サイト内
ウェブ

「飼いやすい」はウソ?ウサギ歴20数年の作者による漫画に共感の嵐

  • 2022年10月8日
  • Walkerplus

来年の干支であるウサギを描いた漫画がTwitterで話題だ。作者の南兎さん(@sud_lapin2987)は、ウサギ歴20数年という大ベテラン。ウサギにまつわる漫画や、一緒に暮らすホーランドロップの「ひめちゃん」の動画などを日々アップしている。

ウサギを飼う際の注意点や心構えを描いた漫画『「来年うさぎ年だし、うさぎ可愛いし、最近人気で飼いやすいって聞くし、うさぎさんお迎えしてみようかな~」と思った方に知っておいてほしいこと』は3万リツイートを超える大きな反響を呼んだ。

「かわいくて飼いやすい」イメージが先行するウサギだが、南兎さんは「それはデマです」と言い切る。漫画ではウサギのなんでも齧ってしまう習性や、抱っこを嫌うウサギが多いこと、病気になったときに頼れる病院が少ないことなど、かわいいだけではない一面をわかりやすく紹介。ウサギを飼う難しさ、大変さを知ったうえで、覚悟や準備ができた人には「大変ながらも楽しい暮らしが待っています」と優しく呼びかける。

Twitterでは「全くその通り」「ちょっと泣きそうになりました」「たしかにうちの子もすごく手が掛かります」「かわいいだけじゃお迎えできないけど、やはりウサギは可愛くて正義」「うちの子は中古車が買えるくらいの手術をした」「そろそろ介護が必要」など、実際にウサギを飼う人からのコメントや体験談が数多く寄せられている。

南兎さんにウサギとの暮らしや創作活動について聞いた。

■ウサギの魅力は?飼い主の心得とは?作者にインタビュー
――南兎さんはいつ頃からウサギのイラストや漫画を描いておられるのですか?

「小学生くらいから、ウサギの絵をたくさん描いていました。中学生くらいのころに初めて漫画を描くようになり、ペット雑誌の新人賞に応募したりしていました。大人になってからは手帳に描く程度でしたが、2015年ごろにSNSを始めたのをきっかけに、パソコンで絵や漫画を描いてSNSにもアップするようになりました。

――『「来年うさぎ年だし、うさぎ可愛いし、最近人気で飼いやすいって聞くし、うさぎさんお迎えしてみようかな~」と思った方に知っておいてほしいこと』を描こうと思ったきっかけは何だったのでしょうか?

「コロナ禍の巣ごもり需要でペットブームが起きていることや、ウサギの多頭飼育崩壊、飼育放棄のニュースをたびたび目にするようになったことがきっかけです。

来年はうさぎ年。ペット業界が盛り上がって、ウサギブームが起きるのではないかと予想します。知識のない人がブームに乗せられてウサギをお迎えし、”想像と違った”と感じて手放してしまうようなケースがさらに増えるのではないかと心配だったのです。ウサギと暮らすのは楽しいけれど、大変な面もたくさんあることを知ってほしいと思い、漫画を描きました」

――この作品を描くにあたって、気を付けたことやこだわったことを教えてください。

「メディアでは良い面ばかりが取り上げられることに疑問を持っていたので、意外と知られていない”大変な面”を強調しています。ウサギさんにも個性がありますので『うちの子はこんなんじゃない』と思われる飼い主さんもいらっしゃるかもしれませんが、やはり生き物と暮らすのは楽なことではないです。押しつけがましくならないよう心がけつつ、大事なことはきちんと主張したいと思って描きました」

――作品のつぶやきは3万件以上のRTがあるなど、大きな反響がありました。読者の方から寄せらせたコメントやメッセージで印象に残っているものがあればお聞かせください。

「実際にウサギを飼っている方からのコメントが多かったです。漫画の内容に共感してくれる飼い主さんがたくさんいたことにホッとしました。『お世話は大変だけど、そこが愛おしい』とおっしゃる方がとても多くて、皆さん心からウサギを愛していらっしゃるのだなあと感じました」

――南兎さんのプロフィールサイトでは「うさぎ歴20数年、うさぎ以外にもいろいろな動物と暮らしてきました」と記載されています。ご家族皆さんが動物好きだったのでしょうか。今までどんな動物と暮らしてこられましたか?

