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幽霊から「家賃収入」をゲット!?コメディと本格ホラーが同居する漫画『訳アリ心霊マンション』に注目集まる

  • 2022年10月17日
  • Walkerplus

人を呪い、あるいは取り憑き害をなす悪霊や魑魅魍魎。そんな存在をマンションに「入居」させ仕事も斡旋し、霊から家賃収入を得る――!? 「くらげバンチ」(新潮社)で連載中の『訳アリ心霊マンション』は、そんなユニークな設定で描かれるホラー漫画だ。
ホラー作品のセオリーをちゃぶ台返しにするようなコメディと、シリアスな謎や恐怖が同居しSNS上で大きな人気を集め、2022年10月7日には単行本第1巻が発売された同作。ウォーカープラスでは作者のネブクロ(@nebukuro41)さんに、本作が生まれたきっかけや制作上のこだわりについて話を聞いた。


■悪霊相手に入居勧誘!逆転の発想で描かれるホラーが人気
物語は主人公の「東雲薫」(しののめかおり)が、働きづめの生活から心機一転、マンション経営に乗り出すところからはじまる。働かずに家賃収入で暮らすことをもくろむ薫だったが、オーナーとなった物件は心霊現象が頻発する訳アリのマンションだった。

元の入居者たちは逃げ出し、新たな入居希望者もいないというピンチを抱えた薫だったが、発想を逆転させ、霊的な存在を住まわせ彼らに勤め先を提供することで家賃を得る「心霊マンション」とすることを思い立つ。

そんなマンションの“入居者”たちは、祀られた神社が朽ち果て子供たちを取り込もうとするかつての祭神や、「見たら死ぬ絵」を描き上げ発狂し命を絶った画家の卵のように、一筋縄ではいかない悪霊ばかり。襲いかかる彼らを相手に命の危機に陥りながらも、薫はあっけらかんと入居者募集を続けていくというストーリー。

ホラーの典型的シチュエーションを逆手に取った結末やコメディパートはもちろん、マンションの心霊現象を解決すべく現れた“祓い屋”の「日下部ツヅミ」も加え、時に入居不能などうしようもない心霊現象にも遭遇する本格ホラーの側面を併せ持つのも大きな魅力となっている。

■コメディの裏で、ホラーにありがちな「細かい矛盾」を突く
同作は作者のネブクロさんが個人で制作していた同名の作品が原型となっており、第17回くらツイ漫画賞で大賞を受賞した後、今年5月から連載版がスタートした。連載版第1話をTwitter上に投稿した際には10万件超のいいねがつくなど、早くも大きな人気と注目を集めている。そんな本作が商業作品初連載となったネブクロさんに、アイデアの発端や、初連載への思いなど作品制作の舞台裏をインタビューした。

――最初に本作のアイデアや構想が生まれたのはどういったところからでしたか?

「小さい頃から好きで怪談とかよく聞くんですけど、どうしても細かい矛盾を突っ込みたくなる性格で『気絶して目が覚めたら運よく霊が消えていた』とか『意地でも危険区域の説明をしない老人』とか、自分がホラー物を描くなら他との差別化も含めてそう言った点を突いていこうと考えてました」

――漫画家としても、心霊・ホラージャンルは以前から描きたかったジャンルだったのでしょうか?

「興味はあったんですけど、バトル漫画を描いては持ち込んでた人間でしたので、商業で描こうとは当初全然考えていなかったジャンルでした」

――同作は個人制作版が第17回くらツイ漫画賞で大賞を受賞し、今年5月から「くらげバンチ」での連載がスタートしました。連載開始までの経緯を教えてください。

「長年作品を持ち込みしていた出版社があったんですけど、箸にも棒にもかからず、貯金や年齢、迫りくる危機感に逆切れし、『好きなもん描いてネットに上げてストレス発散してやるよッ』とTwitterに公開したのがはじまりです。それを見たくらげバンチ編集者から『賞に出してみたら?』とお声がかかり、受賞して今に至ります」

――本作が初連載とうかがいましたが、連載を開始してからの思いや変化はありますか?

「とにかく眠い、サボりたい、お腹壊す。私は元気です」

――連載版では、一話完結型に近かった個人制作版からリセットされ、連続したストーリーの謎にも惹かれます。

「訳アリ心霊マンションの“訳アリ”は、物件的にもそうですけど、そこに住まう皆が何かしらの“訳アリ”を抱えていて、一話完結型だとそこをギャグで流せるから触れなくても違和感ないんですけど、それじゃ僕が納得できないんで。連載本編はストーリー物にして、『訳アリ』を丁寧に描いていこうと決めました」

――このたびコミックス第1巻が発売となりました。最後に、読者に向けメッセージをお願いします。

「ギャグとホラーと感動をミックスした『訳アリ心霊マンション』を今後とも好きな時に好きに読んでって」

画像提供:ネブクロ / くらげバンチ(新潮社)

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