コンクリートに猫の足跡。絶対わざとだ...!大阪の工務店が描くほのぼの日常漫画が話題

  • 2022年8月12日
  • Walkerplus

大阪に実在するとある工務店の日常を描いた漫画・工務店の日報(@komuten_no_nippo)がSNSで話題となっている。ファン付きの作業着「空調服」の秘密や、建築現場ならではのあるあるなど、投稿を始めて半年ほどでInstagramのフォロワーは2万人以上に。漫画を描いている福田雄一(@fukudayuichi)さんに、投稿を始めたきっかけや、反響の大きかった作品などを聞いてみた。

■「現場あるあるの本出したいわー」軽いノリで始めた工務店の日常漫画
漫画に登場するのは、大阪市生野区に実在する工務店・株式会社コーバ(@koba_co_ltd)。店舗の内装工事や住宅のリノベーションなどを手掛ける、従業員5名の小さな会社だ。福田さんは工務店の従業員ではなく、デザインやイラスト制作の仕事をしており、なんとポルトガル在住なのだそう。漫画誕生のきっかけを尋ねてみると、工務店の代表・松本さんと福田さんの何気ない会話からだったと教えてくれた。

「工務店の代表を務める松本とは、昔からの付き合いでした。冗談で『現場あるあるの本を出したいわー』と話したことから、軽いノリでインスタ投稿を始めました。思いのほか反応が良く、我々もビックリしています」

工務店自体は2019年の設立とまだ新しいが、建築業には20年近く携わってきた実績があり、漫画はそんな長年の経験をもとに描いているという。

「最初、描き始める前に何度かビデオ通話で工務店のメンバーとミーティングをし、各々が面白かったエピソードを出し合いました。その中から漫画にできそうなものを描いています。最近は全員でのミーティングは減りましたが、ほぼ毎日グループラインでやり取りしています」

そんなやり取りから誕生した漫画に登場するのは、基本的には実在する従業員の人たち。自分が漫画の登場人物となっていることについて、どのように感じているのだろうか。

「従業員は結構、喜んでいるように思います。あまり登場人物が出てきてもごちゃごちゃするので、登場が少ない人もいるのですが、本心はもっと出演したいようです」

■目標は漫才コンビ・中川家のものまねネタ。業界人はもちろん、誰でも楽しめる漫画に
平日は毎日更新されている工務店の日報。ガテン系や力仕事といった建築現場のイメージとは違うゆるい雰囲気が特徴だ。福田さんに反響の大きかった作品を聞いてみると、断トツで、固まる前のコンクリートに猫が足跡をつけてしまう「左官あるある」だという。

猫除けの定番、水の入ったペットボトルやCDも全く役に立たないと嘆くこの作品。「うちの実家もやられました」など、足跡をつけられた人からのコメントが続々と寄せられると同時に、「かわいいから許す」や「うちは足跡残してもらいました」といった声も。左官泣かせな一方で、猫好きにはたまらない出来事のようだ。

建築業に携わる人だけでなく、そうでない読者からも毎回多くのコメントが寄せられている工務店の日報。福田さんに、漫画へ寄せられた声の中で印象に残っているものを聞いてみた。

「女性のフォロワーさんで、旦那さんが建築関連のお仕事をされているらしく、『旦那に見せたら爆笑してました』といったコメントをいただいたことがあります。見ず知らずのご夫婦の会話に漫画が登場し、笑いが生まれているという現実がとても嬉しくもあり、なんだか不思議な気持ちになりました」

福田さん自身も漫画を描くときは、同業者はもちろん、誰にでも面白い漫画にしようと心掛けているそうだ。

「目標としているのが漫才師・中川家の、テレビ局のカメラマンとアシスタントのものまねネタです。テレビ業界でない人でも楽しめ、さらに業界人にはバカウケしているというのが理想の構造です」

最後に工務店の日報の今後の展望と、読者へのメッセージを貰った。

「毎日いいねやコメントをいただき、ありがとうございます。描き始めて半年ほどが経過し、当初は『とりあえず1年くらいやってみよっか』という軽いノリで始めた漫画ですが、書籍化や我々が想像もしていない景色をこの漫画が見せてくれることを願って描き続けていきます。今後も応援よろしくお願いします」

アットホームな雰囲気で綴られ、建築現場を見かけると思い出してくすっと笑ってしまいそうな工務店の日報。これからの作品も楽しみにしたい。

取材・文=松原明子

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