
2022年ウォーカープラスで話題となった漫画を一挙お届け!社会問題を描く漫画が話題になることが多かった本年、献花問題を描いた森本大百科さんの(@mdaihyakka)さんの「価値観」をお届けしよう!
事故現場の近くに花や飲み物、食べ物などが手向けてあるのを見たことがある人も多いのではないだろうか?この弔い方について、道路が汚れたりセロファンが飛んでバイクや車が滑って危ない、お供物にはカラスや動物が食い漁ると言う意見がある。逆に事故現場がわかることで、ドライバーへの注意喚起になっているという意見もある。どちらにしても、放置された供物は誰かが片付けなければならないのが本作の注目ポイントだ。
■供養花は一体誰が片付けるのか?それぞれの立場で見方を変えてみたら?
自分の不注意で事故に合ってしまった飼い犬を供養するため、献花を置きにきた女性。通りがかりの老人に声をかけられた。
花を置き、その場を立ち去ろうとすると老人は置いた供養花を指して「片付けないんですか?」と言う。
犬が亡くなったことをかわいそうだと言ってくれたのに、老人は「今、この世界であなた以外にはその花に価値なんてないんですよ」とひどいことを口にする。
女性は花をお供え物と捉えているが、老人はゴミを放置しているように見えている。どちらも自分たちの価値観で話しているため、話は平行線のまま。女性は老人に「お供え物くらいいいじゃない!」と怒鳴ってその場を去った。
その後、女性の家の敷地内で先日出会った老人が事故で亡くなる。どうやら有名な社長だったらしく、老人の死を知って、多くの人々が花束を持って参列に現れた。女性は、以前自分が犬のために献花したことをすっかり忘れ、溜まり続ける供養物を前に「ウチにとっては、ただのゴミよ!」と叫んだ。
森本さんのTwitterでは「千羽鶴問題」と言う題名で本作を投稿すると、人の思いが込められた品物についての賛否が多く寄せれ、話題となった。価値観によって違う「いいこと」「悪いこと」に正解はあるのだろうか。考えさせられる問題作、ぜひ一読してみてほしい。
■時代性のある作品を没入感のあるタッチで描く
森本大百科さんは、現在大阪よしもとで活動中のピン芸人。以前は漫画「カバチタレ!」東風孝広先生のアシスタント経験もあり、お笑い芸人にとどまらず多方面で活躍中!「入ってはいけない研究室」やYouTubeで「ちゃうねん、コントやねん」を配信している。
ウォーカープラスでは、SNSの誹謗中傷を描いた「炎上」や宅配業者の訪問という恐怖を描いた「留守番電話」などゾッとする作品など、多くの作品を紹介してきた。いずれも背筋が冷たくなる奇妙な物語を絶妙な切り口で描いている。
画像提供:森本大百科(@mdaihyakka)