「家族というより、私と妹が子供のころから動物がとても好きで、親が見守ってくれていたような感じでした。集合住宅でワンちゃん猫ちゃんとは暮らせなかったので、小動物と一緒に暮らしてきました。ウサギのほかには金魚や熱帯魚、ハムスター、リス、ラットと暮らしたことがあります。ちなみにラットは今も家にいます」

――いろいろな動物の中でも、とくにウサギに惹かれた理由は何でしょうか?

「小学生の頃からずっとウサギと暮らしてきたので、”なぜウサギなのか”と改めて考えてみると思いつきません。気付けばいつもそばにいましたね。今では、ウサギさんのいない生活は考えられません」

――ウサギを飼っていてよかったと思うのはどんな瞬間でしょうか?

「私が部屋を移動すると後ろを追いかけてきたり、スマホを触っていたら邪魔をしに来たり、お皿の前でこちらをジッと見つめて明らかに食事の催促をしていたり…。なんてことのないささやかな日常なのですが、ふと”家族なんだな”とじんわり感じて、ウサギと一緒に暮らしていることを幸せに感じます。

ウサギは感情が分かりにくいと思われがちですが、実際にはとても表情豊か。自己主張が強く、ときにはウサギの方から積極的にコミュニケーションを取ろうとしてくれることもあります。ふわふわでやわらかく、けれど抱っこはさせてくれなくて、クールで気高いかと思ったら撫でられるのが大好きで、撫でるととろけてしまったり、人間が横になっているとそっと寄り添ってきてくれたり…そういうところが大好きです」

――今飼っておられるホーランドロップの「ひめちゃん」の動画や写真も可愛くて癒やされます。最近はどんな様子ですか?独特のクセや性格、お気に入りのしぐさなどあれば教えてください。

「涼しくなってきたので活発になって、家の中をよく走り回っています。最近はカラーボックスに入っている布製の引き出しを引っ張り出すことが楽しいようで、よくひとりで遊んでいますね。

やんちゃというかおてんばというか、もし人の言葉を話せたら一日中楽しそうにお喋りしているのだろうなと想像してしまうくらい、忙しく動き回っている子です。視界の中に人間がいなくなると、探して追いかけてくるくらい人間大好きの甘えん坊でもあります。

お気に入りの仕草は、人間の椅子に我が物顔で堂々と座っている姿です。玉座みたいでかわいいです」

――最後に、ウサギはもちろん、ウサギ以外の動物と暮らそうと考えている方に向けてメッセージをお願いします。

「動物との暮らしは、何物にも代えがたい、かけがえのない幸せな日々です。毎日楽しくて、かわいくて、癒やされると思います。けれどそれには同時に、大きな責任が伴います。動物さんに幸せをもらうからには、動物さんを最後まで幸せにしてあげられるよう、飼い主としての責任をしっかり持って、素敵な生活への一歩を踏み出してほしいと思います。そうすれば、きっととても幸せな未来が待っています。私自身も立派な飼い主になれるようにがんばります!」

南兎さんは今後もひめちゃんとの楽しい日々を描きつつ、ウサギのイラストを使ったグッズの展開も広げていく予定とか。ウサギたちの可愛い姿に癒やされつつ、家族として迎える際は「命」を預かる重さを心に留めておきたい。

取材・文=油井やすこ

キーワードからさがす

gooIDで新規登録・ログイン

ログインして問題を解くと自然保護ポイントが
たまって環境に貢献できます。

掲載情報の著作権は提供元企業等に帰属します。
Copyright (c) 2024 KADOKAWA. All Rights Reserved.