を演じた馬場ふみかに、役柄や撮影の裏側、さらに井口とのエピソードを聞かせてもらった。

■宮子は「人生で出会ったことのないような人」
――今作で演じる宮子は、儚げな雰囲気の女性です。動き方や話し方もゆったりとしていて、これまでの馬場さんとは違ったイメージだったのですが、演じてみていかがでしたか?

【馬場ふみか】宮子はこれまでの人生で出会ったことのないような人なので、初めて台本を読んだ時はキャラクターにとても惹かれました。

監督の中では、ビジュアルも含めてイメージがあったようで、衣装合わせも5〜6時間かけて行ったんです。長い時間をかけて、宮子らしくゆったりふんわりして、ちょっと薄着な感じに…(笑)。あまりこんな服装の人って見かけないなと思いながらも、独特なのにかわいらしさもある、不思議なキャラクターだなと感じました。

――宮子を演じるうえで、心がけていたことはありますか?

【馬場ふみか】演じる時は、監督からとにかくゆっくり話してほしいというお話がありました。宮子は目の前にいるのにいない感じがする女性で、隣で話しているのに、話している気がしないというか。実像がなさそうで、幻のように感じる人だから、そういった佇まいは意識して演じました。

たとえば、目線やまばたきもゆっくりとしたり、普段とは違う声音にしたり。普段は低めの声なんですが、私のざらざらした声質があまり出ないように心がけていました。

■ドライなところが役との共通点
――監督の演出は明確にあったのでしょうか?

【馬場ふみか】ありました。でも言葉は抽象的で、おもしろいなと感じましたね。作品によっては、細かくたくさん説明してくださる監督もいるんですけど、「こういう感じがいいなと思います」とふんわりした言い方で、それが私にとっては演じやすかったです。

監督から唯一具体的に指示があったのは、主人公と二人でお芝居を見に行ったあとのシーンですね。宮子は少女のように無邪気なのに、あまり揺れが見えない人だから、常にグラグラと心が揺れている主人公とは真逆の人物。だけどこのシーンだけは、監督から「ここではっきりと宮子の感情が見えるように演じてほしい」とお話があったんです。宮子が珍しく感情を露わにするところなので、とても丁寧に撮影しました。

――ちなみに、監督と交わした言葉で印象に残っていることはありますか?

【馬場ふみか】宮子は自分とかけ離れている人だと思っていたのですが、衣装合わせのあとに監督から「馬場さんは宮子とすごく似ています」と言われたんです。その瞬間はなんてこったと思いました(笑)。

よくお話を聞いたら、「宮子のように、やさしくふんわりあったかい感じに見えるけど、実はちょっと鋭くて、冷たい空気が流れているような感じがします」とのことで。その場では驚きましたけど、よく考えてみたらそんな気もするかなって。

後日、友達に「私って冷たいと思う?」と聞いたら、「ドライだよね」と返答されたんです。たしかにドライなところは宮子にも私にも共通するのかなと思います。そんなところに近さがあったんだなって監督から教えてもらいました。

――監督にとっては宮子像にあてはまっていたんですね。宮子といえば、植物が生い茂る部屋も印象的です。

【馬場ふみか】あの宮子の部屋があって、この映画がありますよね。初めて部屋に入った時は本当に驚きました。森じゃん!って。でもこれが宮子なんだって思いましたね。

ただ、あの部屋は植物が外にもたくさん繋がっているから、窓がずっと開けっ放しなんですよ。夏の撮影だったので、何十カ所も蚊に刺されました。宮子は脚を出している衣装が多いから、虫刺されだらけになったんですけど、でもこれも自然に生きている宮子っぽいから、そのままでいいよってスタッフに言われたんです。なので、映画をよく見たら脚がすごく赤くなってます。毎日私ばっかり蚊に刺されていたので(笑)。

■ミュージシャンの井口理とのギャップに驚き
――では、King Gnu・井口理さんとの共演について、初めて聞いた時の印象はいかがでしたか?

【馬場ふみか】えー!って素直に思いました。初共演ではありますが、King Gnuのライブには行ったことがありましたし、共通の友達がいてお会いしたことはあったので、顔見知りくらいの関係だったんです。俳優としても活動されているのは知っていましたけど、共演できるとは驚きでしたし、お話を聞いた時は楽しみでしたね。

俳優の井口さんは歌手の時とはギャップがあって、普段の井口さんよりも背中が小さいんですよ。どうしたんですか?って衣装合わせの時に聞いたら、「だ、大丈夫ですかね…不安で…」と言っていてびっくりでしたね。King Gnuとして舞台に立つミュージシャンの井口さんは堂々としているイメージだったので、全然違っていて驚きました。

――現場で、井口さんと役柄や演技についてお話されたりはしたのでしょうか?

【馬場ふみか】互いに自然体で接していて、「今日暑いね」くらいの会話でしたね。本読みの時に作品全体のトーンや空気感は決まっていて、ススメはこういう人だなとわかり合っていたので、あえて何か作品の話をしたり、シーンの話をするということはなかったです。

――雑談をしたり、声を掛け合ったりということは?

【馬場ふみか】コロナ禍ということもあって、あまり雑談もできなかったんですけど、先程お話した二人でお芝居を見に行ったあとのシーンを撮り終えたあとに、井口さんから声をかけてくださったのを覚えています。

緊張感のある撮影のあと、OKが出た時にやさしく「おつかれ!」って。愛情と思いやりのある人だなと感じてうれしかったですね。私にとって一番大変なシーンで声をかけていただいたので、私も井口さんにとって一番大変なシーンかな、と思った最後のシーンの終わりに「おつかれ!」って声をかけました。

■馬場ふみかの発散方法はデスノート?
――友情があったんですね。では、作品にちなんだお話ですが、主人公のススメは宮子との恋愛によって少しずつ生活が変化します。馬場さんにとってこれまで生活が変化したと思う出来事はありますか?

【馬場ふみか】やっぱり仕事を始めたことですね。それまでは新潟で普通の学生をしていたので、明らかにいろいろなことが変わりました。初めての作品も映画だったんですが、たくさんの人たちとひとつの作品を作るって、こういうことなんだと知ることができたのが当時はとても新鮮でした。

初作品ながら、血みどろな内容だったうえに、役柄が不憫で壮絶だったんです。今振り返ってみると、最初にこんな役を演じていたってすごいなと思います。あのヘビーな経験が今の俳優人生に活きていると感じています。

――もうひとつ、作品にちなんだ質問です。ススメは宮子と付き合っていくうえで、自信をなくすようなシーンが多々描かれますが、馬場さんは自信をなくすような時にどうやって自分を励ましていますか?

【馬場ふみか】励ますというよりは、いったん自信をなくしますね。お酒を飲んで、ごはんを食べて、友達とお話して、日々を過ごしながら自信を取り戻していきます。

ススメと同じで、日記を書いて気持ちを発散することもありますね。紙に書くのが好きで、うれしいことも、悲しいことやむかついたことも書いてます。人に読まれるとまずい…デスノートっぽいかも(笑)。読み返したりはあまりしなくて、その場で発散する方法としてよく日記を書いています。

撮影=後藤薫
取材・文=イワイユウ

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